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倉庫の整理(9)電気引き込み①主屋・倉庫間の配線

前回までに主屋(古民家)のスイッチ、コンセント及び照明器具を更新しました。

スイッチ&コンセント
照明器具

これらを更新した目的のひとつは、古い器具を今後予定する倉庫の電気工事で再利用するためです。
電気工事は、主屋(の分電盤)から倉庫へケーブル(専用線)を引き込むとともに、倉庫内にコンセントや照明器具を設置する予定です。

倉庫は主屋に隣接して建っていますので、比較的に容易に電気を引き込めます。

主屋と倉庫との間は既に井戸水の配管(水、湯、温水循環の4本)が連絡していますが、それらは土中埋設により配管してあります。
一方、今回の電気については施工面や安全面から上写真のとおり架空配線することにします。

実は、既に主屋の分電盤から専用線で倉庫の手前まで配線されています。

不思議なことに、ケーブルを納めている塩ビ管(VE管)は倉庫の中までいっているにも関わらず、ケーブルは手前のコンセントのところで止まっています。
コンセントがこのような高い場所にあるのも不思議ですし、しかも、このコンセントは屋内仕様のもの(防雨型でない)です。

おそらく、これを施工した電気工事屋さんは倉庫内まで配線したかったのでしょうが、以前は倉庫内にモノが溢れていたため、とても工事できる状況でなく、仕方なく手前で止めることにして本来倉庫内に設置する予定だった屋内コンセントをここに設置したのでしょう。

下写真は7年ほど前にボロボロの屋根材(波板)を取り替えたときに撮影したものですが、防雨型でないコンセントに雨水が入ってしまわないように波板を巻いてあります・・・。

倉庫に電気を引き込むには、先のコンセントからケーブルを延長すれば良いのですが、安全を期すためにはケーブルの接続箇所は雨水のかかるおそれがない屋内に設けたいところです(リングスリーブ+エフコテープで接続するにしても私のような素人施工では心配)。
そこで、下図のとおり主屋内(下屋の天井裏)にジョイントボックスを設け、そこでケーブルを接続することにします。

ジョイントボックス(ケーブルの接続箇所)は点検できるようにしておかなければなりませんので(電気設備技術基準)、まずは天井点検口を設けます。
天井(石膏ボード)を600mm角で切り抜き、市販の枠材(アルミ製)を取り付けます。

切り抜いた部分を使って蓋を作ります。

蓋の完成。

蓋を取り付けて、天井点検口の完成です。

既存のケーブルは主屋と倉庫の間に塩ビ管(VE管)を架空配管して、その中に収められています。
一方、主屋と倉庫の間には雨天時に行き来しやすいように屋根がかかっています。

その屋根には(リップ)溝形鋼が使われていますので、その中にケーブルを配線するよう変更します(下写真で朱色点線。安全かつ見た目もスッキリします)。

溝形鋼がない区間については、塩ビ管(VE16)を配管します(サドルバンドで溝形鋼に固定)。

このVE管を配管する際、管内に侵入した雨水が倉庫に流れ込まないように若干勾配をつけています。

屋根の溝形鋼のほうはどうだろうかと確認してみると、ちゃんと勾配をつけてあります。

既設の塩ビ管のほうは撤去。

20年程度、屋外で紫外線に晒されていたにも関わらず、それほど劣化していません(塩ビ管は相当耐候性があるようです)。
まだ使えそうですので、溝形鋼の中に入れて二重にケーブルを保護することにします(ケーブルが太陽光に晒されないようにするため)。

撤去した塩ビ管は上写真のとおり曲げてあるため、ガスバーナーで炙って真っ直ぐに戻せないかと試してみるも・・・
劣化のためか、うまくいかず、短く切って使うことに。

この塩ビ管にケーブル(VVF2.0×2C)を通しつつ、塩ビ管を溝形鋼の中に敷設していきます。

そして、主屋側に到達。

主屋へは屋根の面戸(垂木の間)に穴をあけて引き込みますが、途中はケーブルが露出しないようにトタンの内側に配線。

これで、主屋・倉庫間の配線ができました。

アンティークな照明器具を設置

倉庫に電気を引き込みたいと考えており、その材料を確保するため、前回、主屋のスイッチ&コンセントを更新しました(古いものを倉庫で再利用する考え)。

前回のブログ記事には載せていませんでしたが、下写真のとおり新しいコンセントから食洗機やファンヒーターの電源をとっています。

ちなみにファンヒーターはキッチンの足元用で、下写真のようなキャスター付きの台を作って移動させやすいようにしてあります(火災につながる可能性が無きにしも非ずでお勧めはしません)。

さて、倉庫用にスイッチやコンセントを確保できたものの、ほかにケーブルや照明器具も必要になります。
ケーブルは100m巻で買ってあるものを使うとして問題は照明器具です。
新たに購入するとしても、見た目は問わないため、先のスイッチやコンセントと同様、主屋のものを更新し、古いものを倉庫で再利用することにします。

更新したいと考えている主屋(古民家)の照明器具は玄関に隣接する四畳間(下写真)に使われている照明器具です。

昭和時代に流行した和風のプラスチック製シェードのもの。
プラスチック製のものは時の経過とともに化けの皮が剥がれてしまうのか、流行遅れだけでなく安っぽく感じます。
古民家に合う照明器具として、大正モダンを感じさせるガラス製のものが良いと思っているのですが、こうしたものはオークションサイトなどでも人気があり、指をくわえて見るだけ・・・。
そうしたなか、送料+α程度の価格で下写真のものが出品されているのを見つけて購入しました。

シェードはガラス製ですが、もちろん大正時代のものではありません。
東芝製のもので、下写真の傘マークのロゴが使われていることからも昭和の終わり頃に製造販売されたものではないかと思います。

ソケット(E26)や引掛シーリング(角型キャップ)は現行規格のもので、そのままLED電球を使えるところが決め手になりました。

ただ、問題は今ついている照明が器具付属のプルスイッチ(キャノピースイッチ)で点滅させるのに対し、これは壁スイッチで操作するタイプです。
新たに壁スイッチを設けるのは手間がかかるし、どうしたものかと思っていると、玄関の埋込みスイッチのなかに使っていないもの(下写真で「廊下」)があることに気づきました。

玄関とLDKの間に廊下のようなもの(延長1.8m)があり、その天井にダウンライト(下写真で朱色矢印)があるのですが、未だかつて使ったことがありません。

そこで、このダウンライトを廃止し、今回更新する照明器具のスイッチに転用することにします(壁が土壁でケーブルが埋め込まれているため、ケーブルやスイッチの増設は現実的には不可能)。

配線を確認すると下図のとおりです。

ダウンライトの配線と切り替えますが、四畳間の照明の電源は別の系統(下写真で黄色線)から来ています。
そこで、下写真で黄色・太線のケーブルを撤去し、それに代わって朱色・太線のケーブルを敷設します。

朱色線の系統は20年ほど前のリフォームにおいて施設されたものですが(黄色線の系統は5年前の改修工事)、ジョイントボックス(上写真で朱色丸印)が床上にあります。
なぜこんな邪魔になる場所にあるかと言うと、当時、この厨子二階は柴などが満載状態で、ここにしかジョイントボックスを設置できなかったのだと思います。

いずれはジョイントボックスの位置もきちんとした場所に移したいと思っていますが、とりあえず今回はダウンライトのケーブルと切り替えるだけにします。

スイッチを点滅させると、問題なく四畳間の照明が点灯・消灯します。

これらのスイッチも20年ほど前に設置した古いタイプ(上写真:パナソニック フルカラーシリーズ)のものですので、この機会に新しいもの(下写真:パナソニック コスモワイドシリーズ)に更新することにします。

スイッチは3個(四畳間。玄関内。玄関外)あり、いずれも片切りスイッチです。
ただ、玄関外の照明用のものは遅れ消灯機能付きのものにしました(普通のスイッチ:約150円が20個買える価格設定です・・・)。
玄関外の照明については、夜に来客者が帰られる際、足元を明るくするため、しばらく点けた状態にしていますが、消し忘れてしまうことがあります。
この遅れ消灯機能付きのスイッチを使えば、OFF操作を行った後、一定時間(30秒〜5分の間で設定)経過で自動消灯するようになります(風呂やトイレの換気扇と同様)。

スイッチ間を先の配線図のとおり渡り線で接続(下写真で左側が旧。右側が新)。

ケーブルと結線。

カバー等を取り付けてスイッチの更新完了。

最後に照明器具を購入したものに付け替えて完成です!

天井板や梁の色が黒いため白いシェードが映えて、なかなか良い感じです。
四畳間と言えども電球1個の照明では暗いのではないかと思いますが、玄関のほうに大きな照明器具があるため、これで十分なのです(無くても良い!?)。

これで、倉庫で使う照明器具(古いものを再利用)も確保できました。