2018整備」カテゴリーアーカイブ

里山再生:スギの伐採とハスクのソーチェーン

今冬も自宅に隣接する里山整備として、樹木や竹の間伐、そして投棄ゴミの回収を行っています。
ゴミが投棄されているのは下図で左下の谷部分になりますが、ここの斜面は雨樋の故障や昭和30年代に起きた竹の一斉枯死を引き金として崩壊したことがあります(そして、谷を埋めようと瓦礫などを棄てたことをきっかけにゴミがゴミを呼ぶ事態へと進展)。

このため私の祖母は、斜面崩壊の進行を食い止めるとともに地盤を強固にすべく、斜面の肩部分に杉の苗木を植えたと聞いています。(上図で緑色丸印)。
その後大きく成長し、そのお陰もあって再び斜面が崩れるようなことは起きていません。

しかし、これらの杉も里山の荒廃に伴い竹の勢いに押されつつありました。


<整備前の写真>

下写真の中央付近には倒壊した杉(倒壊していたものを里山整備で切ったため切り株のみが残置)が写っています。
山側からは竹の勢いに押され、自宅敷地側からは剪定屑などが大量に投棄され、いよいよ耐えられなくなったようです。


<整備途中の写真>

4年前に里山整備を始めた際には、最も谷側の杉が特に竹に埋もれて元気がなさそうな状態でしたので、竹を間伐することで光や風が当たるようにしました。

竹の勢いに押されていたため、山側には枝がほとんど無い状態です。

その後、元気になってくれることを期待していたのですが、昨春には葉が緑色になることはなく、ついに枯れてしまいました。

枯れても今すぐに倒壊することはないと思いますが、風下側には離れが建っているため、そのまま放っておけば屋根(瓦葺き)を破損しかねません。
また、倒壊時には根株が斜面を削ってしまうかもしれませんので、早めに伐採することにします(実際には昨年10月に実施)。

離れが隣接するためロープで誘引して伐倒するつもりが、他の木が邪魔をして梯子を掛けられずに断念。
伐倒方向を受け口だけでコントールして伐倒。

なんとか伐倒できましたが、実は追い口を入れるときにチェンソー(ガイドバー)が挟まれてしまいました・・・。
山側(伐倒方向の反対側)は竹が迫っているため、伐倒方向に木の重心があるものと思い込んでしまったのですが、実際には山側に重心があったのです。

そんなことで楔を打ち込みましたが、そのときに楔がソーチェーンに接触。
ソーチェーンを破断してしまいました・・・。

2年以上使ったものとは言え、まだ使える状態でしたのでショック(T_T)

伐倒した杉は昭和30年半ばに植樹として樹齢50年強。
根元で直径25cm弱です。

伐倒時の失敗はソーチェーンの破損だけではなく、後日わかったのですが離れ2階の雨戸(戸袋のカバー部分)を凹ませてしまっていました・・・。
下から見上げた以上に大きく枝が張っていて、倒れる際に雨戸をかすめていったのです。
凹みを直すため、二連梯子を掛けて一旦取り外し撤去。

凹んだ部分を裏側からゴムハンマーで叩いて戻します。

直したものを元どおりに取り付け。

横着したり、早く終わらせようと急いで作業とすると道具を破損したり、余分なことまでしなければならなくなると言う悪い見本です・・・。

ところで破損したソーチェーンですが、破断箇所を見るとドライブリンクを繋ぐ「タイストラップ」と呼ばれるものが欠落していることがわかります。

このタイストラップとリベットがあれば直せるのだろうか?と思い、ネットで調べてみたところ、専用の道具が必要になるものの可能なようです(もちろん私のような素人が行うのは危険)。

そして、どうやらソーチェーンはロール(長さ100ft.など)でも入手できるらしく、ソーチェーンを大量に使う本職の中にはロールで購入してタイストラップやリベットで繋いで使う方もみえるそうです。

ロールで購入すれば単価が安くなるわけで、ロールのものを加工して販売されている店舗もネットで見つかりました(Yahoo!の店舗)。
その店舗では私が使っているソーチェーン(オレゴン25AP76)と同等のものが、送料・税込で2,000円と安価でしたので購入してみました(オレゴンのものは2,500円程度)。

ソーチェーン自体はハスクバーナのブラインドです。
ソーチェーンは日本ではオレゴン社独占のような状況ですが、世界的にみればハスクバーナが占める割合のほうが大きいようです(ネット情報)。
で、このハスクバーナのものを現在使っているのですが、今のところ全く問題なく満足しています(あくまでも素人の感想)。

里山再生:クロガネモチの伐採と薪作り

果樹園(自家用)の更新・充実を図るため2年前から果樹を植えており、今シーズンも先にナシの苗木を1本植え付けたところです(下位置図で左側の40番)。

今シーズンはあと2、3本を植える考えで、その候補地として上位置図で左上の41番付近の空きスペースを考えています。

ここの広さは十分にあるのですが、問題は隣接する里山に大きな樹木(クロガネモチ、下写真で朱色点線)があることです。
樹高が10mを超えていることから伐採して萌芽更新したいと考えていますが、畑側(下写真で手前側)に伐倒するとき41番の位置に果樹が植わっていると巻き込んでしまうことになります。

そこで果樹を植える前に、この大きなクロガネモチを伐採することにします。

根元の直径は35〜40cmあり、下から見上げると堂々たる姿です。

幹の途中から光を求めて畑側に大きく曲がっています。
重心は畑側で伐倒する方向になりますので、大きな木ですが私でもなんとか伐倒できそうです。

細心の注意を払ってチェンソー(14in.)を使って伐倒。

枝分かれ後の幹も相当な太さです。

実は伐倒するまでは葉を見られなかったため、樹種が何であるか分かっていませんでした。
常緑の広葉樹で、モチノキの系統(当地では「モウチ」と呼びます)ではないかと思っていましたが、実際に葉や前年枝(赤っぽい)を確認するとクロガネモチであることが分かります。

切り株(直径35〜40cm)の年輪を数えてみると樹齢60年強です。

エネルギー革命前後に芽生え、その後、里山が使われなくなったことで伐採されることなく大きく育つことができたわけです。
そんな60年をかけて育ったものを一瞬のうちに伐り倒してしまいました。

幹は薪ストーブの燃料として使うため玉切りします。

少し太い枝も薪ストーブ用として十分に使えそうです。

細い枝は焚付けやボイラーの燃料として利用します(1年間雨曝しにして乾燥)。

葉っぱは畑の畝上に被せてマルチ材(&肥料)とします。

先般伐採したスギの葉も同様に畝上に被せていますので、畑は一面、葉っぱで覆われた状態です。

先に玉切りした幹ですが、薪ストーブの燃料にするには割ったうえ2年程乾燥させる必要があります。
昨シーズンは伐採後グズグズしていたら硬くなってしまい(広葉樹)、割るのに大苦戦しました。
そこで、今シーズンは伐採ごとに割ることにし、一輪車で1箇所に集めて薪割り開始。

生木のためか、それともクロガネモチはそもそも割りやすいのか、太いものでも事前に楔を打って分割しておけば斧で気持ち良く割れます。

それでも針葉樹に比べると体力を要するため、一仕事終えると身体はポカポカです。
体内ストーブを燃焼させてやれば、薪ストーブは要らないかもしれませんね(^_^)