月別アーカイブ: 2016年9月

庭の整備(4)全体計画

前回、玉石積みを途中まで行いました。

その延長線上に、手洗い用の手水鉢(高さ約90cm)があります。
(自然石の天端を加工し、水を溜めるようなっています。)
昔は外便所を使ったあとにこれで手洗いをしたのでしょう。

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縦型のものなので、主屋(古民家)の軒先に移設し「縁先手水鉢」に再利用してはどうかとも考えました。
しかし、古い建物なので建物への影響を考えると軒先で水を使うのは避けたいとも思います。
(茶道のたしなみがありませんので、そもそも縁先手水鉢を使う機会がないでしょうが・・・)

一方、撤去した外便所には水道が来ていました。
(撤去工事で止栓してもらってあります。)
この配管も玉石積みの邪魔になります。

そこで、この手水鉢と水道を利用して、外便所跡地に蹲(つくばい)を作ることにします。
絵を描いてみます。

tsukubai

水道を蹲専用とするのはもったいないように感じます。
そこで、水道は散水栓(新設)に接続します。
使い勝手は悪くなりますが、蹲を使うときは散水線からホースで接続することにします。

また、この機会に全体の計画も考えます。
今回整備するのは朱色着色箇所です。

location_grass

右側の囲みが外便所の跡地です。
左右ともに芝を張る予定です。

玄関アプローチ付近は、雨が降ると水溜りになっています。
(写真は改修工事前のもので、樋が機能していないことも大きいです・・・)

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また、芝を張る予定ですが、芝は過湿を嫌うそうです。
そこで、排水を改良するため、排水路(玉石積み)の先にU字溝を敷設することにします。

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付近には井戸(以前ポンプを設置した井戸とは別のもの)があります。
将来この井戸を再利用する際にはその排水にも利用できそうです。

<続きます>

庭の整備(3)玉石積み

前回、外便所の撤去に伴い宙ぶらりんとなっていた主屋の樋を復旧しました。

外便所の跡地は山土で埋め戻してもらってあります。
(シートで覆ってあるのは、野良猫の糞対策です・・・)

跡地の一辺は排水路(幅45cm×高さ25cm)の法面になっています。
雨が降れば山土が流れ、法面が崩れてしまいます。

何らかの土留めが必要です。

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排水路の反対側のように、コンクリートの柵板(盆栽棚?)を杭留めすれば簡単そうです。
でも安普請感が・・・
かといって、ホームセンターで売っている洒落た土留めブロックを積むのも抵抗があります。
へんに今風のものを使うとそこだけが異質感を放ち、ボロ屋がますます貧相にみえてしまうものです。

ということで、昔ながらの玉石(自然石)積みで土留めを作ることにします。

石積みは、城郭の石垣に代表されるように伝統技術の結晶のようなものです。
でも、今回はたかが高さ25cmです。
日本人が初めて石を積んだときと同じように、直感を頼りに積んでみることにします。

まずは水糸を張り、玉石を積む箇所を掘ります。

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敷地内にちょうど良い大きさの玉石がありました。
こういうこともあろうかと、先祖が取っておいてくれたのかもしれません。

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試行錯誤しながら積んでいきます。

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とりあえず、ここまで積んで終了。

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ここまでの経験でわかったこと。

・最下段に大きい石をどっしりと据える。
・石の長辺を法面に対して直角方向に(挿し込むように)積む。(後に教えてもらったことですが、これを「ゴボウ挿し」と呼ぶそうです。)

<続きます>