古民家再生」カテゴリーアーカイブ

竹ボイラーの導入(33)煙突トップの抜け出し防止策

台風被害に関するブログ記事が続きましたが、そのついでにもう一つ書いておきたいと思います(9月のことを今更ながらですが・・・)。
9月4日に襲来した台風21号の暴風により、ボイラー(ATOウッドボイラー)の煙突トップ(下写真で朱色丸印)が吹き飛ばされました(下写真は煙突施工時のもので、現在はこれよりも高い位置に煙突トップがあります)。

暴風雨の最中に煙突トップが無い状態になったことから、雨水が煙突を通じてボイラーの炉内に入ってしまったのではないかと心配したものの、台風後に点検したところ炉内は全く乾燥した状態でした。
煙突に入った雨水は途中のT字管で流れ出たのだと思いますが、こうしたこともあることを思えば、煙突の「壁出し」方式も良いものです(「屋根出し」方式であったならば雨水が侵入していたはずです)。

吹き飛ばされた煙突トップは20mほど先に落ちており、無事回収。

煙突トップは陣笠タイプのもので、台風で瞬間的に風が吹き上がれば、その力をまともに受ける形状をしています。
特にボイラーの煙突はシングル管(薪ストーブのように二重管でない)で煙突同士の接合部の抵抗が小さいため、抜け出し防止策を講じておいたほうが良さそうです。

抜け出し防止策としては、接合部にタッピングねじを1箇所ねじ込んでおけば十分でしょう。
煙突の材質はスレンレスのためタッピングねじもステンレス製のものを使うことにし(なべ頭、φ3×8mm)、煙突に下穴をあけます。

煙突同士を接合したうえタッピングねじをねじ込みます。

ちょっとしたことですが、こうしたことが台風などの非常時に威力を発揮していれることでしょう。

ところで、竹ボイラーに関するブログ記事は途中で止まってしまっていますが、実際の作業はその後も進んでおり、昨シーズン中に温水循環による簡易的な暖房(一部給湯)を稼働させ、今秋からは風呂など屋内への給湯も始めています。


(ボイラー周りの配管)

竹ボイラーの続きを書きたいとは思っているのですが、何しろ今頃になって台風被害のことを書いているぐらいです・・・。
そこで、途中の経過を大幅に端折ることになりますが、今回から竹ボイラーに関するブログ記事を再開させることにしました。

その竹ボイラーですが、本体(ATOウッドボイラー)は鉄骨倉庫内に設置してあります。

このため、雨風に直接当たることはないのですが、暴風時には庇の取り付け箇所から雨水や落ち葉などが倉庫内に入ってくるのです(上・下写真で水色矢印)。


(煙突施工時の写真)

もちろん庇に水勾配はついているものの、暴風時には波板の溝部分を逆上るのだと思います。

こうしたことは今に始まったことではありませんが、これまで倉庫は物(ゴミ?)入れと化していたこともあって見て見ぬ振り状態・・・。
しかし、ボイラーを設置して日常的に使うようになると不思議にもヤル気になるものです。
台風24号(9月30日)を前に、波板の溝部分に新聞紙を詰め(下写真で朱色矢印)、どうなるか試してみることにします。

そして、台風後に確認すると雨が入り込んだ形跡は見当たりません。
やはり庇の波板から浸入してきていたのです。
効果が確認できたことから、新聞紙ではなく、ちゃんとした形で波板の溝部分を埋めることにします。
波板はスレート製(一部はポリカ製)のため、モルタルや漆喰を使って溝を埋められそうです。
しかし、波板だけあって、やたら溝が多くて手間が掛かります。
こうした箇所のことを面戸(めんど)と呼びますが、まさに面倒です・・・。

なにか良い方法はないものかとネットで調べると、ケミカル面戸なるものを見つけました。

材質は発泡ポリエチレン(ケミカル)で、取り付けも容易そうです。

特殊なものかと思ったのですが、近くのホームセンターに行ってみると普通に販売されています。
波板の種類(スレート小波)に合ったもの(長さ666mm、1枚100円程度)を必要枚数(13枚)購入。

波板上に溜まりに溜まったゴミを取り除いたうえ、ケミカル面戸を設置します。

材質が発泡ポリエチレンで適度に伸縮するため、うまい具合に設置することができます。
これで雨水や落ち葉の浸入も減ることでしょう。

台風による瓦の飛散と補修

今年9月は非常に強い台風が2回(21号、24号)も襲来しました。
そのうち台風21号(9月4日)では畑に隣接する大木の枝が折れ、その対応に追われました。

ヤレヤレと思っていたのも束の間、30日夜には台風24号が直撃。
21号ほどの強さではなかったものの、翌朝になって敷地内を点検したところ、離れと里山との間で瓦が落ちているのを発見!
その瓦の種類は冠(かんむり)瓦と呼ばれるものです。


(写真は主屋のもの)

それほど古い瓦ではないため、離れ(15年程前に新築)の屋根瓦が台風で吹き飛ばされたのではないかと見上げてみるも特に異常はありません。
しかし、違う場所から改めて見ると、棟が鬼瓦と接する辺りに違和感があります。

屋根に登って直接、確認したいところですが、離れは2階建てで屋根が高いため安易には登れません。

ところで、ここの屋根は雨樋が詰まりやすく、昔(昭和30年代)、それが原因で山の斜面が崩落したことがあります(先般、雨樋掃除器なるものを自作し、ようやく雨樋掃除の目処がたったところです)。
ここは我が家の南西角で裏鬼門に当たるのですが、屋根のトラブルが続くわ、その先の山には大量の不法投棄ゴミがあるわで、本当に我が家の鬼門と言った感じです。

それはさておき、応急処置だけでもしておかないと雨漏りしかねませんので、意を決して二連梯子を掛けて屋根に登ることに(要安全対策:二連梯子の上下を固定、ヘルメット・安全帯の着用)。

棟のところまで登れば、足元が安定して一息つけます。

主屋(古民家)の屋根が見えますが、主屋は二階でも厨子二階のため、こちら(本二階)に比べると低いです。
主屋の屋根は薪ストーブの煙突掃除などで登っても、それほど怖いとは感じないのですが、こちらは足がすくむ高さです。

肝心の冠瓦ですが、やはり無くなっており、下の葺き土が剥き出しになっています。

また、冠瓦を固定してあった漆喰も剥がれ、破片が付近に落ちています。

とりあえずは葺き土が濡れないよう、応急処置として冠瓦(落下したもの)を被せておきます。

この状態を見ると、上写真で手前側の冠瓦は銅線で固定されているのに対し、落下した冠瓦だけは固定されていないことが分かります。
冠瓦は漆喰でも固定されるため、銅線まで掛ける必要はないと言う考えだったのでしょう。

仮に銅線で固定されていたならば、今回の台風でも落下は防げたかもしれませんし、ちょうど手元に銅線がありますので、それを使って固定しておきます(下図で朱色線)。

ひとまず、これで応急処置はできましたが、今後の本修復をどうするか?
素人考えでは、鬼瓦と冠瓦との隙間に改めて漆喰を塗り込めば、①両者の固定と②隙間の防水充てんができるように思います。
しかし、屋根工事は高所で危険なことに加え、誤った施工により逆に雨漏りを誘発してしまうおそれがあるため、安易なDIY施工は禁物です(主屋の改修工事の際に瓦屋さんが言ってみえましたが、DIY施工で桟瓦を棟方向にシーリングするなどして雨水の流れを阻害していることがよくあるとのこと)。
瓦屋さんに頼めば、この程度の漆喰であれば訳ないことでしょうし、屋根に登ったついでに他も点検してもらう良い機会になります。

と思いつつも、応急処置を行って現状もある程度把握できたことで、このまま最後まで修復してみたい気持ちに・・・。
と言うことで、ここからは何の知識も技術もない素人が無謀にも行うことですので決して真似されませんように。

作業は、漆喰を載せたコテ板を片手に持ち、もう一方の手でコテを扱うことになります。
屋根上で安全に作業できる方法を考えていると、そう言えば主屋(古民家)の改修工事では漆喰ではなくシーリング材を使ってみえたことを思い出しました(全てではなく場所によっては漆喰が使われています)。

シーリング材であれば扱うのが容易ですし、施工もコーキングガンを使えるためコテ&コテ板に比べて安全にできそうです。

そんなことで瓦用のシーリング材を調達。

系列の異なるホームセンターで、メーカーの異なる瓦用シーリング材を購入しました。
両者とも同じようなものだと思うのですが、セメダインのものには「接着」に加え「防水充てん」の記載があるのに対し、どういう訳かボンドのものには記載がありません。
今回は防水充てんの目的もありますので、念のためセメダインのものを使うことにします。

コーキングガンに装着したシーリング材を持って屋根に登り、鬼瓦と冠瓦との隙間に充填します(仕上げに15mm幅のヘラを使用)。

シーリング材も最初は何と扱いにくいものだと感じたものですが、コテと同じように慣れるに従って私のような素人でもそれなりに綺麗に仕上げられるものです。

これで台風被害にあったところは補修できましたが、シーリング材(330ml入り)は1/3も使っていないような感じです。
使い切りのもので保管は効かないでしょうから、この機会に反対(北側)の鬼瓦のところもシーリング材でやり直しておくことにします。

反対の鬼瓦のところに移動して状態を確認。

漆喰は剥がれていませんが、表面に苔やクラックが生じ始めています。
建築後15年ほどが経ちますが、これぐらいでやり直すのが良いのかもしれません(ノシ瓦の下の漆喰はしっかりしていました)。

漆喰を剥がし、瓦表面のゴミや汚れを取り除きます。

シーリング材を充填。

これで今後15年程度は大丈夫でしょうか。

無事、屋根瓦の補修が完了。
とは言え、素人施工です。
屋根は本当に重要なところですので、また何か瓦屋さんに頼むときにでも、ここも見てもらうことにしたいと思っています。