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スライド丸ノコのメンテナンス(2)ブレーキが効かない

フリマアプリで購入したジャンク品(不動)のスライド丸ノコを修理することにし、前回、電源コードの断線を修復しました。

それでとりあえずは動作するようになったものの、ブレーキが全く効いておらず、スイッチを切ってもしばらくチップソーが回転し続けます。
こうした電動工具のブレーキは、スイッチを切ったあと惰性で回転するモーター(発電機)により発生する電気エネルギーを奪う形で実現しているようです。
確かに以前ルーターを修理した際に確認したスイッチ(下写真)もそのような形のもの(3路スイッチ)になっていました(ブレーキ作動時、図でモーター側の1と2を短絡)。

このときスイッチを分解したのですが、接点(下写真で朱色矢印)にカーボンが付着して接触不良になっていました(これが原因でルーターは不動になっていました)。

このときのことが頭にあり、今回のスライド丸ノコもスイッチにカーボンが付着しており、それが原因でブレーキが効かなくなっているのではないかと「推察」します(最近、政治家や官僚が「推察」と言うのをよく耳にしますが、永田町界隈で流行っているのでしょうか?)。

スイッチ(下写真で朱色丸印)を確認すべく、再度本体カバーを外します。

スイッチの回路図を確認すると、やはり3路スイッチになっています(「SATORI」とあるのは「悟り」ではなく、メーカーの「佐鳥電機」)。

回路図で3、5が電源側で、1、2、4が負荷側です。
そして、スイッチOFF(ブレーキ作動)で1と2の接点が閉じることになります。
まずはスイッチONにして端子1と2の間の導通をテスターで確認します→導通あり。

ここで導通がないとブレーキ自体が壊れていることになりますので(モーター側にあるブレーキ用コイルが断線)、ひと安心です。

スイッチを外し、OFFの状態で端子1と2の間の導通を確認すると導通あり。

予想では導通がなく、それが原因でブレーキが効かないはずですが・・・。

一応、スイッチを分解して接点の状態を確認します。
カーボンが付着して黒くなっているものの接触不良とまではなっていないのでしょう。

とりあえずカーボンを落としてスイッチを元通り組み立てたものの、一体、ブレーキが効かない原因は何なのか??
ブレーキ用コイルやスイッチに問題はありませんでした。
ほかに原因を思いつかず、ネットで調べてみたところ「カーボンブラシとコンミテータ(アマチュアの一部)との接触不良により生じることもあり、コンミに損傷がないかどうか確認すべし」との貴重な情報が!(本当にネットには助けられます)。

ここまで来たらモーターも分解です。

コンミテータ(上写真で朱色矢印)を確認すると目立つ傷等はなく、特段問題ないようです。
もし損傷があった場合はアマチュア一式(1万円程度)交換です。
そのような事態は避けられたものの、またもやブレーキが効かない原因が不明に・・・。

とりあえずアマチュアを外したついでに点検、掃除を行っておきます。

モーター軸の両側についている軸受用のボールベアリングはスムーズに回転し、まだ交換しなくても良い感じです。

モーター軸の片側はギヤ(上写真でネジ状のところ)になっており、下写真の主軸に回転を伝えているようです。

ケース内に大量のオガクズが付着しているため、こちらも清掃しておきます。

綺麗になったものの、ブレーキ不良については何も解決していません。
再組み立て後、とりあえず動作させみると、どういうわけかチップソーの回転が止まる寸前(だけ)ブレーキがキュッと効くではありませんか!?
ひょっとして、モーターを分解する際にカーボンブラシを一旦外したことでコンミとの接触が良くなった??
カーブラシの接触面も少し違和感があるため、新しいものを購入してきました(下写真で左2個が旧、右2個が新)。

カーボンブラシを新しいものに交換して動作させると完全にブレーキが効きます!

ブレーキ不良の原因はカーボンブラシだったわけです。
カーボンブラシは消耗品で、価格も500円程度ですので最初に交換しておけば良かったです・・・。
まあ、カーボンブラシの交換だけではブログ記事にできませんでしたので良しと言うことにしておきましょう(^_^;

スライド丸ノコのメンテナンス(1)電源コードが断線

1年ほど前、フリマアプリ(ペイフリ)で中古のスライド丸ノコ(下写真)を入手しました。

特段、スライド丸ノコが必要と言うわけではなかったのですが、たまたまフリマアプリのキャンペーンで安かったため物は試しに購入してみたのです。
実際に使ってみると想像以上に便利で、今では横挽きはほとんどスライド丸ノコを使っています(これまでは縦挽き、横挽きともにテーブルソーを使用)。

ところで、入手したスライド丸ノコは10インチモデル(チップソーのサイズ:260mm)で比較的大きい部類のものになります。
3寸(90mm)の角材も切断できて良いのですが、パワーやチップソーが大きい分、動作音もウルサイ!
夜間に作業することが多いこともあって動作音が気になっていたなか、ヤフオクからスパムメール?が届き、このスライド丸ノコよりひと回り小さい8インチモデル(チップソーのサイズ216mm)のものが格安で出品されているのに目が留まりました。
格安なのはもちろんワケがあり、それは不動(ジャンク品)のためです。
ヤフオクのジャンク品なんて十中八九ゴミだと思ったほうが良いのですが、今回は個人の方の出品で、説明書きに次のとおりあります。

  • いつの日からか動かなくなった。
  • モーターが動かないだけでなく、蛍光灯も点かない(蛍光灯やレーザー付きのモデル)。

肝心のモーターが壊れて不動であるなら買う価値はありませんが、蛍光灯も点かないと言うのであれば、不良箇所はモーターより手前の電源コードの可能性が高いです。
不動の原因は単に電源コードが断線しているだけに違いないと、ジャンク品に入札!!
まあ、このような特殊な機械を買おうとする人は当然察しがつくはずで、価格は競り上がり、結局、送料を含めて1万円弱で購入することに・・・(ホームセンターモデルだと新品を買えるかもしれません)。

で、そのジャンク品が届きました。

早速、コンセントにつないでみたくなりますが、何しろジャンク品です。
ここは焦る気持ちを抑え、テスター等を使って事前確認することにします。
まずはプラグで導通を確認すると(スイッチはON)、当然のことながら導通なし。
本体カバーを外して配線(スイッチ付近)を確認します。

この機種は蛍光灯やレーザーが付いており、しかも電子制御(上写真で左上の白いものがコントローラ)のため複雑な配線になっています。

とりあえずスイッチのところでテスターを使って電源コードの導通を確認します。
予想では不動の原因は電源コードの断線。断線していれば導通がないはず(祈)。

予想通り導通なし!

コード(キャブタイヤケーブル)に目立つ傷はないため、断線箇所はプラグ(の付け根)のようです。
そこで、プラグを切断除去。

改めて電源コードの導通を確認すると導通あり。

プラグで断線していたわけです。
プラグだけ市販の汎用品(ゴムキャップ。圧着端子で結線できるタイプ)に交換します。

これで電源コードの断線は解決し、当初予想だとこれで動作するようになるはずです。
ただ、不具合箇所はこれだけではなく、肝心のモーターが焼けているなんてこともあり得ます(何しろ海千山千のヤフオクです)。
プラグをコンセントに挿し、ドキドキしながらスイッチを入れると軽快に動作します!

少なくとも「1万円でゴミを購入」なんてことにならずに、ホッとひと安心(^_^)
動作音も、モーターやチップソーが小さいだけあって随分と静かで、これなら夜間も気兼ねなく使えます。
蛍光灯もレーザーも点灯するようになりました。

ただ、ブレーキが全く効いていません(スイッチを切ってもしばらくチップソーが回転し続ける)。
ブレーキが効かなくても使えるものの、不具合箇所が残ったまま使うのは嫌なものですし、ブログのネタにもなりそうですので、続いてブレーキの不具合を修理することにします。

<続きます>