古材再利用」タグアーカイブ

薪棚設置(9)基礎設置(延べ石を再利用)

3箇所目の薪棚を木造で作ることにし、前回、設計図を描きました。

薪棚と言っても、木造建築のような軸組みにしています(金物を使わない)。
このため手間と時間がかかるのが木材の加工(仕口の刻み)です。

ところで、このブログ記事は遡って書いており、実際、この図面を描いたのは今年4月です。
5月以降の週末はまさに草刈り三昧になるのですが、梅雨の間は雨天で草刈りを含む屋外作業ができないときがあります。
逆にそうしたときこそ腰を落ち着けて大工仕事ができるように感じますので、梅雨の間に刻みを行い、梅雨明けとともに棟上げするようなスケジュールで進めようと考えました。

一方、棟上げまでに基礎を作っておく必要があります。
既に図面はできており、基礎の位置も確定しています。
そこで、体力仕事の基礎工事を陽気の良い5月連休に行うことに。

基礎については、6本の柱(土台)の下に基礎石を設置することにしています(下図で朱色の四角)。

基礎石には主屋(古民家)の延べ石(土台の基礎)を再利用することにします(下写真で朱色矢印)。

4年前の改修工事において上写真の箇所を減築し、それに伴い延べ石も移設してもらったのですが、2本(1本の長さ6尺弱)余ってきたのです。
2本の内1本は既に第1号薪棚の基礎として再利用しており、残る1本を今回第3号薪棚の基礎として使うことになります(第2号薪棚はコンクリート製沓石を利用)。

不用になっていた延べ石が片付くことで、上写真のとおりゴチャゴチャしている場所の整備も進めていけそうです。
ゴチャゴチャして見た目は悪いですが、植物にとっては良い環境のようで、延べ石の際にスギの幼木(下写真で朱色矢印)がたくさん自生しています。

いつも、こうした幼木を畑に移植して苗木(里山の植樹用)を作っているのです。
延べ石を動かす前に幼木を掘り起こし、とりあえずポットに移しておきます(スギは少しでも水を切らすと枯れてしまうため早目に畑に移植するのが良いです)。

延べ石は長さが6尺弱あり、これを短く切り分けて基礎石にしますが、切断時に大量の粉塵が舞います。
そこで建物から離れたところで作業することにし、延べ石をテコやコロを駆使して移動させます(下写真で朱色矢印)。

25cmの長さで切り分けることにし、ディスクグラインダー(ダイヤモンドホイール装着)を使って4方から切り込みを入れます。

この切り込みにクサビを打ち込めば綺麗に割れてくれます。

20cm×20cm×25cmの基礎石を6個とれました。

これらを薪棚設置箇所に据え付けることになりますが、現在、その場所には壁土が置かれているため、まずはそれを何とかしなければなりません。

この壁土も4年前の主屋の改修工事で発生したもので、当初はかなりたくさんあったのですが、いろいろと活用して残り少しになっています(半坪の荒壁を塗れる程度)。
壁土は単なる粘性土と言えども小石などが除去されていますので、処分するのは勿体ないです。
そこで、一輪車で邪魔にならない場所に運んで保管しておくことにします。

これに少し穴があいたようなブルーシートを被せておけば、カチカチやドロドロになることなく適度に湿った状態で保管できます。
「レミコン」ならぬ「レミ壁土」です。

壁土が片付いたため、レーザーでレベルを出して薪棚予定箇所の周囲に水貫(糸)を回します(水盛り&遣り方)。

これを基準にして基礎石を据え付けていきます。

この際、捨てコンを打つようなことはせず、集めておいた小石にバラスを混ぜて粒度調整したものを敷き均すだけにしています。
薪棚であればこれで十分ですし、これなら基礎石の再利用も可能です。

基礎石の高さは約20cmで、その半分の10cmを土中に埋めるようにしています。

しかし、地盤の高さが一定でないため、上写真で手前側は基礎石の天端が地盤より低くなっています。
実は以前、犬走りの土間コンとの間に段差があって一輪車等で通行する際に不便だったため、土を盛って土間コンに擦り付けたのです。

このままでは土台(木材)が湿気ってしまうため、土を削って元の状態に戻します。

これで基礎ができました。

ミシン椅子の再生(3)布地を張り替える

前回、ホゾに虫喰いがあった部材(中貫)を作り直しました。

部材が全て揃ったことから組んでいきます。

上写真の状態まで組んで座板を取り付けようとするも、後脚と座板との接合部(相欠き)が嵌まりません・・・。
座板も一緒に組む必要があるのです。
再度分解し、今度は座板を含めて組みます。

上写真で座板と前脚との接合部(朱色矢印)に板状のものが飛び出しています。
ここはホゾ接合になっているのですが、前回のブログ記事に記載のとおり脚を短く切ってホゾを作り直しました。

そのときは単純に脚が短くなるだけだと安易に考えていたのですが、後になって、そう単純にはいかないことが判明・・・(後脚との関係から)。
そこで、前脚が当初の高さになるように、座板側に下写真の板(四角の穴はホゾ穴)を貼って嵩上げすることにしたのです。

背板の取り付けなどに釘やビスを使っているところがありますので、当初と同様にビス留めします(下写真で朱色矢印)。

中貫を新しく作り直したことにより酷かったグラつきも無くなりました。

ついでに応急処置の釘留めによりあいていた穴もパテで塞いでおきました(上写真で朱色矢印)。

ところで、上写真のとおり新材部の色が旧材と異なり目立ちます。
これはこれで陶磁器の金継ぎのようにアリかもしれません。
しかし、旧材部の塗装が薄くなって汚れた感じになっているため、全体を塗装し直すことにします。
塗装についても当初と同じ方法で行いたいと思いますが、果たして何の塗料が使われているのでしょう??

この椅子が作られたのは昭和初期で、その頃には既に舶来のペンキもあったと思います。
しかし、見たところ合成樹脂系の塗装ではなく、おそらく茶色の顔料を柿渋で塗布したうえ油で磨いて仕上げているのではないかと思います。
そこで、茶色の顔料(シマモト「顔力」アンバー赤口)を購入して塗装(仕上げに蜜蝋ワックスを塗布)。

当初より赤味が強いですが、これはこれで良い感じです。
購入した顔料に成分は記載されていませんが、この色合いから弁柄(朱)と松煙(黒)を配合しているとみました(買わなくても自分で配合できました)。

これでようやくクッションと布地を張り替えられる状態にまできました。
椅子用の布地はネットを検索すると様々な生地や図柄のものがありますが、特にこだわりはないためフリマで出品されていた端切れを購入。

生地の種類はわかりませんが、電車のロングシートに使われているものに似ていて丈夫そうです。
色も木部の濃い色に映えて良いです。

まずは、元のクッション材を配置。

布地を被せ、座板の裏側でタッカーを打って固定します。

椅子用の布地だけあって伸縮するため、シワができることなく張れました。

ただ、丸く張るため、どうしても側面にヒダができてしまいます。
当初はどう処理してあったのだろう?と当初の写真を確認すると上から別の布地を重ねて隠すようにしてあります。

同様に細長い布地を張ることにしますが、普通のものだと端がほつれてきます。
不織布のようなものはないかとホームセンターで探すと、切り売りの合成レザーを発見(約70円)。
座板の厚さ(2cm)で細長く切って使います。

座板の側面に巻き、太鼓鋲(銅生地)を打って留めます。

汚れやぐらつきの酷かったミシン椅子が生き返りました!

Before
After

実際に座って見ると、ぐらつきが無くなり、座り心地も最高!
なのですが、今度はがたつきが・・・(分解・再組み立てしたことによるものでコンマ数ミリ)。
平面が出ているところに置き、脚の底をノコヤスリで削って微調整します。

そして、2年前に再生したミシンテーブル(テレビ台として使用)のところに設置。
ミシンのテーブル、椅子ともに再び使えるようになりました!

この部屋にダイニングテーブルが置いてあり、その椅子が4脚あって普段はそれで十分なのですが、来客時に足りなくなることがあるため、そのときの椅子として使いたいと思っています(ミシン椅子のほうが座り心地が良いです)。