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古民家の自然換気(49)トイレに換気扇を設置②

前回、トイレに換気扇を取り付け、その電源をとるための配線方法を検討しました。

<現状>

<変更後>

新たにジョイントボックス(上図で朱色丸印)を設けることになりますが、その場所は先に換気扇を設置した天井裏(トイレの上)とします。

上写真のとおりトイレに隣接する壁に分電盤があるため多くの電気ケーブルが輻輳しています。
これらを将来的にスッキリ整理したいと言う考えがあるのと、分電盤周りの管理を行いやすいよう、上写真で朱色線で囲う範囲に床板を張ることにします(天井の下地材を根太代わりにしますが、幅3尺のため大人1人ぐらいは載っても大丈夫なはずです)。
また、床板を張ることで天井板との間で空気層が生じ、ある程度の断熱効果が期待できるため断熱材(グラスウール:個人的にできる限り使いたくないと感じています)を用いなくてもすみます(直接外気に接しているわけでもなく、古民家にはこの程度の断熱で十分でしょう)。

床板には乾燥した野地板の在庫がありますので、プレーナー&相じゃくり加工を行ったうえ張っていきます。

野地板は乾燥の過程で反らないように保管してあったのですが、長さ方向に反ってしまったものがあり(芯に近いものほど反る傾向)、上写真のとおり自動車のジャッキを使って修正しています。

写真は撮り忘れましたが、床板を張り終えたため電気の配線を行っていきます(床があると本当に作業がしやすいです)。
まずは、既存のスイッチ(ボックス)までVVFケーブル(1.6×3C)を通すため、一旦スイッチを取り外します(これ以降の作業には電気工事士の資格が必要になります)。

壁内にスイッチボックスがあるものと思っていましたが、ありません・・・。

スイッチボックスの代わりに下写真の「挟み金具」と呼ばれるものを用いて簡易的にスイッチ(の取付板)が取り付けられていました。

壁材が石膏ボードや合板の場合、挟み金具で取り付けができるものの、この機会にスイッチボックス(下写真で灰色の箱状のもの)を設置しておくことにします(結線箇所はボックス内に収めるほうが安全です)。

スイッチボックスは後付け設置が容易な未来工業のパネルボックスを使っています(一般的なスイッチボックスより若干高価で200円弱/個)。

天井裏から通したVVFケーブル(1.6×3C)を引き出してスイッチと結線。

スイッチは既設のものを流用して照明用と換気扇用を別々に2個つければ良いのですが、高齢の母でも操作に迷わないように照明と換気扇が連動するものを購入しました(スイッチONで照明と換気扇が連動し、スイッチOFFで換気扇だけが遅れて自動停止:パナソニック WTC5383W)。

スイッチも押しやすいようにハンドルが大きいもの(パナソニック コスモシリーズ)です(上写真では、まだハンドルやカバーを取り付けていません)。
普通のスイッチは1個200円弱と安価なのですが、これはスイッチだけで4,000円もします・・・。

新たに設けるジョイントボックスの位置の関係からコンセント用のVVFケーブル(1.6×2C)も新しいものに入れ替えます。

トイレが狭く、コンセントが便器に近接しているため作業がしにくいです(掃除もしにくいため壁が汚れています・・・)。
さらに、既設のコンセントを取り外す際、ネジや取付枠が錆びていて取り外すのに苦戦しました。

設置後20年程度にも関わらず錆びてしまっているのは、タンク上部で手洗いした時の水がかかったのだと思います。
コンセント本体にも影響が生じているかもしれませんので、この機会に新しいものに取り替えておくことにします。
ちなみに、これらの電材メーカー(パナソニック)によると「約10年が取り替えの目安」とのこと。
10年で取り替えと言うのは幾ら何でも短いと思いますが、その倍の20年程度で取り替えるのが安全なのかもしれません。
そして、40年(=20年+20年)で配線を含めて全て更新すると言った感じになるのでしょうか(現代住宅の場合、家ごと更新!?)。

コンセント及びアース端子をVVFケーブルと結線。

ちなみに、コンセントの取付枠が従来の金属製からプラスチック製(絶縁)に変更されています(コスモシリーズのコンセント用のみ)。

取り換え完了。

コンセントが新しくなったことで、少し清潔感が出たような!?

①コンセント(1.6×2C)、②スイッチ(1.6×3C)、③照明(1.6×2C)、④換気扇(1.6×2C)、⑤電源(2.0×2C)からのVVFケーブルを新たに設けるジョイントボックスの箇所まで敷設し、複線図のとおり結線します(クイックロックを使用)。

今は、どのケーブルがどこへ繋がっているのか百も承知ですが、将来点検する際に分かりやすいように行き先を書いたラベル(白色のビニールテープ)をVVFケーブルに貼っておきます。

このジョイントボックスから既設のジョイントボックスまでVVFケーブル(2.0×2C)を敷設して接続することになりますが、既設ジョイントボックスにおいても配線の一部が変更になるため、それを先に済ませておきます。

勝手口の照明用スイッチへ繋がるVVFケーブルを3心から2心のものに取り替え、スイッチボックスから引き出します(こちらは元からスイッチボックスが入っていました)。

メーカーが10年での取り替えを勧めていますので、今回スイッチを取り外した機会に、こちらも操作しやすいワイドハンドルタイプ(パナソニック コスモシリーズ)のものに取り替えておくことにします。

スイッチはややこしいことに様々な種類のもの(片切・三路・四路・ほたる・パイロット等々)があり、必要なものを買ってきて組み合わせます(ホームセンターで購入可)。

電化生活の時代にあって便利になるよう、あちこちにスイッチをつけたり、凝ったことをしたくなりますが、管理に係る手間や費用(上写真のスイッチ1箇所だけでも材料費3,000円程度。これが10年に1回発生)を考えるとシンプルにしておくのが一番なのかもしれません。

複線図を確認して間違えないように結線。

取り替え完了。

最近は、このワイドハンドルタイプのスイッチ(パナソニック コスモシリーズ)が主流になっているようですが、これを一度目にすると以前のもの(下写真。パナソニック フルカラーシリーズ)が古臭く感じられます。
パナソニック製品の品質の良さは言うまでもありませんが、さすが大阪の会社だけあって商売も上手なようです。

そして、既設のジョイントボックスで接続します。

間違って結線していないことを改めて確認したうえでブレーカーをON。

本題のトイレの換気扇もスイッチを入れると問題なく動作します!

換気扇が問題なく動作したことも嬉しいですが、それ以上に嬉しいのが天井裏を整理するキッカケができたことです。

<Before>

<After>

いずれは、分電盤へ輻輳している電気ケーブルを今回張った床板上に敷設し直して(上写真で朱色線)スッキリさせたいと思っています。

古民家の自然換気(48)トイレに換気扇を設置①

前回、ファンヒーターの電源をとるためコンセントを増設しました。

また、コンセントを増設したついでに、仮設状態だった電気ケーブル(厨子二階:屋根裏に配線)を本設しました。

配線がキチンとするとスッキリして良いものです。
電気配線がある厨子二階(屋根裏)は壁や柱の煤汚れで見た目は悪いものの、自然光が射し込むとともに自然換気により空気が循環して気持ち良い空間になっています(生活空間ではありませんが)。

上写真で奥にある壁の向こう側にも建物(下屋)が続いているのですが、実は上写真の箇所とは対照的な状態なのです・・・(下写真が壁向こうの天井裏の状態)。

ここは20年程前にリフォームしたところ(主に水廻り部分)なのですが、そのときは屋根を直さないまま行ったため、その後に屋根(当時は土葺き)から落ちてきた土や粉塵、そしてネズミの仕業(断熱材のグラスウールを寝床にしていた!?)で無茶苦茶な状態になっています(工事は屋根や床下から始めて最後に内部の造作を行うべきだと今更ながら痛感します)。
造作の方法は現代住宅と同じで、居室側の壁や天井にはビニール製のクロスが一面に貼られていることから居室と屋根裏との間で空気の循環は一切なく、空気が淀んで雰囲気も悪い状態です。
このため、いつかは換気を図るとともに下写真のように複雑な電気配線をシンプルに整理したいと考えています。

ところで、上写真はトイレの天井裏にあたりますが、トイレも全面クロス貼りのためトイレ使用後の匂いが長く残ると家族の不満箇所になっています(自然排気の換気口はあります)。
強制排気する換気扇を付ければよいのですが、そのような対症療法に頼る前に根本な解決法として食事や生活を見直す契機になるのではないかと換気扇の設置には気が進まずにいました。
そのように思っていたのですが、トイレの換気扇を天井に設置して天井裏に排気するようにすれば(通常は屋外に排気)、居室と屋根裏との間で空気の循環が生まれるのではないかと気づきました。

と言うことで、トイレに換気扇を設置することにします。
換気扇は先述のとおり天井に取り付けますが、天井裏には断熱材のグラスウールが敷かれていて足の踏場がない状態です。
このため一旦、グラスウールを撤去して作業場所を確保します(この機会に集塵機で土や粉塵を吸い取って掃除しておきます)。

上写真で朱色矢印で示すVVFケーブルの先にトイレの照明器具が取り付けられています。
屋根裏側は野縁や胴縁材を使って照明器具や天井板(石膏ボード)を支持するため下地が組まれていますので、換気扇(上写真で黒色のもの:φ75mmパイプファン)の取り付けもそれらを利用すれば良さそうです。

換気扇の設置場所は下地がある箇所で、かつ照明器具よりドア側(上写真で手前側。奥側に自然排気の換気口あり)にします。

その位置に所定の寸法で開口を設けます(ボード用鋸を使用)。

天井裏から作業できるため、粉塵にまみれずに済み助かります。

居室側も切断箇所を囲うようにビニール袋をつけておきましたの掃除もせずに済みます。

換気扇を取り付ける前に、本体に電源をとるためのVVFケーブル(1.6×2C)を接続して天井裏に逃しておきます。

居室側から天井裏の下地(一部追加)に対してビス留めして取り付けます。

換気扇の電源は、天井裏で既設のVVFケーブルから分岐してとります。
換気扇のON・OFFを操作するスイッチについては、壁に照明用のスイッチ(ボックス)がありますので、そこに増設すれば良さそうです。

このスイッチの負荷(照明)からVVFケーブルを辿ると、天井裏にある下写真のジョイントボックス部に行き着きます。

そして、このジョイントボックスから先ほどのスイッチがある壁の中にVVFケーブル(1.6×3C)が降りていっていますが、不思議なのはスイッチが照明用1個にも関わらず3芯のVVFケーブル(1.6×3C)が使われている点です(通常なら2芯のものを使用)。
上写真をよく見ると、このVVFケーブルの表面に「I、Ⅱ」と記載され、ジョイントボックスを挟んで反対側にそれぞれ「Ⅰ」と記載されたVVFケーブル(何らかの負荷へ)と「Ⅱ」と記載されたもの(照明へ)があります。
どうやら、この配線でもうひとつ何らかの負荷の点滅を操作しているようです。
同じ壁でトイレの反対側に別系統(ブレーカーが別)のスイッチボックスがあり、それが怪しそうなので壁から外してみます(ホタルランプが点灯しているようにみえますが光の加減です^_^;)。

そうすると普通はスイッチボックス内では見かけないクイックロック(上写真で朱色丸印)が出てくるではありませんか!
この配線を調べてみると、先ほどの3芯のVVFケーブル(の内2芯分)が勝手口(照明)用のスイッチに繋がっており、残りの1芯分を別のVVFケーブルでトイレ側に送っているようです。
こうすると材料のコストを縮減できるのでしょうが、私のような素人(ペーパー電気工事士)は頭の中が混乱してしまいます・・・。

頭が混乱した状態で下手に換気扇用の配線を追加すればショートさせかねませんので、ここは一旦、複線図を描いて頭の中を整理することにします。

複線図は、実際の電線(心線)とその結線を表したものです。
初めて見ると訳がわからないように感じますが、基本的には電源に対して各負荷(照明等)を並列に接続してあるだけです(壁スイッチは非接地側の電線の途中に入れる)。
先に壁内からクイックロックが出てきて混乱してしまったところも上図のとおり書いてみると頭の中が整理されてスッキリします。
ただ、ここへさらに換気扇を追加すると電線が増え過ぎて私には手に負えなくなりそうです。

そこで、ジョイントボックス(下図で朱色丸印)を1箇所増やし、そこにトイレ関係のもの(コンセント、照明、換気扇及びスイッチ)をまとめることにします。

こうすると壁内でクイックロックを使うと言ったこともしなくて済みまし(心線1本分、不経済にはなります)、何よりジョイントボックスごとの構成がシンプルに分かりやすくなって良いと思います。