月別アーカイブ: 2018年7月

古民家の自然換気(38)土壁の修復②貫

前回、20年ほど前のリフォームにおいて一部が切断・撤去された土壁について、その上部の土壁に割れが生じていることから元の形に戻して安定化させることにしました。
元の形に戻すため、下図のとおり土壁が撤去されたところに新たに貫(柱同士を繋ぐ水平材)を設け、これで既存の土壁を支えるとともに再設する土壁の下地(エツリ)を固定する考えです。

この貫のサイズ(断面)は3寸×5分としていますので、手元にある杉の野地板(5分厚)から木取りすることにします。
テーブルソーを使って3寸幅で挽き割ります。

強度的にはこれで問題ないとしても、既存の土壁を受けるためには5分(15mm)の幅では狭いです。
また、下地材のヒダチ(間渡し竹)を固定するために貫の上端に1寸(30mm)幅の角材を付け足すことにします。

この角材用には1寸厚の板材から木取りすることを考えていましたが、手元に30mm×40mmの野縁材が余っていましたので、これを使うことにします。
バンドソーを使って30mm×20mm弱×2本に挽き割ります。

このような角材をテーブルソーで挽き割るのは危険ですが、バンドソーを使えば安全に作業できます。

所用の長さでカットしたうえ、貫に角材を取り付けます。

貫自体は本来であれば両側の柱にホゾ穴をあけて取り付けたいところですが、ノミで柱を叩けば土埃が既存の土壁から雨あられのごとく降り注ぐこと必至です(真下は台所のシステムキッチン・・・)。
このため、貫の柱側にも角材を取り付けて柱にビス留めすることにします。

また、角材には釘を1尺ピッチで打ってヒダチ(間渡し竹)を固定できるようにしておきます(下写真は天地逆になっています)。

釘は念のためステンレス製のものを使っています。
また、横方向のヒダチについては柱に丸穴(ドリル使用)をあけて取り付ける(挿し込む)考えです。

これらの貫を取り付けることになる土壁の現状を再確認。

上写真は下屋側から撮影したものになりますが、下地のエツリが現れていることからも分かるように裏返し(裏面からの荒壁つけ)が行われていません。
このことについて以前、左官屋さんに尋ねたことがあるのですが、建築時の他工事(木工事等)との工程の絡みから、どうしてもこのような場所ができてしまうとのこと。
また、建築士さんによると、こうした半分しか荒壁がついていない土壁は耐震計算上はカウントできないそうです。

20年前のリフォームで一部撤去したところが、たまたま裏返しが行われていない弱い土壁だったことが、損傷(割れ・剥離、下写真)の直接の原因ではないとしても大きな要因になっていたのです。
とは言え、撤去する際に裏返しが行われていない土壁であることは分かっていたはずですが・・・。

既存の土壁やエツリを支えるようにして先に加工した貫を取り付け。

表(母屋)側から。

実は、途中から切断・撤去された土壁を元の形に修復することなんてできるのだろうかと思っていたのですが、こうして貫を設けられたことで一気に先が見えたように感じます。
あとはエツリや荒壁つけ、中塗り、上塗りと手間は要するものの時間さえ掛ければできないことはありません。
そんなわけで気持ちはできたも同然になってしまい、安心しきって作業が一時ストップすることに・・・(ブログ記事は続きます)。

<続きます>

古民家の自然換気(37)土壁の修復①検討

先般、夏季の暑さ対策として天窓(ガラス瓦)にシェードを設けたりしました。

上写真はそのときの写真ですが、よく見ると土壁の一部(朱色矢印)に割れが生じています。

割れの状況は下写真のとおりで、割れに伴って壁土が剥離して下地のエツリ(竹小舞)が見えているところさえあります。

4年前に古民家改修の手始めとして、この厨子二階(小屋裏)の片付けに着手したのですが、そのときにこの土壁の損傷を見つけました。
下写真は作業時のもので、大量に積まれている柴・藁を取り除いたところ土壁の損傷箇所が現れたわけです(朱色丸印付近)。

見付けた当初は「土壁が割れているということは、建物の老朽化によって構造部分がヤバイ状態になっているのではないか!?」と思ったものです。
しかし、その後に原因を調べてみると、老朽化によるものではなく、20年ほど前に行なったリフォームに起因するものであることがわかりました。

このリフォームでは1F居室側について丸太梁を現しにするため(流行?)、その上部の土壁の一部が撤去されました。
土壁の一部が無くなったことで、その上部の土壁が支えを失い、その結果、割れや剥離が生じたのです。

下写真は4年前の改修工事の際に外側から撮影したものですが、朱色線で示す箇所で土壁(下地のエツリを含む)が切断され、その下に新たに吊り天井(石膏ボード+断熱材)が設けられているのがわかります。

土壁は壁内の貫(柱同士を繋ぐ水平材)によっても支えられているため、一部を撤去しても大丈夫だと言う判断があったのだろうと思います。
しかし、この壁は内壁だけでなく外壁にもなっていますので、これ以上損傷が大きくなると大変(雨水の浸入等)です。
このため、土壁を元の形に戻して安定させたいと考えています。

<土壁1:幅1間>

<土壁2:幅3尺>

一刻も早く修復しなければならない状況ではないものの、一つ問題があるのです。
それは下図のとおり壁の一部がないことにより、下屋の屋根裏で熱された空気が居室内に入ってきてしまうのです。

以前ブログ記事で紹介した自然換気や冷風扇の使用時は問題ないのですが、エアコン使用時にこれでは効果半減です。
そこで、盛夏を迎える前に土壁(荒壁部分)を修復することにします(ブログ記事は遡って書いていて実際には6月から作業を始めています)。

土壁はエツリ(小舞掻き)により下地を作ったうえ、そこに壁土をつけて作ります。
エツリ用の竹については、咋冬に里山で伐採して既に準備ができています。

<エツリ竹(小舞竹)>

<ヒダチ(間渡し竹)>

ただ、問題は途中で切断されている土壁に対して、どうやってエツリを行なって土壁を修復するのかです。
一面の土壁を全て撤去したうえで再度作り直す手もありますが、実はこの土壁の下には台所のシンクがあって毎日使わなければならないため、可能な限り施工量を小さくしたいところです。
そこで、下図(断面図)のとおり既存の土壁の下に新たに貫を設けることで、既存の土壁を支えるとともにエツリ(を固定するためのヒダチ)を固定するようにすれば良さそうです。

垂直方向のヒダチ(間渡し竹)は、当地では通常尺5寸ピッチで配置されていますが、今回は下図(立面図)のとおり1尺ピッチにしてエツリ自体の強度を高めることにします。

<続きます>

マキタ充電式クリーナ用スタンドの自作②完成

前回、マキタの充電式クリーナ用にスタンドを自作することにし、前板と側板を組むところまでできました。

続いて、天板を加工します。
天板は、前板を木取りした残材を利用し、その前方にクリーナを固定するための半円形の切り込みを設けます。
クリーナのパイプ接続部の直径を測定すると4cm弱あるため、電気ドリルに自由錐を装着して40mmの穴をあけます。

切り込みにクリーナのパイプ接続部をあてがってみると、ちょうど良い大きさです。

天板を前後に移動させ、クリーナを固定するのに最適な位置を探ります。

しかし、このときクリーナの傾斜具合によっては脚(クリーナのヘッド)が滑ってしまうことが判明。
滑らないようにするためにはストッパー的なものが必要です。

そこで急遽、底板を設けることにし、底板の前方にストッパー(角材30mm×12mm)を取り付けます。

一方の天板は前方の角を斜切りしたうえトリマー(ギンナン面ビット)を使って面取り加工。

天板を取り付けて組み立て完了。

スタンドも、先に作製した棚と同じようにオイルステイン(「バトン」色:オーク)で塗装して仕上げます。

板材の樹種は松で油分を多く含みますが、塗料がオイルステイン(油性)と言うこともあって比較的相性が良いように感じました。

棚の下に据え付けて完成です(床や壁に固定しなくてもスタンドの自重で安定しています)。

棚もそうですが、物を使ったあとに収納すべき定位置があると言うのは案外良いものです(とは言え、棚やスタンドを作るより「不用なものを買わない・持ち込まない」ことのほうが大切なのでしょうが・・・)。

今回のスタンドは、クリーナの現物に合わせながら作ったため事前に図面を準備しませんでしたが、参考になるかもしれないと思い、後になってちゃんとしたものを作りました。

マキタの充電式クリーナであれば、このサイズで大丈夫かと思います。