月別アーカイブ: 2018年4月

庭木の剪定(20)サカキの取り木とカナメモチの芽かき

前回、裏庭のツツジを大胆(無茶苦茶?)に剪定しましたが、その裏庭にはサカキの木が植わっています。

老木ですが、小さく仕立てられています。
サカキまで仕立てものにするとは、先祖(何代前?)は庭木の仕立て職人だったのかもしれません・・・。

そのサカキですが、先日、株元に違和感を感じました。
野良猫が荒らしていったのだろうかと、よく見ると・・・

株元から生えたヒコバエを用いて取り木がしてあるようです。
母に聞くと、近所の方が自宅にもサカキを植えたいと、こうしていかれたとのこと。

取り木は、挿し木や接ぎ木と言った繁殖方法のひとつですが、私自身は教科書の知識的に知っているだけで、実際に行ったことはありません。
しばし観察すると、ヒコバエを曲げて、その一部に土を被せるとともに浮き上がらないように重石が載せてあります(圧条法)。

樹皮はそのままの状態ですが、挿し木や接ぎ木と同じように表皮の一部を剥いでおいたほうが活着しやすいかもしれません。
5本ほど取り木してありますので、その内の1本について表皮を剥いでみることにします(小刀を使用)。

この表皮を剥いだところを、もう少し深く埋めるため、枝と蔓を使って固定することにします。

蔓は普段は厄介ものですが、太さもしなやかさも良い具合です。

固定した状態で埋め戻します。

乾燥を防ぐため、落ち葉を被せて水やりしておきます。

果たしてうまく根付くでしょうか?
私がやったものだけ上手くいかなかったりして・・・(余計なことをしないほうが案外うまくいくものです)。

ところで、同じ裏庭には以前、大きなカナメモチがあったのですが、2年ほど前に伐採しました。


(2016年6月撮影)

老木で胴吹きが多く発生することに加え、庭木が混んでいるため思い切って伐採したのです。


(2016年6月撮影)

切り株の断面からも相当な古木であることがうかがえます。

このような古木であるため、切り株からの萌芽は期待していなかったのですが、約2年経過後の現在、下写真の状態になっています。

あまり早い時期に芽かきを行うと樹勢を殺ぐかもしれないと、今まで放置してあったのですが、この辺りで軽く芽かきしておくことにします。

カナメモチと言う名前は「金持ち」の読みに近いものがありますので、そうした願いを込めて先祖が植えたものなのかもしれません(現在では「クロガネモチ」を植えるとか)。
そんな大切な庭木を伐採してしまいましたので、残念ながら金持ちになることは諦めるしかありません(^^;

<続きます>

庭木の剪定(19)ハクモクレン&ツツジ

自宅敷地内にあるハクモクレンが今年もたくさんの花を咲かせました。


(3/24撮影)

このハクモクレンは毎年、同じ箇所(下写真で朱色丸印の箇所)で剪定を繰り返していたため、そこがグローブ状に肥大化してしまっています。


(’14/3/29撮影)

4年前から、この肥大化している部分を切除して減らしていっているのですが、これにより枝が充実し、その結果、花が増えたようです。
ただ、肥大化しているところを切除するため、木に負担がかかります。
このため、切除するのは1年に1、2箇所だけとし、花が終わった後に行うようにしています。

モクレンの花は短く、花が散って下写真の状態になりましたので、今年も肥大化している部分を1、2箇所切除することにします。

今年は上写真の朱色丸印で示す2箇所を切除することにします。

手鋸で切り落とします。

上写真でもわかるとおり切り口が大きいため、念のため切り口に癒合剤を塗っておきます。
癒合剤は幾種類か市販されていますが、今回使用するのは「カルスメイト」(カルス:癒合組織)です。

成分は酢酸ビニル樹脂その他とありますので、木工用ボンドを塗るようなものなのでしょう。
そう言えば、以前、薪ストーブの炉台や炉壁のタイルを貼る際に用いたセメント混和材(NSハイフレックス)も酢酸ビニル樹脂でしたので、本当にいろんなところで木工用ボンドが活躍しているものです。

切り口に塗布します。

ところ変わって、下写真は裏庭の現況です。

3年前の主屋の改修工事により、室内から上写真のように眺められるようになったこともあり、少しずつ手を入れています。

この裏庭には、昔の離れから庭を散策?できるように踏み石が敷かれています。

ツツジが大きくなって踏み石が隠れてしまっていますが、上写真で朱色線のルートで奥へと続いているようです。

この通路を復元すべく、ツツジを小さく仕立て直すことにします。
比較的短いヒコバエだけを残して切除。

若木であれば再生しやすいでしょうが、老木でこれは負担が大きすぎるかもしれません・・・。

大胆な(無茶苦茶な?)剪定により剪定屑もたくさん発生しました。
葉は畑のマルチ材として活用します。

枝は薪ストーブの焚き付けやボイラーの燃料とします。

主屋の室内から見える景色も、庭の奥側まで見通せるようになって良い感じです。

この裏庭は古いもので、先祖が自らの手で造ったものだと思います。
本職の手による前庭よりも、私にとっては、こうした素朴な庭のほうが祖先の自然観が窺えるようで親しみやすくもあります。
このため、いかにも日本庭園と言う庭ではなく、背後の里山へと続いていくような自然な感じの庭(現在流行している落葉樹の庭と言うわけでもありません)にしていきたいと思っています。

<続きます>