月別アーカイブ: 2019年1月

竹ボイラーの導入(41)煙突掃除

前回で風呂への給湯部分が完成し、ATOウッドボイラーをさらに活用できるようになりました。
このため、この冬は1日に少なくとも1回はボイラーを焚くようになっています。
こうしてボイラーを焚く時間が増えると気になるのが煙突の状態(煤の付着等)です。
ボイラーは薪ストーブのように長時間焚くことはないため(1時間未満)、まだ煤で煙突が詰まることはないと安易に考え、実は1年前にボイラーを導入してから一度も煙突掃除をしていないのです・・・。
火災の原因にもなりかねませんので、煙突の状態の確認を兼ねて掃除を行うことにします。

煙突掃除は下写真のような煙突ソージ器を使って行います。

上写真は薪ストーブ本体(モキ製作所 MD80Ⅱ)に付属していたものです。
薪ストーブの煙突掃除に使っており、慣れたところで、これを使いたいところです。
しかし、先端のブラシ部分が薪ストーブの煙突サイズ(φ150mm)に応じたものになっているのに対し、ボイラーの煙突(φ115mm)はサイズが異なるため、そのままでは使えません。
引き込み用のワイヤー部分はそのまま使えるとし、先端のブラシ部分だけ小さいものに付け替えれば良さそうです。

近所のホームセンターで探したところ、ちゃんとブラシ部分が売られていて、いく種類かのサイズの品揃えがあります(ホンマ製作所製)。
ただ、φ115mm(ボイラーの煙突サイズ)のものはなかったため、少し大き目のφ120mm(4寸)を購入(下写真で右側、約200円)。

左:φ150mm(5寸)、右:φ120mm(4寸)

ワイヤー部分への取り付け方を既存のものを見て確認します。

ブラシ部分が外れて煙突内に残っては大変ですので、しっかりと固定されるようにしてあります。

新たに購入したブラシ部分も同じように加工。

取り付け。

ブラシ部分を容易に交換できるように、ビニールタイで結んであります。

ボイラーの煙突は下図のとおり「壁出し」方式のため、煙突掃除をしやすいように曲り筒を蓋付きのものにしています。

写真は施工時のもの(水槽内を点検するためボイラーの天蓋を持ち上げ)
写真は施工時のもの(煙突トップの位置が低い)

曲り筒の蓋を外し、そこからブラシを挿入して煙突内に付いた煤を排出させるわけですが(上写真で朱色矢印)、肝心の蓋がどうしても外れません(ベルトレンチ等使用)。
まさか煙突内にタール(煙道火災の原因)が付着しており、それで外れないのではないかと一抹の不安が・・・。

蓋を外すには煙突をバラすしかなさそうです。
煙突をバラすこと自体は容易ですが、少し厄介なのは屋根の貫通部にシーリングが施してあることです。
カッターを使って丁寧にシーリング材を剥がします。

施工時にうっかりして耐熱タイプでない普通のシーリング材(シリコンシーラント)を使ってしまっていたのですが、溶融などによる変形は見られません。
シリコンシーラントは相当熱に強いようです。

バラした煙突の内部を確認すると・・・

煤がたっぷり付いています。
しかし、サラサラの粉末状で、タールがベットリと付着しているようなことはありません。

蓋も内側から押し下げると外せました。

外しにくかったのは、タールが付着していたためではなく、単に筒のサイズに対して蓋が少し大きかったためでした。

煙突の横引き区間は蓋を外した箇所からブラシを挿入して掃除します。

排出された煤(横引き区間のみ)が下写真です。

茶碗1杯程度です。

掃除後の煙突内部の状態が下写真です。

曲り筒の蓋がキツ目に作られているため、取り外しやすいように少し控え目に取り付けておきます。

今回煙突掃除を行ってみて、煙突内の煤の量はそれほどでもなかったと言う印象です。
ボイラーの煙突は煤が付きやすいシングル煙突ですが、薪ストーブ(二重煙突)に比べると焚いている時間が圧倒的に短いことが一番大きな要因だと思います。
定期的に曲がり筒の蓋を外して内部の状況を確認しさえすれば、煙突掃除は年1回程度でも良さそうです。

竹ボイラーの導入(40)浴室の防水処理

前回、浴室に水栓を取り付けるとともに配管をボイラーと接続し、風呂に給湯できるようにようなりました。

思い返せば、敷地内に昔からある井戸にポンプを設置したのが2年前。
その後、配管を拡張するとともに1年前に木質資源を燃料とするATOウッドボイラーを設置。
そして、ようやく主屋(古民家)で井戸+木質資源によるお湯が使えるようになって感無量です(現時点では風呂のみで、他は別系統の上水道+ガスによる給湯)。

とは言え、まだ工事が残っているので喜んでばかりいられません。
しばらくの間、使いながら給湯管(主に継手部分)から漏水がないか調査。
漏水がないことを確認したうえ、断熱材を施します。
まずはボイラーとの接続部分。

ここはステンレス製のフレキパイプを用いています。
給湯管で高温になるため、断熱材(パイプカバー:発泡PE製)を取り付ける前に耐熱性のある保温テープをフレキパイプに巻いておきます。

その上にパイプカバーを被せます。

このパイプカバーは最も一般的で安価な発泡ポリエチレン製のものですが、今回のように配管形状が曲線であっても追従します。

さらにビニールキャンバス(下写真で黒色)を巻き、パイプカバー(発泡PE製)が紫外線で劣化しないようにしておきます。

ちなみに、この上流側(ボイラー側)は下写真のようになっています。
ミキシングバルブ(米国ハネウェル社製)と呼ばれるもので水と湯が混ぜられ、一定の温度(63.3℃)のお湯が送られるようになっています(火傷の防止や水栓器具の保護のため)。

従って、給湯管を流れる温水の温度は最高でも63.3℃のため、パイプの断熱材としてパイプカバー(発泡ポリエチレン製、耐熱温度:70℃程度)を直接巻いても大丈夫なのだと思います。

床下点検口内の給湯管(分岐等)も同様に断熱材を施します(給水管側は以前に施工済)。

床下点検口1
床下点検口3(風呂への分岐箇所)

次に、浴室の配管貫通部にシーリング材を充填して防水処理を施します。
今回の場合、貫通穴がパイプに対して大きいため、その隙間にシーリング材を充填できるようにメッシュネット(今回は網戸のネットを使用)を貼り付けておきます。

上写真で下側は防水パンに設けらている配管貫通部です。
これに水が溜まらないように防水パンの底よりも立ち上げられているにも関わらず、上面に凹部(深さ3cm程度)があります。
これでは凹部に水が溜まってしまうため、設計ミスではないかと思ったのですが、実はよく考えられており、この凹部を埋めるようにシーリング材を充填するようになっているのです(POSシール333ml×2本分)。
浴室内の水が床下に漏れるようなことがあってはなりませんので、パイプとシーリング材を3cm程度密着させて万全を期しているわけです。
肝心のシーリング材を充填したところは写真の撮り忘れ・・・(後日、撮影して掲載するつもりです)。

次に浴室の壁にシャワーフックを取り付けます。
壁の構造は下図のとおりで、化粧材が薄いため(t=3mm)、直接ビス留めすることはできません。

そこで、中空壁用のプラグ(下写真で白色の円形のもの)を打ち、それにビス留めすることにします。

プラグは様々な種類のものが市販されていますが、今回は「トグラーTA」を使用。

ビス留めしてシャワーフックを取り付けます。

上写真では分かりにくいですが、今回使用した「トグラーTA」は座部分に厚みがあり、これにより壁とシャワーフックとの間に隙間が生じています・・・。

仕方なく隙間部分にシーリングすることにしますが、問題は円形のものにうまくシーリングできるかです。
マスキングテープを円形に貼ってみますが、うまくいきません。
そこで、マスキングテープを短く切って円形状(多角形)に貼り付け。

ここにシーリングしてマスキングテープを剥がしたところ、それなりに綺麗に仕上がりました(プロはこのような場合、どうしているのでしょう?)。

これで残工事も終わり、風呂への給湯部分が完成しました。