果樹園再生」カテゴリーアーカイブ

果樹園の再生(29)接ぎ木:モモ&ナシ

前回、ビワの接き木を行いました。

接ぎ木はビワだけでなく、ほかの果樹もやってみたいと思っています。
ただ、接ぎ木を行うには台木が必要となり、その台木も育てるなどして準備する必要があります。
ビワについては、たまたま里山にビワの木があり、毎年こぼれ落ちた種から幼木(実生2〜3年)が自生えするため、これを使ってビワの接ぎ木を行ったわけです。
そして、ビワで接ぎ木を試行錯誤するとともに、ほかの果樹の台木を育てることにしました。
一昨年にユズ(ミカンの台木)を播種、昨年にはウメ(モモ等の台木)、ナシを播種。
下写真は昨春発芽したばかりのウメとナシです(この後、畑に移植)。

接ぎ木できる大きさにまで成長するには2年以上かかるだろうと思っていたのですが、それが1年で高さ2m近くまで成長し、既に接ぎ木できる大きさになっているものもあります(下写真はウメ)!

成長の早いスギでもこの大きさになるには3年はかかります。
ハゼやアカメガシワと言ったパイオニア樹木と呼ばれるものでも実生1年でここまで大きくならないと思います。
上写真で背後に満開のスモモが写っていますが、このスモモも成長著しいです。
スモモもウメも同じバラ科の植物ですので、土地に合っているのでしょうか。

さすがにナシは種も小さく、大きくなるには時間がかかるだろうと思っていましたが、これまたウメと同じぐらい大きくなっています(下写真で朱色矢印)。

掘り上げて、比較のため昨春に植え付けたアンズ(ホームセンターで購入した接ぎ木苗)の根本に置いてみます。

ここは自然農で栽培している畑ですので肥料も与えていませんし、周りの雑草もそのままです。
一体全体、この草茫々の畑のどこが良かったのか、このナシやウメに聞いてみたくなります。

さて、来年まで待つと大きくなりすぎてしまいそうなウメ4本とナシ1本を掘り上げ、接ぎ木することにします。

数年前に栽培用に植えたモモ(白桃3本、大玉白鳳1本)とナシ(幸水1本)から接ぎ穂を採取し、ビワと同様に接ぎ木してみます(ウメの台木にモモ。ナシの台木にナシ)。

これでちゃんとできているのかどうかは分かりませんが、接ぎ穂がビワのように太くないためやりやすかったです。

以前苗木を買ったときのビニールポットを残してあったので、それに植え付けて接ぎ木完了。

手前:左からナシ(幸水)、モモ(白桃)、モモ(白桃)、モモ(白桃)
奥:モモ(大玉白鳳)

接ぎ木がうまくいっていればですが、2年後には市販の苗木と同じぐらいにまで成長していることでしょう(市販のものは接ぎ木後1〜2年で出荷されているように思います)。

果樹園の再生(28)接ぎ木:ビワ&ミカン

先般、里山にカシの苗木を植え付けました。

この時期、例年は果樹も植えているのですが、今年は1本も植えていません。
と言うのは、昨年までに各種果樹を22本(下図で28〜49。内1本は枯死)植えて、ほぼ計画分を終えたからです(あとは棚を整備してブドウ)。

果樹については、このほかにも自宅から離れたところにある有休農地等に植えたものもあります。
農地や山を荒廃させるぐらいなら果樹を含む樹木を植えておいたほうが良いだろうと思っており、今後も継続して植樹する予定です。
ただ、果樹の苗木は安価(1本1,000円程度)と言っても、自宅から離れたところの農地等のためにわざわざ買うのは辛いものがあります。
そこで、果樹の苗木も自作しようと3年前から接ぎ木に挑戦しています。
最初の年は全て失敗したものの、2年前に1本成功したことから昨年は一気に数を増やして9本接ぎ木を行いました(全てビワ)。

その後の経過についてはブログ記事にしていませんが、昨年5月下旬には接ぎ穂(品種:田中?)から新芽が出てきました。

新芽が出なかったり、台木自体が枯死したものもあり、結局、成功したのは下写真(現在)の3本だけです。

9本のうち3の本で、成功率は1/3と低いです・・・。

ところで、さすがに接ぎ木の方法はネット上にも少ないようで、当ブログに「接ぎ木」の検索語で訪問いただく方が少なくありません。
そこで、接ぎ木の方法についても情報共有したいと思いつつも、私も完全な自己流ですし、この成功率ではもう少し改善してからのほうが良さそうです(基本は継ぎ穂と台木の形成層どうしをあわせてテープで固定するだけです)。

さて、失敗した6本のうち4本については台木が生きていますので(2本は台木自体が枯死)、それを使って再度接ぎ木します。

昨春は接ぎ木するだけでなく、台木も育てようと里山に自生していたビワの幼木を畑に移植しておきました(下写真で朱色矢印。写真は移植時)。

畑に移植したときは小さかったのですが、1年で接ぎ木できる大きさにまで成長しました(4本のうち2本。1本は枯死)。

これも同様に接ぎ木します。

ビワばかり接ぎ木しているのは、里山で自生していたものを台木として利用できたからです。
他の果樹も継ぎ木したいと思っても台木がなければできません。
そこで、各種果樹の台木も育て始めており、昨春、まだ小さかったもののユズの台木を使ってミカンの接ぎ木を試しに行ってみました(下写真で朱色矢印)。
下写真は昨年5月下旬に撮影したもので、接ぎ穂(品種:デコポン)から新芽が出ています。

そして現在の状態が下写真(朱色矢印)です。

成功したかのように見えますが、実際は接ぎ穂が枯れ落ち、その後、台木から直接出た芽が成長しているのです・・・。

これも再度、新たな接ぎ穂を使って接ぎ木しておきます。

<写真>

私のように知識も技術もない場合、1本だけで成功させようと思っても無理で、「下手な鉄砲も数打てば当たる」の作戦でいかなければいけないようです。