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薪棚設置(12)上棟

第3号薪棚について、いつでも棟上げできる状態になっているものの、梅雨が明けず手待ちになっていました(ブログ記事は遡って書いています)。

しかし、ようやく梅雨が明けました。
待ちに待った棟上げをすることにします。
基礎は以前のブログ記事に書いたとおり既に設置済みです。

ブログ記事では柱が建つところに基礎石を6箇所据え付けましたが、その後、基礎石の間にも補助的に建築ブロックを設置しています。

まずは、防腐塗装を施した土台(桁を兼ねる)を基礎の上に組みます。

この土台の上に柱を立てることになりますが、2本の柱を横から梁で挿す形にしていますので先に柱と梁を門形に組んでおきます。

これを土台の上に立てます。

自立しているものの、これだけでは安定しません。
この上に桁を掛け、それぞれを連結することで自立安定した構造物にします。

この桁は母屋を兼ねており、これに垂木を打てば屋根の下地ができることになります。
当然こうなるように設計しているのですが、これまで頭の中にだけしかなかったものが、こうして実際の形になると感慨深いものがあります(あと、設計や加工にミスしておらず一安心です)。

柱と梁との結合は当初コミ栓で行う考えでしたが、材料を加工する際、念のため鼻栓でもできるようにホゾを長くしておきました。
そうすると、せっかく長くしたホゾを切るのが勿体なく感じ、結局、鼻栓でいくことに(鼻栓の詳細については、第1号薪棚と同じため省略)。
ホゾにあけた穴にクサビを打ち込んで固定します。

これで構造部分は完了です。
1人で作業しても、ここまで1時間もかかっていません。
材料の加工には手間と時間がかかりますが、組み立ては本当にアッと言う間です。
大工仕事はまさに段取り8割です。

薪のストッパーも取り付けます。

続いて屋根工事。
事前に準備しておいた垂木を打ちます(@1尺6寸)。

軒先側に水糸を張り、墨付け。

このラインでカットすれば軒先が揃うことになります。

実は5年前の主屋(古民家)の改修工事の際、大工さんがこうしているのを見て、それを真似したのですが、確かにピッタリ揃います。

続いて野地板を張ります。
とりあえず1坪分(1束)の野地板を買ってきてあります。

これを垂木に対して釘留めしていきます。
玄翁でバンバンと釘(N45のところをN38)を打っていると、いかにも大工仕事をやっているようでテンションが上がります!

野地板は安価なため使うことが多いのですが、今回のように本来の用途として使うのは初めてです。
とりあえず床板のように千鳥状に板を配置しました(あまり意味がないのかも)。

結局、1坪分の野地板で上写真のところまで張れました。
残りは羽目板の端材でも張ろうかと思っていたのですが、確認すると全然足りません。
野地板のストックもあるものの、節のないものを選って乾燥させておいたもので、ここに使うのも勿体ないような・・・。
屋根まで完成していませんが、「梅雨明け十日に雨は無し」と言いますので作業はここまでとし、続きは不足分の野地板(半坪)を調達したうえ翌週行うことにします。

薪棚設置(11)屋根は杉皮葺き?

前回、仕口を刻みました。

梅雨明けとともに棟上げする予定ですが(ブログは遡って書いています)、棟上げ時には屋根も張りたいと考えています。
屋根は下図(側面図)のとおり片流れ(2寸勾配)にしています。

屋根の葺き材についてはポリカーボネート製の波板が安価で、施工も容易です。
しかし、ポリカは塩ビに比べて耐久性があると言っても屋根に使用する場合10年もてば良いほうかと思います。
そして、張り替えの度にゴミが発生することになります。
今回は薪棚で採光の必要がないため、耐久性やリサイクルのことを考えるとガルバ鋼板製にするのが良さそうです。
費用については、そもそも屋根の面積が小さい(1坪半)ためガルバにしても大して変わらないすが、であれば一般的な建築物のように下地(垂木+野地板)を作ったらどうか?
(垂木は廃材を再利用するとし、野地板の購入費として3,000円程度のUP)
下地があれば、屋根葺き材は波板に限定されず選択肢が広がります。
ちょうど今秋に杉を伐採する予定のため、その杉皮を葺き材として使えば面白そうです!

そこで、屋根の下地を作ることにし、その準備を行います。
垂木は廃材の野縁材(38mm角)を再利用することにします。

これを設計寸法より少し長めに切りますが、そのとき棟側がガレージ(鉄骨造)につくように傾き(2寸勾配:tan-110/2=78°)をつけておきます。

垂木を載せることになる母屋には垂木掘りを施しておきます。

屋根の勾配が2寸のため、端が7.5mm(=75/2×2/10)の深さになるように掘れば良いことになります。

垂木のピッチは1尺6寸(@484mm)にしています。

屋根に関して事前に準備しておくのはこれぐらいでしょうか。

ところで、薪を載せることになる桁について、中央の2本(下図で朱色)は75mmの母屋材を半分に挽いたもの(75×35mm)を用いることにしています。

平面図(当初)

しかし、十分な強度があるかどうか疑問に感じ、実はまだ半分に挽いていないのです。
まともに構造計算すればoutでしょうし、実物を見ても厳しい感じがします。
そこで、母屋材をそのまま使うことにし、下図のとおり変更することにします。

平面図(変更後)

75mm角の母屋材を1本追加購入し、加工。

これらの桁や土台は地面に近いところに位置するため、防腐塗料(クレオトップ)を塗布しておきます。

クレオトップ(瀝青系。クレオソートのような刺激臭なし)には色付き(ブラウン)のものがあったため、それを購入しました。
上写真のとおりオイルステインのように意外と良い感じに仕上がります。
オイルステインのようにと書きましたが、瀝青系のオイルに顔料を配合してあるわけで、これもオイルステインに違いありませんね。

こうした塗装は上棟後に行っても良いのですが、今年は梅雨がなかなか明けず、手待ちになっているため先に塗装を行いました。
あと、薪棚の側面に設置するストッパー(下図で朱色)も上棟後に適当に設置するつもりだったのですが、これも手待ちの間に準備しておくことにします。

相欠きで梁や土台に取り付けられるように加工します。

こうした加工も上棟後にできるものの、やはり事前に行う方が容易で正確に加工できます。
私はせっかちな性格なこともあって、ろくに準備しないまま先走ってしまいがちなのですが、今回は長雨のおかげで珍しく準備万端で上棟に臨めそうです。