カテゴリー別アーカイブ: 主屋再生

古民家の自然換気(6)土壁の撤去

換気及び採光を図るべく開口部(下図で朱色囲み)の造作を行うこととし、前回、厨子二階の床板を撤去しました。

(厨子二階の平面図)

上写真で梁の下に見えているものは、15年程前に行ったリフォームで設けた吊り天井の下地です。

この吊り天井は一般的な石膏ボード+クロスで仕上げられているため、1F側(下写真左側)は洋風?な感じになっています。

洋風?な感じになっているのは上写真で「台所」と示す範囲だけで、「居間」側については昔のまま(和風)です(写真では天井板が一時撤去されています)。
この台所と居間は別々の部屋だったのですが、一昨年の改修工事において床高さを合わせたことで、ひとつの部屋(LD)になりました。
その結果、ひと部屋の真ん中を境に洋風と和風とに分断された状態になっています。

元々、台所と居間は連続していたと思われ、両者の天井の形式も大和天井で統一されています(1枚目写真参照)。
このため、この機会に元の天井に戻すなどして統一させることにします。
15年前のリフォームで設けた吊り天井などを早くも撤去することになり勿体ないですが、クロスも黄ばんできていることですし良い機会と思うことにしましょう。

まずは台所と居間を区切っている垂れ壁や戸あたり(上写真)を解体・撤去します。

垂れ壁(石膏ボード)を解体する際、粉塵が酷くて苦戦するも撤去完了(適当な写真を撮っていませんでした)。

垂れ壁の跡が丸太梁に残っていますので、その箇所を古色塗り(柿渋や弁柄を使用)します。

この丸太梁の上部(大和天井の梁との間)には土壁(下写真で朱色点線)があります。

上写真で奥の丸太梁にも同様の土壁(青色点線)があったのですが、15年前のリフォームで丸太梁を「現し」にするため撤去しています。
40年程前はこのような梁には合板を貼って隠すのが流行ったようですが、今時は土壁を取って「現し」にするのが流行っているわけです。
壁を塗り替えるだけでも綺麗になりますし、様々な面で良いと思うのですが、いろいろせずにはいられないのが人間のサガなのでしょうね。
こんなことを書きながらも、奥の丸太梁と統一させるため、手前の丸太梁の土壁(朱色点線)も解体・撤去することにします(奥の土壁を作り直すよりは容易です)。

土壁の解体は土埃が舞うなどして大変です。
ちょうど土壁の下方に吊り天井があるため、吊り天井側に解体した壁土を落とすようにします。

一階の部屋側に壁土が落ちないようにマスカーテープで養生しておきます。

小さい壁ですが、丁寧にエツリ(小舞掻き)が施されています。

撤去完了。
梁に付着している壁土などの汚れを真鍮ブラシを使って落とします。

壁土が接していたところは表面がザラついた感じになっていますので、柿渋を塗布しておきます(こうすると荒れた肌にクリームを塗ったような感じに落ち着きます)。

土壁があったところには、とりあえず(吊り天井を撤去し、新たな天井を設置するまでの間)断熱材を入れて塞いでおきます。

垂れ壁や戸あたりなどがなくなったことでスッキリしました。
また、途中で分断されていた3枚組みの格子戸も一連になりました。

<ビフォー>

<アフター>

<続きます>

古民家の自然換気(7)吊り天井の撤去

前回、台所側と居間側を分断していた垂れ壁などを撤去したことで、幾分スッキリした感じになりました。

<ビフォー>

<アフター>

ところで、上写真の点線で示すように大黒柱と副大黒とを差し鴨居が結んでいるのだと思いますが、以前のリフォームにより差し鴨居の半分程度が隠れた状態になっています(昭和40年代から隠れた状態にあります)。
これらに格子戸の下にある差し大引(敷居)を加えた四部材が、我が家のカナメとも言える部分ですので、全体が見えるようにしたいものです。
ただ、隠れている部分はひょっとすると過去のリフォーム等において無残な姿になっている可能性も無きにしもあらず。

いずれにせよ剥がさないことには分かりませんので、吊り天井(石膏ボード+クロス)とともに撤去します。
相変わらず石膏ボードの粉塵にはうんざり・・・。
とりあえず石膏ボードを撤去したことで、隠れていた差し鴨居などが現れました。

差し鴨居は少し傷があるものの、古色塗りで目立たなくなるレベルのようです。
ただ、上貼りにより通気がなかったため虫にとっては居心地が良かったようで、他の部分に比べてキクイムシによる被害(穿孔)が多くあります。

続いて、野縁等の下地材も撤去します。

吊り天井が無くなった状態で見上げると下写真のとおりです。

ダイナミックな感じや開放感があって、これはこれで良いものです。
大屋根まで吹き抜けにしている古民家再生の事例を見かけますが、確かにそうしたくなります。
ただ、夏は良いとしても(特別な対策をしない場合)冬が辛そうですので、我が家の場合は採光用の窓を設け、天井裏の一部を見える程度にするつもりです。

ところで、解体撤去に伴い、僅かな面積にも関わらず大量の廃材が発生しました。
木材は釘を抜いて再利用(野縁材)したり、薪ストーブの焚き付け(胴縁材)として使えますが、石膏ボードについては専門業者に処分を依頼せざるを得ません。

石膏ボードは非常に安価(坪700円程度)ですが、買うよりも処分費のほうが高いという厄介な代物です。
処分費は上がる一方かと思いますので、処分費を含めたトータルコストや環境負荷を考慮し木材を採用するということが今後はあり得るのかもしれませんね。

<続きます>

古民家の自然換気(8)土壁の補修(荒壁)

前回、吊り天井などを撤去しました。

その結果、これまで隠れていた差し鴨居や土壁が現れました。

隠れていた箇所(上写真で左側)の土壁は漆喰仕上げであることが分かりました(上写真は漆喰を剥がした後)。
右側の土壁も元々は漆喰仕上げだったのだと思いますが、その後の塗り替えにより現在は砂壁仕上げになっています。
このように左右で異なっていますが、一連の壁ですので仕上げも統一させるつもりです。
この部屋には薪ストーブがあるのですが、その薪ストーブ導入の際に背後の壁を漆喰仕上げとしたことから、この壁も漆喰仕上げにする予定です。

また、上写真で朱色丸印の箇所は、15年前のリフォームにおいてコンセント等を設置するため壁土が削り取られています。
傷は荒壁まで達していますので、荒壁、中塗りの順で補修することにします(この程度であれば中塗りの一発で補修できるのかも)。
これらの補修が終わった後、全面を漆喰で上塗りすることになります。

補修箇所は下写真の計3箇所です(3箇所目は小壁が接続していたところ)。

壁土は一昨年の改修工事で発生したものを再利用します。

既存の土壁に水打ちした後、中塗り鏝を使って塗りつけます。

泥遊びのようで楽しい作業です(^_^)

中塗りで既存壁の面(ツラ)に合わせますので、2〜3分程度(中塗り厚)控えています。

中塗り部分の補修は、今回補修した荒壁部分が完全に乾燥してから行う予定です。

ついでに右側部分の上塗り(砂壁)も剥がしておきます。
壁に水打ちしても剥がせますが、水が滴り落ちて厄介なので下写真の剥離材を用います(以前参加した壁塗りワークショップで教えてもらいました)。

上塗りするように剥離材を塗りつけます。

数分待って、ヘラなどでこそぎ落とします。

砂壁をこそぎ落として現れたのは中塗りではなく、クリーム色をした下塗り材です。

下塗り材も同様にこそぎ落として、中塗りが現れました。

<続きます>

古民家の自然換気(9)天井板張り

前回、土壁を補修(荒壁部分)しました。

この後の中塗り・上塗りは荒壁部分が完全に乾いてからになりますので、先に天井板を張ることにします。

先般、吊り天井を撤去していますので、現在、下写真のとおり天井がない状態になっています(これはこれで良いかも)。

今回、施工するのは上写真で朱色点線の範囲(台所側)になります。
隣接する緑色点線の範囲(居間側)と同じ天井(大和天井)に統一する考えです。

天井の構成(断面)は下図のとおりです。

元々は厚1寸弱の松材を張っただけのシンプルなものだったのですが、冬季、暖気が天井裏に逃げてしまうため、建築士さんの助言をもとにサンドイッチ状に断熱材を入れることを考えました(もちろん高気密住宅のような断熱ではなく、とりあえず隙間を塞ぐと言ったユルイ考えです)。
天井板(上図で朱色)は一昨年の改修工事で余ったシブキ板(外壁用の羽目板、4分厚)の流用です。
そのシブキ板は既に使い切っているのですが、途中で板の種類が変わると見た目に影響しますので、2年前に予定分をまとめて入手してあります(その後、倉庫に積んだままで、虫が入る前に早く施工せねばと思っていたのです・・・)。

今回、天井板を張るのは下図の朱色着色範囲で、面積は2坪(4畳)です。

上図で左下の箇所には厨子二階へ出入りするための開口部を設けることにしています(右側の大きい開口部は採光及び換気用)。

では、施工します。
まずは材料の加工から。
天井板に用いる羽目板は4分幅のアイジャクリ加工が施されていますが、この片側の溝を溝切りカッターで広げ、2分幅の目透かしを入れます(1枚目の図を参照。特に意味はなく、遊びです・・・)。

次に柿渋を塗布します。

白木のままでは黒色の梁との違和感が大きいですが、柿渋を塗布しておくと数ヶ月でかなり発色し周囲と馴染んできます。

天井板を張っていきます。

追っかけて根太を打ち、施工した箇所に乗って作業しています。
こうした作業は(石膏ボードの撤去などに比べ)やる気になりますね。

下から見上げた状態です。

断熱材が足りませんでしたが、とりあえずは全ての天井板を張れました。

今後、根太に対して床板を張る予定です(上写真で手前側と同様)。

下写真で梯子が掛けてある開口部から厨子二階へ出入りすることになります。

台所側と居間側で天井が統一されました。

<施工後>

ただ、天井を張ったことにより、大黒柱が棟まで伸びいる様子が見えなくなったのが残念です。

<施工前>

<続きます>

古民家の自然換気(10)床板張り

前回、天井板を張りました。

厨子二階(天井裏)側は下写真のとおり断熱材を入れるところまで終わっています。

厨子二階は居室として使う予定はなく、電気ケーブルや煙突などの管理用として使うだけです。
このため、この状態でも用を果たさないことはないのですが、今後の作業をしやすくするためにも床板(下図で水色着色箇所)を張ることにします。

床板は最低限のもので十分で、このような場合には合板を張ることが多いかと思いますが、合板はできれば避けたいという思いがあります。
無垢材でも野地板であれば合板並みの価格(HCで坪1,700円弱)で購入することができますので、手間はかかりますが野地板を使うことにします。
野地板なら、将来、石油やガスも買えぬほど困窮したとき、1枚ずつ剥がして煮炊きに使えますからね(^_^;

荒材の野地板をそのまま使うのはさすがに厳しいものがありますので、プレーナーとアイジャクリの加工を施すことにします。
まずはプレーナー(自動カンナ盤)に掛けます。

次に溝切りカッターで2.5分(7.5mm)幅の溝を設けます。

材料が準備できましたので、玄翁と釘(38mm)を使ってトントンと張っていきます。

根太の向きが東西方向ですので、床板の向きは根太に直交、すなわち南北方向になっています。
実はこの南側に材木の末(樹木の上方)がくるようにしているのです(このような板材で末や元も言うことはないと思いますが)。
以前、大工さんに教えてもらったのですが、木材はそれが成長してきたように配置しているとのことで、確かに梁などを見ると南側(太陽の南中)に末がきています。

さて、下写真で梯子を掛けてある開口部は厨子二階への出入り口として使い、通常(特に冬季)は閉めておきます(扉を設けるつもりです)。

厨子二階へ上がるのは私だけですが、この状態では転落等の不安を感じますので、開口部の周囲に簡易な枠を設けることにします(いずれはちゃんとした柵を設けたいと思っています)。

垂木材(1.5寸×1.8寸)から木取りします。

枠には断熱材を嵌められるように溝(3分×3分)を設けています。

開口部に取り付けます。

溝のところに断熱材が嵌ります(梯子がない状態ではピッタリ収まるはず?)。

<続きます>

古民家の自然換気(11)古色塗り

前回、厨子二階の床板を張りました。

一方、中断状態になっている土壁の補修箇所については、先般施工の荒壁部分が完全に乾きました。

<施工直後>

<現在:上写真から約1.5ヶ月経過>

荒壁部分が乾いたことから、続いて中塗り部分の補修を行うことにします。
中塗りの材料は、中塗り土、左官用砂、藁スサです。
そのうち中塗り土と左官用砂は地元の建材屋さんで購入したものを使います。

下写真で右の袋入りのものが中塗り土で、1袋(20kg)400円。
この一袋で相当な面積を塗れることを考えると、他の塗り材に比べ本当に安価です。

土と砂の配合割合は1:3としています。
この配合は当地で標準的なもの(左官屋さんに教えてもらいました)ですが、全国の標準的な配合に比べると砂の割合が相当大きい(貧配合)です。
「郷に入っては郷に従え」とは言え、砂が多い分塗りづらく、私のような素人にとってはハードルが上がります・・・。

あと必要になるのが藁スサです。
一昨年の改築工事において中塗りをDIY施工したときは左官屋さんに頒けていただいたものを使ったため、手元にありません。
もちろん、建材屋さんで買えるのですが、稲作地帯に住んでいて、しかも先祖代々百姓の家系の自分にとって藁まで買うようになるのはやるせないものがあります。
そんなことで、お正月に門松を作った際に余った藁コモ(HCで購入したものですが・・・)を使って藁スサを作ることにします。

剪定鋏で5分(15mm)程度の長さに切って、揉みほぐしたところ、左官屋さんのものと同じような感じに。

今回は塗る面積が僅かですので、使うのは上写真の一部です。

水を加えて練れば材料の準備完了。

鏝を使って、周囲(漆喰を落とし中塗りの状態)と面(つら)を合わせるように塗りつけます(下写真は約1週間後に撮影したもの)。

これで仕上げの漆喰を塗れる状態になりましたが、仕上げ塗りは他の作業が全て終わってからにします(他の作業により白壁を汚す可能性があるため)。

ところで、これまでは上貼りにより隠れていた差し鴨居ですが、下写真のとおり部分的に傷があります。

また、土壁を撤去したところや碍子(昔の電気配線)の跡などが黒く煤けておらず、周囲との差異が生じています。

更には長年の間に積もり積もった汚れもあります(吊り天井がある段階でワイヤーブラシである程度、汚れを落としてあります)。

そこで、次のとおりクリーニングすることにします。

  1. 全体を水拭きして掃除
  2. 黒く煤けていないところを古色塗り
  3. 全体を亜麻仁油で磨く

古色塗りは、柿渋に顔料(黒・朱色)を加えたものを塗布することになりますが、この黒色の顔料として、薪ストーブの煙突掃除の際に取っておいた自家製松煙!?を使ってみることにします。

柿渋で溶くと墨汁のような黒さになり、なかなか良い感じです。

しかし、試し塗りすると色が薄く、何回も重ね塗りしないと十分な色になりません。
結局は市販のものも混ぜて色を作ることに。
また、塗布する箇所は元々、カマドに近いところで黒色の度合いが強いため、顔料の配合は黒をほとんどとし、朱(弁柄)は気持ち程度にしています。

最後に亜麻仁油で磨いて完了。

差し鴨居の傷も目立たなくなりました。

<続きます>

古民家の自然換気(12)シーリングライトのペンダント化

前回、土壁の補修(中塗り部分)を行うとともに、煤などで汚れていた梁をクリーニングしました。

ところで、天井の張り替えに伴い既存の照明器具を取り外しました。
そして現在は、違う部屋のペンダントライトをとりあえず取り付けてある状態です。

シンプルなペンダントライト(天井から吊り下げるタイプの照明器具)ですが、古民家の太い梁に対して貧弱な感じで釣り合いが取れていないような・・・。

天井を張り替える前、ここには下写真のとおりシーリングライト(天井に直付けするタイプの照明器具)が設置されていました。

このシーリングライトを再設置すれば良いのですが、天井の張り替えにより天井高が高くなったことから、そのままではシーリングライトより下に位置する梁が影を作ってしまうのです。
ペンダントライトに買い替える手もありますが、このシーリングライトはまだまだ使えるため(それでも15年以上)勿体無いです。
そこで、このシーリングライトを古民家風のペンダントライトに改造することにします。

円筒形のプラスティックカバーの代わりに、障子の桟のようなもので直方体の箱を作り、それに障子を貼ってカバーにすれば古民家にも合いそうです。
とは言え、以前に障子もどきのもの(天井トップライト)を作った経験から結構な手間がかかりそうです。
そこで、カバーは追い追い作ることにして、ペンダント化を先行して行うことにします。

ペンダント化した照明器具は大和天井の梁から吊り下げます。
既存のシーリングライトは天板が薄いプレートでできており、このプレートを直接吊るのは強度的に無理そうです。
このため、プレートを板材(下図で茶色着色、杉20mm厚)で補強し、この板を吊り上げることにします。

板材の寸法は、将来、古民家風のカバーを作った際に取り付けやすように少し大きくしてあります。

また、既存のシーリングライトはVVFケーブルを直結するようになっているため、引掛シーリングで接続することができるように改造することにします(もちろんメーカーの保証対象外になります)。
必要になる電材をホームセンターで購入。

  • 引掛シーリング(ボディ)
  • 丸打ちコード(0.75)
  • 圧着端子(R1.25、TC1.25)

電工ペンチや木綿糸を使って組み上げます(漏電や感電の恐れがありますので安易な施工は禁物です)。

板材に照明器具を取り付け、先ほど作成した電源コードを繋げます。

カバーはまだ作っていませんので、とりあえずは元々のプラスティックカバーを取り付けておくことにします。

ヒートンとチェーンを使って天井の梁から吊り下げて、とりあえず完成です。

照明器具の位置(高さ)は丸太梁(上写真で照明器具の右側)と同程度になるようにしています。

<続きます>