月別アーカイブ: 2017年7月

古民家の自然換気(5)断熱材の鼠害

夏季、室内にこもる暖気を自然換気するとともに、厨子二階(屋根裏)に空気の流れが生じることを期待し、これまでに換気口を整備しました。

下図は厨子二階(屋根裏)の平面図になりますが、水色着色の24畳側には換気口(A1)とは別に開口部があります。

厨子二階は柴(カマドなどの燃料)などを保管するために使われていたのですが、その柴をこの開口部から出し入れしていたわけです。

この開口部は15年程前のリフォームにおいて塞がれており、厨子二階側から見ると下写真の状態になっています。

この開口部をうまく使えば、換気口や採光窓(トップライト)として生かすことができるのではないかと、改修工事の設計において建築士さんから提案をいただきました。
そして、この上部の屋根に採光用のガラス瓦を設置していただいています。

開口部自体の造作は改修工事後にDIYにて行うことにしていましたが、15年前のリフォームで設けた天井を早くも壊すことになることもあって未だできていない状況です。
ただ、少し気になっていること(次の2点)があり、それを確認するためにも重い腰を上げ着手することにします。

  • 断熱材の状態
  • 土壁に割れが発生

15年程前のリフォームでは既存の天井(=厨子二階の床)を隠す形で新たな吊り天井を設け、既存の天井との隙間に断熱材(グラスウール)を設置しています。

当時は厨子二階に大量の柴が置かれた状態でしたので、このように一階側から施工せざるを得なかったのだと思いますが、設置した断熱材がどのような状態になっているのか気になります。

また、厨子二階側の土壁に割れが生じ落ちかけているため、その下部がどうなっているのかも知りたいと思っています。

これらの状況を確認するため、厨子二階側から床板(=昔の天井板)を撤去します。

ちなみに、こららの床板(厚1寸弱の松材)は雨漏り等で痛みが激しいため(踏み抜きそうになるものも有り)、新しくする予定です。

床板を撤去すると・・・

ネズミが断熱材(グラスウール)を食い散らかして酷い状態です・・・。

断熱材が湿気らないように防湿材で被覆されているのですが、これでは意味がありません・・・(断熱材自体は乾燥した状態)。
以前、厨子二階には大量の柴や藁があったためネズミにとって天国だったのでしょう。
良否は別として柴や藁が撤去された今ではネズミの気配すらしません(まさかグラスウールを食べて死んでしまった??)。

この隙間には電気ケーブルも配線されていますが、それにもネズミによる被害を発見!

よく見ると芯線まで傷が達しています。
このケーブルはインターフォンの通信線のためまだしも電気ケーブル(VVF)だったと思うとゾッとします(そのVVFケーブルの表面部にも齧った痕があるのが怖いところです・・・)。
我が家のようなボロ家では、電気ケーブルはいつでも点検可能なところに配線すべきということですね。

そして、割れが生じている土壁の下部はどうなっているのか・・・

土壁の途中から切断・撤去され、土壁が宙ぶらりんの状態になっています。
このため上部の土壁に割れが生じ落ちかけているわけです。
15年前のリフォームで丸太梁を現しにするため土壁が一部撤去されたのですが、さすがにこのままではマズそうです(この壁は外壁にもなっています)。

とりあえずは断熱材を撤去し、掃除しておきます(下に見えているのは吊り天井の下地と石膏ボードです)。

<続きます>

耕作放棄地の再生(17)ハゼの木と漆

夏草の勢いが増すこの時期の週末は、田圃関係の共同作業(草刈り)が続きます。
我が家の田は専業農家の方に耕作していただいているのですが、所有者にも参加義務があるのです。
例の田のように耕作放棄状態であれば、なおさらです(^_^;
この耕作放棄地があるエリアの共同作業が今週末に予定されていますので、事前に所有地(及び道沿い)の草刈りを済ませておくことにします。

前回、5月下旬に草刈りしてから、ひと月半程しか経っていませんので、それほど草が伸びている状態ではありません。

<5月下旬の草刈り直後>

<現状:7月上旬(上写真から1.5ヶ月経過)>

昨年は今時分ではなくお盆頃(8月中旬)になってから草刈りしたのですが、草が伸びすぎていて往生したことを思い出します。
周囲の田(休耕地)を見渡すと、この時期に草刈りをされているところが多く、なるほど休耕地の場合にも草刈りの適期があるわけです。

朝活(早起きして1時間作業)で1日1時間ずつ、作業していきます。

<1日目:7月7日>

草の種類としてはセイタカアワダチソウ(乾燥地)やミゾソバ(湿地)が多いですが、いずれも大きくなっていないため容易に刈れ、作業が進みます。

<2日目:7月8日>

昨年(8月中旬)は、ここで蜂に刺されたのですが、ほぼ同じところに蜂が飛んでいました。
まだ巣を作っていないようで攻撃してくることはなく、どこかへ飛んでいきました。
ここに巣を作ってもらわないようにするためにも、この時期に草刈りするのが良いですね。

<3日目:7月9日>

<4日目:7月10日>

前回(5月下旬)、この付近で数匹のマムシに遭遇しましたが、今回は1匹も見かけませんでした。
マムシの巣窟ではなかったようでヤレヤレです。

<5日目:7月10日>

この日は僅かに残っていたところを片付けた後、道沿いの草刈りをして完了。

<ビフォー>

<アフター>

今回の草刈りには5日(計5時間)かかったことになります。
時間的には前回(5月下旬)と変わりませんが、草が伸びていない分、作業が楽でした。

次回の時期は未定ですが年内にもう一回、草を刈るつもりです(年3回)。

ところで、昨冬、耕地側にせり出してきている樹木を伐採しましたが、そのなかに「カブレの木」(ウルシ科)と思われるものがありました

伐採後の状況を確認すると、切り株から萌芽しています。

この葉なら、やはり「カブレの木」で正解!
さらには「カブレの木」(ヤマウルシ、ヤマハゼ、ハゼノキ等)の中でも葉の形(スマート)から「ハゼノキ」だと特定できます。

この伐採したハゼの木は薪にするため玉切りして積んでおいたのですが、しばらくすると樹皮付近に黒い縁取りができていました。

よく見ると黒い樹液が出ています。

これが「ウルシ科」の植物から採取できるという漆(ウルシオールを主成分)のようです。
既に固まってしまいましたが、変化を見るため木材にでも塗りつけておくべきでした(カブレないように注意)。
日本古来の塗料である漆(金持ち用?)や柿渋(貧乏人用?)は、現在では縁遠いものになりましたが、原料は今もこうして身近に存在し続けているのですね。

<続きます>