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台風による瓦の飛散と補修

今年9月は非常に強い台風が2回(21号、24号)も襲来しました。
そのうち台風21号(9月4日)では畑に隣接する大木の枝が折れ、その対応に追われました。

ヤレヤレと思っていたのも束の間、30日夜には台風24号が直撃。
21号ほどの強さではなかったものの、翌朝になって敷地内を点検したところ、離れと里山との間で瓦が落ちているのを発見!
その瓦の種類は冠(かんむり)瓦と呼ばれるものです。


(写真は主屋のもの)

それほど古い瓦ではないため、離れ(15年程前に新築)の屋根瓦が台風で吹き飛ばされたのではないかと見上げてみるも特に異常はありません。
しかし、違う場所から改めて見ると、棟が鬼瓦と接する辺りに違和感があります。

屋根に登って直接、確認したいところですが、離れは2階建てで屋根が高いため安易には登れません。

ところで、ここの屋根は雨樋が詰まりやすく、昔(昭和30年代)、それが原因で山の斜面が崩落したことがあります(先般、雨樋掃除器なるものを自作し、ようやく雨樋掃除の目処がたったところです)。
ここは我が家の南西角で裏鬼門に当たるのですが、屋根のトラブルが続くわ、その先の山には大量の不法投棄ゴミがあるわで、本当に我が家の鬼門と言った感じです。

それはさておき、応急処置だけでもしておかないと雨漏りしかねませんので、意を決して二連梯子を掛けて屋根に登ることに(要安全対策:二連梯子の上下を固定、ヘルメット・安全帯の着用)。

棟のところまで登れば、足元が安定して一息つけます。

主屋(古民家)の屋根が見えますが、主屋は二階でも厨子二階のため、こちら(本二階)に比べると低いです。
主屋の屋根は薪ストーブの煙突掃除などで登っても、それほど怖いとは感じないのですが、こちらは足がすくむ高さです。

肝心の冠瓦ですが、やはり無くなっており、下の葺き土が剥き出しになっています。

また、冠瓦を固定してあった漆喰も剥がれ、破片が付近に落ちています。

とりあえずは葺き土が濡れないよう、応急処置として冠瓦(落下したもの)を被せておきます。

この状態を見ると、上写真で手前側の冠瓦は銅線で固定されているのに対し、落下した冠瓦だけは固定されていないことが分かります。
冠瓦は漆喰でも固定されるため、銅線まで掛ける必要はないと言う考えだったのでしょう。

仮に銅線で固定されていたならば、今回の台風でも落下は防げたかもしれませんし、ちょうど手元に銅線がありますので、それを使って固定しておきます(下図で朱色線)。

ひとまず、これで応急処置はできましたが、今後の本修復をどうするか?
素人考えでは、鬼瓦と冠瓦との隙間に改めて漆喰を塗り込めば、①両者の固定と②隙間の防水充てんができるように思います。
しかし、屋根工事は高所で危険なことに加え、誤った施工により逆に雨漏りを誘発してしまうおそれがあるため、安易なDIY施工は禁物です(主屋の改修工事の際に瓦屋さんが言ってみえましたが、DIY施工で桟瓦を棟方向にシーリングするなどして雨水の流れを阻害していることがよくあるとのこと)。
瓦屋さんに頼めば、この程度の漆喰であれば訳ないことでしょうし、屋根に登ったついでに他も点検してもらう良い機会になります。

と思いつつも、応急処置を行って現状もある程度把握できたことで、このまま最後まで修復してみたい気持ちに・・・。
と言うことで、ここからは何の知識も技術もない素人が無謀にも行うことですので決して真似されませんように。

作業は、漆喰を載せたコテ板を片手に持ち、もう一方の手でコテを扱うことになります。
屋根上で安全に作業できる方法を考えていると、そう言えば主屋(古民家)の改修工事では漆喰ではなくシーリング材を使ってみえたことを思い出しました(全てではなく場所によっては漆喰が使われています)。

シーリング材であれば扱うのが容易ですし、施工もコーキングガンを使えるためコテ&コテ板に比べて安全にできそうです。

そんなことで瓦用のシーリング材を調達。

系列の異なるホームセンターで、メーカーの異なる瓦用シーリング材を購入しました。
両者とも同じようなものだと思うのですが、セメダインのものには「接着」に加え「防水充てん」の記載があるのに対し、どういう訳かボンドのものには記載がありません。
今回は防水充てんの目的もありますので、念のためセメダインのものを使うことにします。

コーキングガンに装着したシーリング材を持って屋根に登り、鬼瓦と冠瓦との隙間に充填します(仕上げに15mm幅のヘラを使用)。

シーリング材も最初は何と扱いにくいものだと感じたものですが、コテと同じように慣れるに従って私のような素人でもそれなりに綺麗に仕上げられるものです。

これで台風被害にあったところは補修できましたが、シーリング材(330ml入り)は1/3も使っていないような感じです。
使い切りのもので保管は効かないでしょうから、この機会に反対(北側)の鬼瓦のところもシーリング材でやり直しておくことにします。

反対の鬼瓦のところに移動して状態を確認。

漆喰は剥がれていませんが、表面に苔やクラックが生じ始めています。
建築後15年ほどが経ちますが、これぐらいでやり直すのが良いのかもしれません(ノシ瓦の下の漆喰はしっかりしていました)。

漆喰を剥がし、瓦表面のゴミや汚れを取り除きます。

シーリング材を充填。

これで今後15年程度は大丈夫でしょうか。

無事、屋根瓦の補修が完了。
とは言え、素人施工です。
屋根は本当に重要なところですので、また何か瓦屋さんに頼むときにでも、ここも見てもらうことにしたいと思っています。

遊休農地の活用(4)草刈りと薪狩り

今春から新たに管理をすることになった畑(約3a)については、隣地に迷惑を掛けることがないように草刈りだけは定期的に行っているような状況です。
その草刈りの負担軽減を図るため、5月にクローバーを播種したのですが、ほとんど発芽せず、夏の間はヤツデ(メヒシバ等)の独擅場となっていました。

(8月30日、「風の草刈り」直後)

発芽しなかった原因の一つには播種時期が良くなかったことがあると思いますので、9月中旬になって改めて種を播き直し。
その1週間後の状況が下写真です。

(9月23日)

クローバーの播種後に全体を草刈りしたのですが、既に夏草(ヤツデ等)の勢いは落ちているようで再成長していません。
クローバーの播種時期としてちょうど良かったように思いますが、果たして無事発芽してくれるでしょうか。

ところで、この9月は非常に強い台風が2回(21号、24号)も襲来し、当地でも凄まじい風が吹き荒びました。
クローバーを播種したのは台風21号(9月4日)後のことなのですが、そのときは特段、台風の被害に気づきませんでした。
しかし、その後、隣地の方から連絡をいただき、山側にある大木(エノキ)を確認すると幹のひとつが途中で折れているのです。

隣地側に折れているため気づきにくかったのですが、隣地の柿の木や竹をなぎ倒し、隣地の方も困っている様子です。
チェンソーで切ってあげたいところですが、問題はこの大木が畑(我が家の所有地)と山(地権者不明)との境界付近にあり、大木の所有者がはっきりしないことです。
幸い、この付近で耕作されている方々は昔のことから良く知ってみえます。
山の地権者にも確認してもらっておこうと心当たりのある方に問い合わせてもらったりするも、結局は分からず仕舞い(里山が荒れ、かつ世代が代わるなかで、こうした状況になっています)。
ただ、この幹が隣地の上空を占有していることは確かですので、隣地の方に代わって私が作業することに。

とは言え、何しろ御神木レベルの大木です。
台風で折れた箇所付近で切れたら良いのですが、そこまで登る必要があるうえ、かかり木にもなっています。
私のような素人が、このような高所(7m程度)でチェンソーを扱うのは自殺行為に等しいでしょう。

そこで、上写真で朱色矢印で示すとおり株元の幹が分かれているところで伐って倒すことにします。
それでも、そのままでは届きませんので三脚で足場を設けます(三脚は伐倒方向の反対に設置)。

そして、チェンソーを使って伐倒。

株立ちしている幹のひとつと言えども、相当太く、私のチェーンーソー(ゼノアGZ360EZ、14in.)だと片側からだけでは刃が届かないため左右から切り込みました。
手前側(畑側)にスペースがあったため、なんとか無事伐倒できたものの、自分にとってはこれが限界レベルだと強く感じました。

切り口の年輪を数えると50年ほど。

50年で大きくなるものです。

隣地に倒れた状態になっていますので、作業等の支障になる部分は玉切りして片付けます。

キノコのホダ木として良さそうな太さのところは1m程度の長さで玉切りし、そのほかは薪用に短く切りました。
この大木の樹種はエノキ(ニレ科の落葉樹)で、エノキも乾燥すると割るのが大変になりますので持ち帰って薪割りです。

根元の近くで邪魔にならないところは、玉切りはせずにそのまま置いておきます。
と言うのは、10月に入ると庭木の剪定を優先して行うつもりで、あまり早くに玉切りしてしまうと乾燥して割りにくくなってしまうためです。

枝葉はとりあえずバラすところまでやって、当面、畑に置いておきます。
葉が落ちる頃に自宅に引き上げ、薪ストーブやボイラー(ATOウッドボイラー)の焚き付けにするつもりです。

今回の倒木は台風21号の被害に違いありませんが、これにより図らずも薪が入手できたわけで、そう思うと台風は土産も置いていってくれたことになりますね。