2018整備」カテゴリーアーカイブ

里山再生:シキミの植え付け

先般、枯死したスギの木を伐採し、その前後に土留めを施しました。

この近くには大きなクリの枯れ木があったのですが、これも既に伐採しました。

このクリの伐採跡の周囲には空いている(フキの自生地)ため、クリに代わる樹木を植えることができます。
これまでは近くにスギの木があり、これを伐倒するときのことを考えると新しいものを植えづらかったのですが、伐採したことで安心して植えられるようになりました。

で、何を植えるか?です。
果樹にしたいところですが、この場所は東側の離れと西側の里山に挟まれているため日当たりが良くありません。

日陰でも果実が生るような果樹があれば良いのですが、そうしたものは思いつきません。
以前クリの木があって、たくさん実っていたのが不思議に感じますが、昔の離れは平屋で、その屋根を超えて大きくなっていたため日照が得られたのでしょう。
かと言って、屋根を超えるほど大きくなれば、落ち葉により雨樋掃除に苦労することになりかねません。
そう考えると、常緑で、少なくともクリのように大木にならない樹木にするのが良さそうです。

そのような樹木で、しかも実用的なものとして思う浮かぶのが神事に用いられる「サカキ」です。
しかし、サカキは既に庭にありますし、里山にも自生しています。
では、仏事用の樹木と言えば「シキミ(当地ではシキビ)」や「ヒサカキ(当地ではビシャコ)」です。
ヒサカキについては温暖化の影響なのか至るところに生えていますが、シキミは見掛けたことがありません。

シキミはマツブサ科シキミ属の常緑小高木で、その実は死ぬ可能性があるほど有毒(シキミの語源は「悪しき実」からとも)だそうです。
もちろん仏前に供えるのは実ではなく枝葉のほうで、葉はこのような半日陰のほうが色艶が良くなるかもしれません。
そんなわけで、シキミを植えることにします。

ホームセンターで購入してきた苗木(1,000円程度)をクリの切り株のところに植え付けます。

周囲の土は既に腐葉土化していますし、今後もクリの切り株や根がシキミの成長を助けてくれることでしょう。

ところで、苗木を植え付ける際に切り株のところを掘っていたところ、地中から大きな石が出てきました。

以前、クリの木の根元には米蔵(昭和20年代に解体)に使われていた石が積まれていたため、その残存物のようです。

クリの幹の断面形状が三日月状になっているのは老木で中心部が朽ちたのだろうと思っていましたが、実は石が埋まっていたためだったのです。

米蔵を解体した昭和20年代にはクリの木は小さかったことになりますが、私には大木のイメージしかないためとても意外に感じます。

里山再生:スギの移植

今冬も落葉果樹の苗木を数本、植え付けました

これで上写真のエリアについては下図の配置で全てを植えたことになります。

各樹間は5〜6mの距離をとっていますが、木が小さい現状ではスカスカの状態です。
また、雑草対策(&窒素固定)としてクローバー草生にすべく昨秋にクローバー(ラジノ)を播種しました。
それでも定期的な草刈りは欠かせませんので、そのモチベーションを上げ、かつ土地を肥やすようなことはできないかと考えたのが、上図の朱色丸印のところにスギの苗木を植え付けることです。

常緑針葉樹のスギであれば、落葉果樹とは競合しにくそうですし、常緑・落葉・針葉・広葉を混在させるほうがより自然に近いようにも思います。
とは言え、木が大きくなれば密接しすぎることになりますが、そのときが来れば、スギを伐採して杭などとして利用できるかもしれません。
針葉樹であれば伐採後に萌芽することはありませんし、残った根株は朽ちて土地を肥やしてくれるはずです。

畑には移植するのに適当な大きさ(樹高70cm〜100cm)のスギの苗木がありますので、これを植え付けることにします。

このスギは実生後3年が経過したものです。
畑に移植したのは2年前の春で、そのときは下写真のとおり10cm程度の高さしかありませんでした。

その1年後(昨年春)には30cm程度まで成長。

30cmの高さがあってもクローバーに巻かれてしまうぐらいで、上写真では苗木の周りのクローバーを刈り取っています。
その1年後(現在)には1m程度にまで成長し、ここまで来ればクローバーに巻かれることもありません。

ちなみに別の場所には実生4年のものがあるのですが、これは現在、樹高2mにまで成長しています。

ここまで大きくなると移植するのが大変です(場所的に大きくすることができませんので、遠からず伐採すると思います・・・)。

これらの成長過程を大まかにグラフ化すると下図のとおりになります。

2年を過ぎるあたりから急激に大きくなることがわかり、移植するタイミングとしては4年では遅過ぎ、3年が最も良さそうです。

この実生3年の苗木も春の到来とともに葉が緑色になりつつあります。

スコップで掘り起こし、計画箇所に植え付けます。

台風で傾き、その状態で成長したため曲がった状態になっていました。
南側に曲がり直すことを期待して植え付けましたが、S字になるかもしれませんね。

4本の植え付け完了。