カテゴリー別アーカイブ: 自然農

柿渋の仕込み(1)

柿渋を仕込む時期がやってきました。

柿渋は時代遅れの過去のものになっていましたが、ここにきて復活の兆しがあるようです。
古民家再生や田舎暮らしをしている方で柿渋を自前で仕込んでいる方は多いと思います。

私も2年前からこの時期に柿渋を仕込んでいます。
写真は2年前に初めて仕込んだときの様子です。

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柿渋は2年以上熟成させるのが良いと言われています。
2年が経過した現在、このような感じになっています。

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保存のためペットボトルに移し変えます。
色などの見た目は市販のものと変わりません。
匂いは市販のものに比べると弱いです。
果たしてちゃんとできているのでしょうか?

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昨年は柿の生り年でしたので、バケツ4杯分の柿を仕込みました。

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左から
○オテラ
○(豆柿のような小さい柿)
○(干し柿用の渋柿)
○リョウノタマ
という種類の柿です。

4種類の柿を別々に仕込みました。

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現在も熟成中ですが、昨年は仕込んだあと撹拌するのをサボってしまい、コンニャク状にタンニンが固まったものができてしまいました。
今年は注意しなければ!

さて、今年の仕込みです。
まずは柿の収穫です。
今年は「リョウノタマ」という種類の柿を使うことにします。

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今年は生り年ではないのですが、意外と実っています。
(青柿の状態で落下して、秋まで残るものは少なくなるのだと思います。)

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まだ大きくなるとは言え例年に比べ小さいように感じます。
この夏は雨が少なかったので、その影響でしょうか。

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柿は、結果枝に翌年結実することはないので、枝ごと取ると剪定代わりにもなります。

井戸水で軽く汚れを落とします。
こうしたところで井戸水が大活躍しています。

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<続きます>

柿渋の仕込み(2)

前回、柿渋用の柿を収穫しました。

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早起きして朝に採取したのですが、仕込みは帰宅後の夜に行うつもりで軒下に置いておきました。
そうしたところ、帰宅時には既に日差しが当たったところで変色が始まっています・・・

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急ぎ仕込むことにします。
ここからの柿渋の仕込み方は、2年前に参加した柿渋のワークショップ(大杉谷移住促進協議会さま主催)で教えていただいた方法です。

柿をビニール袋に入れて、木槌で砕きます。
柿のヘタは付いたままで良いそうです。

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土間コンのうえで作業していますが、柿渋がコンクリートに付着すると変色するため、ブルーシートなどで養生しておいたほうが安心です。
欲張って一度にたくさんの柿をビニール袋に入れると砕くのが大変になります。
小分けしたほうが作業が捗ります。

砕いたものを容器に入れ、水をヒタヒタになるぐらいまで入れます。
容器は陶器やプラスティック製のもので、金属製のものは不適です。
水も水道水ではなく、残留塩素のない井戸水が良いそうです。

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この状態で一週間以上置いておき、柿からタンニンを溶出させます。

・・・

市販の柿渋になりますが、これまでにいろいろと使いました。
(当地の鈴鹿は伊勢型紙で有名で、その用紙を作るのに柿渋を使います。この柿渋を市内で製造販売している「オオスギ」さまで購入しています。)

いくつか紹介したいと思います。

昨年の主屋の改修工事では、床組を全面的にやり直しました。
土台・大引き・束柱にはヒノキ材を使いましたが、防腐効果を期待して柿渋を塗布しました。
(柿渋塗布のみDIYで施工)

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新しく入れ替えた化粧柱や框には、柿渋に弁柄や黒色顔料を混ぜて古色塗りを行いました。
写真は、奥の框から古色塗りしているところです。
(古色塗りのみDIYで施工)

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大和天井の板の貼り替えでは、弁柄などの顔料は混ぜずに柿渋のみを塗布しました。
写真は貼り替え時のものですが、時間とともに赤みを帯びた色に発色してきています。
(全てDIYで施工)

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外部も、漆喰の白色が映えるように色あせていた木材に古色塗りを行いました。
(古色塗りのみDIYで施工)

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郵便ポストは、柿渋で溶いた弁柄で着色しました。
(DIYで作ったポストに着色)

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<続きます>

自然農 ダイコンの種播き(1)

自宅に隣接して約1反(10a)の畑があります。
畑の1反は、耕作せず草刈りなどの管理をするだけでも大変な広さです。

亡き父は慣行農法(耕運・施肥・除草による一般的な農法)で野菜類を作っていました。
私も1年(冬・夏の1シーズン)は同じように作りました。

除草し、管理機で耕し、畝を作ります。
草ひとつない畝に整然と並ぶ野菜の姿には満足感を覚えます。
(写真の畑では「エン麦」という緑肥作物も作っています。)

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とりあえず化学肥料さえ施しておけば、野菜の苗は元気に育ち、自家消費用としては十二分のものが収穫できます。

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週末に農作業していますが、こればかりに時間を使う訳にもいきません。
当時は主屋(古民家)の改修は手付かずでの状態で、農作業をしていても「こんなことをしている場合ではないのじゃないか」と気が焦りました。

野菜は、スーパーへ行けば安く買うことができます。
肥料や資材、燃料代などにかかる費用だって馬鹿になりません。

では何のために耕作しているのか?
それは、荒地にしてしまわないためです。
このことを当地では「土地を守り(もり)する」と言っています。

土地を守るために、多大な労力とお金をかけて、化学肥料が化けたような野菜(地の恵みではなく石油製品?)をやむ無く作っているようなものです。

それによって土地自体が肥えているのならまだしも、長年の化学肥料の使用によって地力は低下する一方。
化学肥料を施さなければダイコンすら育たない土地になっています。
(それで化学肥料をやるという悪循環です。)

ジリ貧状態に陥っているように思えてなりません。
いま全国の田舎は元気がありませんが、このことひとつを取っても分かるような気がします。

早くも「慣行農法」に限界を感じているとき、「自然農法」のことに思い至りました。
自然農法とは「不耕起」「無肥料」「無除草」「無農薬」を原則とする農法で、故福岡正信氏が提唱されたものです。
学生時代(一応は農学部出身)は興味すらありませんでしたが、この状況に至っては「これしかない」と思わずにはいられませんでした。

とは言うものの、自然農法にはマニュアル的なものはありません。
手探りで、これまでやっていた除草や施肥をひとつづつ止めていくしかありません。

自然農に切り替えたものの、耕起や施肥を止めた畑は、まるで麻薬が切れたかのようなありさまです。
野菜は全く育たず、強い雑草ばかりがこれでもかと生い茂り・・・

まだまだ切り替えたばかりで今も手探り状態ですが、それでも少しづつ草の勢いが落ち着き、育つ野菜もあるようになってきました。

「ダイコンの種播き」というタイトルで始めましたが、長くなりましたので今回はここまでにします。
次回、自然農によるダイコンの種播きについて書きたいと思います。

最後に現在の畑の様子です。

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自然農 ダイコンの種播き(2)

この夏は本当に雨が降りませんでした。
8月も終わりになり、ようやく台風の影響で雨が降りました。

これからは秋雨前線による長雨の時期に入ります。
この長雨をもらうことで、冬草が芽生え成長します。

一方の夏草は既に種をつけ始めていますので、勢いのピークは越えたのでしょう。

夏草の勢いが弱まったこの時期に、冬草に先行して冬野菜の種を播くことになります。

ニンジン(秋蒔き)も今の時期に種を蒔きます。
昨年の今頃に種を播き、収穫せずにそのままにしておいたニンジンは、初夏に花を咲かせ、いま種をつけています。

初夏に花が咲いていたときの様子です。

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白くレースのような花です。
観賞用としてニンジンの花を一面に咲かせるのも良いかもしれませんね。

現在は、このようにたくさんの種をつけています。

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これは刈り取った状態ですが、刈り取らずにそのままにしておけば、風で種が飛散し秋雨により自然と発芽するわけです。
本当に自然はうまくできているものです。
ニンジンの野草化も可能性あり???

ただ、場所だけは変えたほうが良いので、刈り取って畑に置いてありました。
そうしたところ雨で濡れてしまい・・・
そこでニンジンはひとまず置いておき、ダイコンの種を播くことにします。

ダイコンを蒔くのは、こちらの畝です。
先ほどのニンジンを刈り取ったところです。

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作業に支障となる草(野草化しているシソなど)は軽く刈り取り、そのまま畝に置いてあります。
写真の手前は、春に自然生えしたニンジンです。

今回蒔く種は今春に採種したものです。
(一代交配種から採種したものですので、スーパーで売っているようなものは期待できません。)
ピンボケしてわかりにくいですが、殻のまま保管してありました。

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手で殻を砕きつつ条播きし覆土します。

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あっという間に一畝分が完了。
30分もかかっていません。
作業前と何も変わっていないように見えますが、種播き完了後の状態です。

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写真の上部で、こちらの畝に向かって垂れ下がってきているのは、ゴボウですね。
ゴボウも種播きの時期です。

ダイコンの種はまだまだありますので、隣の大豆の畝にも播くことにします。

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大豆がありますので、こちらは大豆と大豆の間に点播きします。

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さあ、どんなダイコンができるでしょう。

自然農 ダイコンの発芽

先週から冬野菜の種を蒔いています。
このところの降雨で、最初に蒔いたダイコンが一気に発芽してきました。

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雑草も生えているので分かりにくいですが、ハート型の双葉がダイコンですね。

雑草のほうはイネ科の「メヒシバ」です。
よく見かける雑草ですね。
メヒシバやその姉妹種のオヒシバのことを当地では「ヤツデ(八ツ手?)」と呼んでいます。
八方向に広がっていく様子からそのように名付けらているのかもしれません。

ヤツデは繁殖力が強いことから、お百姓さんからは特に嫌われます。
しかし典型的な夏草ですので、これからの季節はダイコンのほうが勢いよく成長していくかと思います。
ヤツデもそのままにしておきましょう。

今春に開花したあと自然に落下した種も発芽し、既に少し大きくなっています。
これはハクサイでしょうか。

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このような自然生えの様子をみると、野菜と雑草との境界が曖昧になってくるように感じます。
野菜も雑草も全く同じ条件で成長しています。
ここで野菜だけに高価な化学肥料を施せば、雑草はそれを奪う泥棒だと思ってしまうのが人間の性です。
逆に自然の状態のままに人間が行うこと少なければ、野菜と雑草が共存共栄しているように映るかもしれません。

ほかにもオクラの根元からニンニクが発芽しています。

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もうニンニクも植え付ける時期なのですね。
(この畑のニンニクは野草化しているものなのでそのままにしておきます。)

これまでに種を蒔いた冬野菜はダイコンのほかにはハクサイとブロックリー(F1)です。

今朝はニンジン(F1)の種も蒔きました。
(農作業は仕事前の早朝にやっています。基本的に週末の時間は使っていません。)
写真は種を蒔いたあとの写真ですが、とてもそうは思えませんね・・・

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こちらの畑はしばらくすると満開のコスモス畑となります。
そして春には今種を蒔いている野菜で菜の花畑です(^_^)

十六ササゲと萩

中日新聞のサンデー版に旬の野菜を紹介する記事が連載されています。
取り上げられる野菜は、奇をてらったようなものではなく、普通に食卓にあがる馴染みのあるものです。
名前の由来や我が国への渡来の歴史など、知らないことも多く興味深く読んでいます。

昨日(日曜日)は「ササゲ」が紹介されていました。
豆科の夏野菜で、今が旬です。

でも豆科の夏野菜と言えば「インゲン」。
ササゲはいまひとつの存在感ですね。

また、当地では「インゲン」のことを「ササゲ」と呼んでおり、名実ともに存在感が無くなっています。
(どうも、ダイズやエンドウ以外の豆類を総称して「ササゲ」と呼んでいるようです
。)

我が畑でも今春に蒔いた「十六ササゲ」が旬を迎えています。
痩せた土地で肥料なしでも雑草を駆逐する勢いで成長しています。

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枝つきの竹でも転がしておけば、さらに勢いが増します。
こういうのを見ると、野菜と雑草との境界が曖昧に感じられます。

初期につけた実は、サヤが朽ちて種がこぼれ落ちそうです。

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新聞の記事で「十六ササゲの名前の由来は実が16個あることによる」とありました。
サヤの長さが16寸(48cm)だと思っていたので意外です。
(五寸ニンジンとか、長さを冠する名前は多いです。)

と言うことで、採種して確かめます。

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容器の長さ(長辺)は30cmですので、サヤの長さは40cmぐらいでしょうか。
16寸(48cm)には少し足りないですね・・・

このうちの1本のサヤから採種します。

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アズキのような種ですね。

で、数えると20個。
名前の由来は種の数で間違いないです。
(サヤの長さでも通用しそうですが。)

ササゲの根元では、こんな花が咲いているのを見つけました。
(もちろん植えたものではありません。)

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これは秋の七草の「萩」ですね。
萩も豆科の植物です。

教科書や指導本には「同じ科のものは競合するので避けるように」とあります。
このササゲと萩は競合していることになります。
でも、人間の目にそう映るだけであって、実際のところは共存共栄なのかもしれません。

同じくササゲの下で野良猫が佇んでいます。

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この写真の一部を切り取ります。

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「白猫とササゲ」

こちらも共存共栄でしょうか(^_^)

柿渋の仕込み(3)

前回(8月末)、柿を砕き、水に浸けおきました。
それから2週間以上が経過しました。

前回のブログ記事には「リョウノタマ」という名前の柿を仕込むところを書きました。
その1週間後には「干し柿用の渋柿」も収穫し、同様に仕込みました。
写真は「干し柿用の渋柿」を仕込んだときのものです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから1週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込み直後

すぐに発酵が始まり、1週間でずいぶん変色しました。

そして現在は下写真のとおりです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから3週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込みから2週間経過

柿に含まれるタンニンがすでに溶出しているはずですので、次の作業となる搾汁を行います。

ちなみに破砕・加水から搾汁までの期間は1昼夜とか1週間とか色々あるようです。
今回は2週間以上になりますので、標準に比べると長いです。

さて、布を使って絞ります。

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写真のように欲張って一度に多く搾ろうとすると力が要り大変です・・・。

全て絞り終えました。

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左側(3週間経過)は、右側(2週間経過)に比べ色が濃いですね。
また、左側のほうがワインのような匂いが強いです。
アルコール発酵が進んでいるようです。

絞り粕もたくさん出ました。

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畑へ戻してやれば、よい肥料になりそうです。
自然のものは何一つ無駄にならないのが良いですね。
そして、そうさせる畑(土)の力には本当に驚きを感じます。

柿渋は、この状態で2年間熟成させます。

ただ、しばらくの間は定期的に攪拌する必要があります。
これが柿渋の仕込みで最も重要な作業かもしれません。

2年前に仕込んだときは、定期的に攪拌したため特に問題は生じませんでした。
しかし、昨年は仕込んだあと攪拌するのを少しサボったところ、いつの間にか表面にコンニャク状のものができてしまいました。

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1cm弱もの厚さがあります。
タンニンが凝固したものだと思います。

『柿渋』(今井敬潤著)には「この凝固は柿渋製造において最も恐れられているもので、コンニャク状になると樽全体がダメになる。」(正確な引用ではありません。)とあります。

ということで、昨年仕込んだものは見事に失敗ということです・・・。
しかし、このような分厚いコンニャク状のものができるというのもある意味驚きです。

失敗を繰り返さないよう今後2ヶ月程度は定期的に攪拌しようと思います。

あと、柿渋は熟成していないものでもコンクリートに付くとこのように変色します。

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この着色は落とせないそうです。
汚れてはいけないところで作業する場合はブルーシートなどでの養生が必須です。

<続きます>