投稿者「里山古民家」のアーカイブ

果樹園の再生(25)イチジクの挿し木

前回、ビワの接ぎ木を行いました。

果樹の増殖は接ぎ木により行うことが多いですが、接ぎ木は技術的な難しさに加え、台木の栽培など色々と大変です。
それを思うと1本800円程度で市販されている接ぎ木苗は本当に安いものです。
それにも関わらず私が接ぎ木を行うのは耕作放棄地などに植えるのに数を必要とするほか、できるだけ自然樹形(主幹形)で生育させたいと思っているからです。
市販の接ぎ木苗は主幹が大きく切り詰められた状態で販売されていますが、このため余程樹勢の強いもの(スモモ等)でない限り、自然樹形(主幹形)に復帰させるのは現実的に不可能だと感じています。
もちろん、苗木の栽培農家が無駄に切り詰めているわけではありませんが、山の木のように自然な形で生育させようとする場合には致命的な一手になりかねません。
そんなわけで「接ぎ木」にトライしているのですが、先に書いた通り色々と大変で、よく「挿し木」ができないものかと思います。
しかし、果樹で挿し木ができるものは少なく、思い付くのはイチジクとグミぐらいでしょうか。

イチジクと言えば、2年前に接ぎ木苗(蓬莱柿)を植え付けたものが、既に3mを超える高さにまで大きくなっています。

さすが挿し木が可能なだけあって成長力も旺盛です。

しかし、こうして急激に成長するものは根による支えが追いつかず、風で幹が折れたり、倒れたりしやすいもので、このイチジクの木も昨年8月の台風襲来により傾いてしまいました。
下写真が杭を追加して補強しているときの様子です。

このときには既に下写真のとおり結実しており、その後、熟して初収穫に至りました。

木も大きくなっていることから挿し木を行うことにします。
枝を切り、挿し穂として3芽程度がつくように切り分けます。

断面(形成層)が大きくなるように切り口が斜めになるように切っています。
また、反対側の表皮も削っています。

水に浸けて、しばらく水揚げさせます。
イチジクは活着しやすいため畑にでも挿しておけば十分のように思いつつも挿し床(鹿沼土)を用意。

そこに挿し穂を挿せば完了です。

接ぎ木に比べると本当に容易です。

切り口を見るとイチジクの形成層(下写真で緑色の部分)は随分と大きく、なるほど挿し木が可能なわけです。

果樹園の再生(24)ビワの接ぎ木と台木の栽培

前回、畑(遊休農地)にビワの接木苗(自家製)を植え付けました。
これと入れ替える形で、畑に植えてあったビワの実生苗(下写真で右側の2本)を掘り上げて自宅に持ち帰ってきました。

持ち帰ってきたのは接ぎ木の台木にするためです。
上写真で左側の3本も台木にするつもりで、ちょうど1年前の今時分、自宅裏の里山に自生していたものを竹ポットに移植したものです。
竹ポットでも元気よく育っていますが、わざわざ狭い竹ポットに移植するのではなく畑でのびのび育てたほうが良い感じです。
全くの想像ですが、果樹苗の栽培農家は、畑で台木を育て(実生2〜3年)、接ぎ木を行う際に掘り上げて根切り・接ぎ木を行いポットに移植しているのではないかと思います(台木の栽培途中で根回し)。

台木として畑から持ち帰った2本と、竹ポットのうち大きく育っている2本を用いて接ぎ木を行うことにします。
一方の接ぎ穂は、自宅にあるビワ(品種は不明)の枝を用います。

これを3芽程度がつくように切り分けて接ぎ穂にします。

台木を適当な位置でカット。
継ぎ穂と台木の形成層をそれぞれ出し、両者が重なるようにしてテープで縛ります。

自己流のところが多々ありますが、昨年行ったものがうまくいったことから問題ないようです。
さすがに個人で果樹の接ぎ木をやろうなんて人は少なく、ネットにも情報が少ないようで、最近になって「ビワの接ぎ木」をキーワードにしてアクセスしていただく方が増えています。
今回、作業途中の写真を撮らなかったのですが(iPhoneのカメラで小さいものにピントを合わしにくい・・・)、こんなことなら撮っておけば良かったです(来シーズンも行うつもりです)。

そして、4本とも完了。

上写真で接ぎ穂の上までテープを巻いてありますが、これらは後に取り除きました。
実は、ネットで接ぎ穂のうえまでテープを巻いてある画像を見て、こうすれば乾燥を防げそうだ(ビニール袋を被せたりする必要がない)と感心して真似したのです。
しかし、私が使用している一般的な接ぎ木テープだと、新芽がテープを破れないため不可なのです(ネットの画像にあったものは「メデール」と言う商品名の接ぎ木テープを使用しているようです)。

来シーズンの接ぎ木のため、自宅裏の里山に自生しているものを畑に移植して台木用として育てることにします(今回から竹ポットは使用しない)。
これまでは夏場に刈払機で刈ってしまうのですが、昨年からなるべく残すようにしているため下写真のように大きくなっているものもあります。

これなら、わざわざ畑に移植する必要がないようですが、山だと雑草と一緒に刈ってしまう可能性がありますし、他の根が錯綜していて掘り上げるのも大変です。

なんとか掘り上げて水揚げ。

接ぎ木ができるぐらい大きくなっているものは、先と同様に接ぎ木(5本)。

小さいものは畑に移植し、台木用として来年まで育てます。

ちなみに今回移植した苗木の間にはジャガイモが植わっています。
畑では野菜だけではなく、いよいよ苗木まで栽培することに!