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庭の整備(34)芝庭の拡張方法

前回、地中に埋もれていた敷石(石畳)を掘り起こし、当初とは少し線形を変えて再設しました。

ところで先日、祖母の法要をつとめるに際し、祖母の写真を見ていたところ、元々の敷石が写っているものがありました。


(左が祖母)

祖母の年恰好から昭和30年代に撮影したものだと思いますが、敷石の一部が沈んでいる様子が見て取れます。
祖父が早くに亡くなったことから、とても敷石の補修などやっていられる状況ではなかったのでしょう。
とは言え、敷石の手前側は綺麗好きの祖母だけあって草一本生えていません。
それが今や一面の芝で、祖母が見たら気絶するかもしれませんね(^^;

さて、敷石が設置できたことから、この敷石の高さを基準にし、下図の朱色線で囲む箇所について芝庭を拡張することにします(敷石の高さに合わせることで、雨水は下図で水色矢印のとおり排水されることになります)。

当該箇所は砂利が敷かれていますが、先般のブログ記事に書いたとおり全面的に砂利を撤去して客土するようなことはしません。
それではどうするかと言えば、既に芝が侵出してきているところ(下写真で「A」の範囲)については、目土入れのようにして山砂を入れます。
これにより既存の芝生の面と高さを合わせるほか、芝の生育が促されることを期待しています。

一方、上写真で「B」の範囲については、表面の砂利を取り除いたうえ、客土(山砂)して高さを合わせます。
砂利は表面しか撤去しないこともあり、客土の厚さはせいぜい30mm程度です。
このようなところに市販されている芝(張り芝用)を張るのは無理がありそうですし、かと言って芝が侵出してくるのを待ってもいられません。
野芝であれば播種することもできそうですが、今回は(姫)高麗芝のため、その手は使えません。

芝は、笹やドクダミなどと同様に匍匐茎(ランナー)を伸ばして増えますので、匍匐茎の一部を切って植えれば良いのではないかと思って調べてみると、実際に可能で、こうした方法を「播き芝(植え芝)」と呼ぶそうです。
もちろんターフが形成されるまでには時間を要し、それまでの間の雑草対策等に手間を要することになりますが、費用も安価に抑えられそうですので、「B」の範囲については播き芝で施工することにします。

早速施工していくことにしますが、まずは敷石の左側(西側)を対象にします。

砂利敷きの表面部分で、かつ土が混ざっていないところを平スコップですくい取ります。

「A」の範囲(芝が侵出しているところ)では、匍匐茎が砂利を抱き込んでいますので、そうした砂利を可能な限り取り除きます。

「B」の範囲は、表面に現れている砂利(土混じり)をフルイ(粗目)を使って取り除きます。

手間は掛かりますが、こうすれば砂利だけを回収できるため再利用しやすくなります(砂利敷きの駐車場に補足するのに利用)。

下写真で敷石の左側(西側)について、砂利(表面部分)の撤去ができました。

軽トラに乗って地元の建材屋さんへ行き、客土用の山砂を1車分購入。

敷石の高さに合わせて山砂を敷き均します。

これで播き芝を行う準備が整いました(「A」の範囲については目土入れとなり、これで完了)。

<続きます>

仏具のお磨き(法要の準備)

祖母(父方)が亡くなって早いもので32年が経つことから、近く三十三回忌の年忌法要をつとめることにしています。
法要の手順については、父(5年前死去)のこともあって大体は把握しているつもりですが、いろいろと準備が必要です。
そこで、手間と時間がかかる仏具のお磨きから少しずつやっていくことにします。

我が家の主屋は明治44年築の古民家ですが、仏壇はそれよりも古い明治18年製(133年)です。
このため、仏具は真鍮(黄銅)製のものがほとんどです。
真鍮製の仏具は時間の経過とともに表面が酸化して黒ずんでくるため、定期的に磨く必要があります(お磨き)。
そうした手間を嫌って今はメッキされたものが主流だそうですが、古い仏壇にメッキは似合わないでしょうから磨いて法事を迎えることにします。

仏具の状態は下写真(輪灯)のとおりです。

3年前に磨いているため、それほど酷くはありませんが、全体的にくすんでいます。

本式はアルボンやピカールと言った金属研磨剤を布につけて磨き上げるのですが、相当な手間と時間がかかります。
そこで、上写真で左下に少し写っているようにバフを取り付けた電気ドリルを使います(研磨剤には白棒を使用)。

研磨の結果、新品同様のピカピカに(最後に新聞紙で拭き上げ)。

機械を使っても上写真のものだけで4、5時間はかかりましたので、手作業だと数日仕事です。
忙しい世の中、メッキされたものが持てはやされるわけです。

燭台や花立も美しい姿に変身。

手間と時間はかかりますが、真鍮製品は下写真のようにどれだけくすんでいても磨けば元の状態に戻るのが良いところです。

<Before>

<After>

磨き上げた輪灯を元の形に組んでいたところ悲劇が・・・。
下写真の部品を調整しようと馬鹿力で弄ったところ、朱色矢印の箇所で真っ二つに折れてしまいました(写真は補修後のもの)。

もちろん、壊れた部品を取り寄せるなんてことはできません。
かと言って、重量があるため接着剤ではとても無理そうです。
どうしたものかと思案していたところ、思い出したのがボイラーを導入した際に行った銅管のロウ(ハンダ)付けです。
真鍮(銅と亜鉛の合金)であれば、そのときの材料を使ってハンダ付けができるかもしれないとやってみることに。

うまい具合に接合でき、強度も十分にあります。
これなら今後仏具が破損しても修理できそうです。

一件落着と言うことで、仏壇に備え付けます。

この調子で仏間などの掃除もしてしまいます(一斉を風靡した「ルンバ」が写っていますが、ここはハタキとシュロ箒を使用)。

床の間の掛け軸を仏事のものに変えます。

障子(5年前に貼り替え)はまだ大丈夫そうですので、来年に迎える父の七回忌まで先送りすることにします。

上写真で奥側の縁側は3年前の改修工事で大工さんに無垢材(檜)の床板を張っていただきました。
無垢材は味があるものの、仏具で言うところの真鍮VSメッキと同様、日常の手入れが欠かせません。
そのため年1回、亜麻仁油を塗布しているのですが、この機会に再塗布することにします。

檜ですので、当初は下写真のとおり白かったのですが、3年で良い感じになってきました。

当初、敷居などの色に対して違和感があったため、柿渋を塗布したうえで亜麻仁油を塗り重ねようと考えました。
しかし、建築士さんから「檜に柿渋はムラができやすく、塗装屋さんでも難しいため止めておいたほうが良い」と教えてもらい亜麻仁油だけにした経緯があります。
亜麻仁油だけでも良い色になってきますし、また、こうした経年変化があると言うのも良いものです。