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竹製手すりの設置(3)玄関②

玄関に手すりを設置すべく、前回、竹を取り付けるところまでできました。

実際に竹を掴んでみると、竹(支点間のスパン)が長いため(2.8m)たわんでグラついてしまうことがわかりました。
そこで、中間(腰壁の見切りがあるところ)に支点を設けることにします。
適当な木片を使って下写真の支持具を作製。

木口の片側を半円形(φ36mm)にして丸竹を保持するようにしています。
また、反対側の木口にはシュロ縄を通せるように溝を切ってあります。

一旦、竹を取り外し、腰壁の見切りに支持具を取り付けます。

再度、竹を取り付け、支持具及びシュロ縄で竹を固定します。

シュロ縄だけではきつく縛れなかったため、実際には銅線で縛ったうえ、それをシュロ縄で隠すような形にしています。

支持具については他にもいくつかの方法を考えたのですが、シュロ縄(銅線)で縛ると言うのがシンプルで見た目も竹と馴染んだように感じます。

先に竹を一旦取り外した際に天井側の固定具に古色塗り(柿渋+顔料)を施しておきました。

一方、床側の固定具については床や腰壁と馴染むように拭き漆で仕上げたいと思っており(漆塗りは時期が限定されるため今夏中を予定していますが・・・)、今回古色塗りは行っていません。

固定具はビス留めにより天井や床に対して固定していますが、ビス頭を隠せるように前回、埋め木用の穴(φ10mm)をあけてあります。

上写真のとおり、天井側、床側ともに埋め木するつもりでいたのですが、埋め木すると実質取り外せなくなるため目につく床側だけを埋め木することに変更します。

固定具と同じ杉材から埋め木(φ10mm)をとります(埋め木錐を使用)。

埋め木錐と言えば、以前踏み台を作ったときに中国製のパチモン(下写真:4本セットで送料込み260円!)を使いました。

なんとか埋め木をとれたものの、切れ味は値段相応・・・(刃物系に関しては中国製の安物は避けたほうが良い感じです)。
結局、日本製(スターエム社)のものを買い直し(価格は1本で中国製セット品の10倍以上です)、今回はそれを使っています。

さすが日本製は切れ味抜群です!
杉のような軟木でも綺麗に切り取れました。

埋め木で穴を埋めます(床側のみ)。

そして、完成です!

竹の上部については手で掴むことはないので、猿の人形(さるぼぼ)でも取り付けて登らせると面白そうです(^_^)

竹製手すりの設置(2)玄関①

昨秋、主屋(古民家)の勝手口に手すり(本体:竹)を設置しました。

後期高齢者入りした母のために設置したのですが、私のような若く健康な者にとっても重宝し、床に上がり降りする際には手すりを掴むようになっています。
勝手口の手すりが意外にも良かったことから玄関にも手すりを設置することにします。

下写真は玄関用の傘立てを作ったときの写真ですが、写真手前側に上り框があります。

手すりは腰壁がある側(上写真で左側)に設置すると良さそうです(右側には式台)。
そして、手すり本体には勝手口と同じく竹を使いたいと思っています。
勝手口の手すりに竹を使ったのは第一に里山の竹を有効利用したいと言う思いからですが、実際に使ってみると竹の手触りが思いのほか良いのです。
市販の手すりは木製のものが多く、天然素材に違い有りませんが、合成樹脂でコーティングされているため実際にはプラスチックを触っているようなものであることに、竹の手すりを使い始めて強く感じました。

さて、手すりの寸法や取り付け位置は勝手口のときに検討したとおり下図のようになります。

手すり本体の上・下端にブラケットを取り付け、それを壁の下地材があるところに取り付けるわけですが。
勝手口のときは石膏ボード下地の壁でしたのでブラケットを取り付けやすかったのですが、今回は上端が土壁、下端が腰壁になります。
腰壁はまだしも厄介なのは土壁です。
そこで、ブラケットは使わず、天井から床まで(h=2.8m)1本の竹を立てることにします。

この場合、天井及び床で竹を固定する必要があるため下図の固定具を考えました。

この固定具を下写真の端材(杉)を使って作っていきましょう。

所定の寸法でカット。

トリマーを使って面取りを施します。

これに竹の端部を挿し込めるように深さ30mmの止め穴(座ぐり穴)をあけます。

この穴あけに使っている座ぐり錐(神沢 K-303)は径の変更が可能で、今回は竹の太さ(36mm前後)に合わせています。

下写真のとおりピッタリ竹を挿し込めます。

固定具を床に取り付けることにしますが、取り付けたいところに邪魔な物があります・・・。

これは上り框を支えている柱なのだと思いますが、なぜか床面から出っ張っています。
以前から目障りだと感じいましたし、この機会に切除することにします。

切断面を見るとホゾで框を挿し込んであったようですが、切除しても框が浮くようなことはないでしょう。

腰壁に打たれている鋲も支障になりますが、こちらは固定具側を切り欠いて対処します。

壁との間に隙間なく設置できるようになりました。

固定具は床や天井に対してビス留めして取り付けますが、ビス頭を隠せるように埋め木用の穴をあけます。

天井側、床側ともに加工完了。

とりあえず設置してみます。

どんな感じになるのか少し心配でしたが、なかなか良い感じです。
古民家は基本的に自然素材でできているため、こうした竹を設置しても違和感なく溶け込むのだと思います。
見た目は問題ないものの、実際に手すりとして竹を掴むとたわんでグラグラします・・・。
勝手口のときは竹の長さが1mしかなかったのに対して今回は2.8mもあります。
たわまないようにするには中間に支点を設けるしかなさそうです。

あと、固定具が白木のままで周囲の木材から浮いて目立つため古色塗装を行うことにします。

〈続きます〉