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里山整備2017(8)本物のゴミ投機

里山の整備により山の中にも光が差し込むようになり、特に今の季節、山中を歩くと本当に気持ち良く感じます。
しかし、こうして整備した今でも薄気味悪く感じる場所が残っているとして、前回のブログ記事においてその箇所(下写真、剪定屑などのゴミを投棄していた場所)の現状を紹介しました。

上写真は3年前の整備後の状況ですが、斜面の上部にある大きな塊が剪定屑などのゴミです。

「ゴミ」と言っていますが、もちろん剪定屑は自然のものですので徐々に腐り早晩、跡形も無くなるものです。
下写真が現在ですが、3年の歳月で下方に落下するとともに体積が減っているのがわかります(剪定屑が腐ったものは腐葉土になっています)。

ところで、上写真には剪定屑などのゴミ(緑色)だけではなく、それ以外のゴミ(朱色)も写っています。

その部分を拡大すると・・・大量のゴミが!!

先の剪定屑などは本来、ゴミと呼ぶのは相応しくないものですが、こちらはまさに「本物のゴミ」です。

なぜこのように大量のゴミが投棄されているのか疑問に思いますが、聞くところによると、ひと昔前まで田舎ではゴミの回収がなかった(真偽不詳)ため、不燃物は山に投棄していたそうです。
こうした背景があるなか、昭和30年代にこの谷の斜面が崩れ(下図)、それを埋めようとして?亡き父が瓦礫や不燃物を捨て始めたのをきっかけにしてゴミがゴミを呼ぶ事態になってしまったようです。

ゴミが投棄されていても谷で目につかないため特に構わないように思いますが、実はヤブ蚊の大量発生の原因になっていて困っているのです。
大量に捨てられている缶やビン、各種容器(下写真)に雨水が溜まっており、夏に見るとボウフラがウジャウジャ(それ以前にヤブ蚊の猛襲があるため雨合羽で完全防護です)。

上写真には自動車のバッテリーも写っていますが、容器が劣化し電解液が漏れるとヤバそうです(バッテリーは既に6個回収)。

下写真の箇所は斜面の中ほどから地下水が湧出していますが、湧水がその下にある空き缶などに溜まることになります。
そして溜まった湧水が腐り、異臭が発生しています。

これは尋常ならざる状態だと感じ、とりあえずは湧水が出ているところだけでもゴミを撤去してみようと少し取り除くと・・・。

地表に転がっているだけではなく、相当な深さまで埋まっている模様です・・・。

ここまで酷い状況だと、もはや個人の手に負えるものではなさそうですし、こうした問題をひとりで抱え込んでいてもろくなことはありません。
そこで、市の担当部署に相談することにしました。

<続きます>

里山整備2017(7)剪定屑などのゴミ投機

里山内の竹の間伐・更新により、林内に光が射し込むようになっています。

竹の間伐・更新に加え、今シーズンからは樹木の伐採(林縁部)も始めました(下写真はその内の1本)。

その結果、これまで陰気だった自宅裏の様子が明るくなってきました(里山は自宅の裏手)。

下写真は、上写真と同じ場所を3年前に撮影したものですが、林内が暗く薄気味悪い状態でした。

裏庭がちょうど里山を借景?にする位置にあるのですが、里山が明るくなったことで、庭も明るくなったかのようです(下写真のビフォー・アフター)。

<ビフォー:2013年12月>

<アフター:2017年3月>

また、畑側から見ると、病気(テングス病)にかかった竹が密集し、いかにも荒廃した感が強かったのが、若々しい緑で覆われてきました(冬は竹にとっては夏のような季節で本来は元気があります。下写真のビフォー・アフター)。

<ビフォー:2014年1月>

<アフター:2017年3月>

以前は里山内で作業をしていると白昼でも薄気味悪く、お化けが出そうで怖いぐらいでしたが、今では逆に林内のほうが清々しさを感じるほどです。
ただ、今でも薄気味悪く感じる場所が1箇所残っています。
それは下図で朱色破線で囲む箇所です。

ここは谷状の地形になっています。
もともと谷状の地形だったところへ昭和30年代に斜面が崩れたことで、谷の法肩がさらに自宅側に近づいています。

谷状になっているためゴミを捨てやすく、またゴミで谷を埋める?目的もあり、3年前まではここを藪と呼んで剪定屑や草を投棄していました。
その結果、山のなかでは上から投棄されるゴミに押されて竹が倒れ、凄まじい状態になっていました・・・。

そこで3年前に剪定屑などのゴミを捨てるのをやめるとともに、倒壊している竹の整理をおこないました(下写真は3年前に整理した後の状況)。

上写真で斜面上部にある大きな塊がこれまでに捨てていたゴミです。
相当な量があり、剪定屑だけでなく丸太なども混じっているため、途中で引っ掛かって下まで落ちてきません。
竹や樹木を押し倒しながら、3年が経過した現在、斜面の中腹まで落ちてきています。

ところで、剪定屑などのゴミを谷に投棄すると、一見、谷が埋まった(盛土した)ようにみえます。
しかし、当然いずれは腐って体積がほとんど無くなるため、(現実的に)谷が埋まることはありません。
逆に、投棄され続けるゴミが覆いになり草や樹木が生える余地がなくなるとともに、土が肥える(軟弱化する)ことにより、斜面の強度は弱くなると考えられます。
ちなみに、道路や河川の土手は定期的に草刈りがおこなわれていますが、それは草を生やしつつも、土が肥えすぎて軟弱になるのを防いでいるのであり、それと真逆のことをやっていたわけです・・・。

自己弁護になりますが、このように山に捨てるようになったのはダイオキシン規制により田舎でも剪定屑などを野焼きしづらくなったことにも一因があるように思います。
そう思うと、田舎においてこそ剪定屑などの木質資源を有効利用できる薪ストーブやボイラーなどの必要性が高まっているのかもしれません。

閑話休題

今後、剪定屑などは山ではなく畑に捨て?畑の肥やしにしたり、燃やして燃料とするつもりです。
既に捨てられているものも、そう遠くない将来、自然に土へと還っていくことでしょう。
実はこの谷には、自然に還らないゴミ(本物のゴミ!)も投棄されているのです。
これがこの一帯を薄気味悪くさせているほか種々の問題を起こしています。
これについては次のブログ記事に記載したいと思います。

<続きます>