2017整備」カテゴリーアーカイブ

里山整備2017(10)シュロの木の伐採

以前のブログ記事にも書きましたが、地球温暖化の影響もあって全国において自生のシュロが急増し問題化しているそうです(「野良猫」ならぬ「野良ジュロ」)。
我が家も例外ではなく敷地に自生のシュロが林立して、さながら南国?の様相を呈していました。

上写真の中だけでも3本のシュロの木が写っていますが、ほかの木に近接しているものはこれまでに伐採してきました。

ところで、シュロと言えばシュロ皮を利用して作られるシュロ縄やシュロ箒が思いつきます。
昔であればこうしたものに利用されたのでしょうが、今や伐倒に手間がかかる(ノコギリに絡まるため)厄介者の存在になっています。
それでも、せっかく伐採するのだから何かに使いたいものです。
さすがにシュロ縄やシュロ箒はハードルが高すぎますので、容易に使える方法としてこれまでに次のような使ってきましたので参考に紹介します。

  1. 土壁の貫伏せ
    土蔵(庇部分)の土壁を新設した際、貫伏せにシュロ皮を使いました。
    現在では寒冷紗を用いますが、昔はシュロ皮や麻布などを使ったそうです。

    下写真がシュロ皮の1片で、これが幹に層状に巻きついています。

    そのシュロ皮を貫に貼り付けた様子です(この後、貫部分を含め全面に壁土を塗ることになります)。

    ちなみにエツリ(小舞掻き)もシュロ縄を使っています。

  2. 土留め材

    シュロ皮が腐りにくいことに加え、末と元の太さ(直径10cm程度)があまり変わらないことから土留め材として利用しました。

    これらの特徴からお寺の鐘つき堂の撞木(しゅもく)として使われると聞いたことがあります。
    山中でシュロ皮が剥がれきった倒木を見つけたことがありますが、なるほどと感じる大きさ、重さ(軽い)、素材感(硬くない)でした。

そんなことで、ほかの木に近接しているものは伐採し、残った1本については枯れ葉を定期的に取り除くなどし管理してきました。

枯れ葉を取り除いてやれば、意外とスマートで良いものです。

しかし、このシュロは「和棕櫚」で樹高が高く(「唐棕櫚」は低い)、まだまだ伸びる勢いです。
枯れ葉の除去は二連梯子をかけておこなっていますが、樹高が8mに達し、危険に感じるようになってきました。

そこで、敷地内に残る1本も伐採することにします。

シュロ皮がノコギリ(チェンソー)に絡みつきますので、先に取り除いておきます。

よく切れる鉈で叩くようにして繊維を切り、少しずつ剥がしていきます(一度に剥がそうと欲張ると絡んでうまくいかないです)。

チェンソーを使って伐倒。

離れまで8m以上あったため、離れに向けて(ナンテンやフキノトウを避けるため)倒しましたがギリギリでした・・・。

幹は土留め材に使う予定のため玉切りします。

一方の葉は硬質ですが、シュロ皮のように腐りにくいということはないでしょうから畑の溝(畝間)に入れて堆肥化します。

伐採により敷地内にシュロの木が無くなりましたが、実は昨シーズン、小さいシュロ(和棕櫚)を裏庭に植え付けています。

このシュロは亡き父が盆栽状?に鉢植えしていたもので小さい状態ですが、これからどんどん大きくなることでしょう。

<続きます>

里山整備2017(9)ゴミ処理の方針

前回のブログ記事で里山に投棄されているゴミの状況について書きました。

ゴミの量が半端なく多く、とても個人の手に負えるものではないと感じ、市の担当部署に相談することにしました。

その結果、結論としては「個人敷地内の投棄ゴミ(家庭ゴミ)は地権者が処理せざる得ないが、条例の規定に基づき許可を得れば市の処理施設への搬入が可能」とのこと。

幸い軽トラを所有していますので、それで運搬できます。
それと、以前、主屋や倉庫の片付けで出たゴミを軽トラ100往復!して処理施設に運んだ経験(下写真)がありますので、ゴミの分類・搬入には慣れています。

ところで、そのときは約3年をかけて毎週末、軽トラで処理施設まで1往復して運んだのですが、一時は次々と出てくるゴミにキリがないのではないかと感じたものです。
しかし、軽トラ100車に達しようとする辺りで、それまでは軽トラ満載で運んでいたが急に減り、片付けが終了しました。

これまでに、古民家再生に取り組んでいる多くの方のブログを拝見しましたが、そのほとんどの方は最初の試練として膨大なゴミの処理に苦労されてみえるようです。
そして、処分したゴミの量は我が家と同様、軽トラ100車分にのぼったというブログ記事を散見します。
100年の古民家とすれば1年に軽トラ1車分のゴミが溜まっていった計算になりますが、実際には昭和30年代(高度成長期)以降に激増したモノが大半を占めている状況です。

現在では自治体によるゴミ回収がおこなわれていることから、こうして大量生産・大量消費されたモノのゆく末を知らずにすみます。
しかし、モノを溜め込むことの是非は別として、こうしてモノで溢れゴミ屋敷化してしまう状況に接すれば大量生産・大量消費の世の中の危うさを感じるものかもしれません。

閑話休題

里山に投棄されているゴミについて、市の処理施設に搬入すべく許可申請をおこなうとしても、今後どのように作業を進めていくか。
このゴミが投棄されている場所はヤブ蚊やマムシの巣窟になっているため、夏場は危険で作業できません。
このため冬季(の週末)のみ作業することになりますが、これまでの経験!?とゴミの量から少なくとも3年(シーズン)は要すると感じています。

そこで特に状態が悪い箇所を優先するとして、湧水が空き缶などに溜まり異臭を発しているところ(下写真)を今シーズンに片付けることにします。

今シーズンにできる時間は残り少なくなってきましたので、市の処理施設へは夏にでも運べばよいとして今はゴミの回収に注力します。
具体的には市指定のゴミ袋を持って谷へ降り、ゴミを拾って引き上げてくるだけです(上から捨てるのは楽チンですが、谷底から引き上げてくるのは大変です・・・)。

千里の道も一歩からと言うことで、朝活(早起きしての1時間)で3袋を回収(ブログ記事は遡って書いており、実際には3月頭から作業しています)。

長い道のりになりそうですが、果たしてゴミ袋何袋分、軽トラ何車分になることやら。

<続きます>