月別アーカイブ: 2020年6月

井戸の再生(43)立水栓の自作②

前回、立水栓を作ることにして、基礎のコンクリートを打つところまでできました。

その後、コンクリートが固まったため作業を続けます。

冬季の凍結防止のため保温材(パイプカバー)を全体に施しておきます。

その上にキャンバステープ(保温材の紫外線劣化防止)を巻きます。

上写真で止水栓のところはキャンバステープを巻いてありませんが、それは止水栓の継ぎ手箇所について通水試験を行って漏水がないことを確認しておきたいと思ったからです。
通水試験については、簡易的に井戸の揚水ポンプの圧を使って行いますが、問題はそれに今回作製の立水栓をどうやって接続するかです。
そこで、役立つのが以前に発見!?した散水栓の吐水口のネジ(G1/2)です。
これを使えば立水栓(R1/2)との間をフレキパイプ(G1/2)でつなげられます。

接続。

散水栓をあけると、当然ながら立水栓の吐水口から水が出ます。

立水栓側の止水栓を全閉にするとともに、散水栓を全開して立水栓に水圧をかけます。
この状態でしばらく様子をみます。

継手箇所からの漏水はなく問題なしです。

立水栓本体ができましたので、次に竹のカバーを作ります。
昨冬に伐採した竹のなかから、立水栓本体をカバーできる太さのものを探してきました。

鉈を使って半分に割ります(節も抜きます)。

止水栓のハンドル及び吐水パイプの取り付け箇所の穴をあけます(ホールソーを使用)。

吐水パイプ及び天蓋用の竹も加工します。

ところで、止水栓より先の配管は柔軟性をもたせるため散水ホース(下写真で朱色矢印)を用いています。

柔軟性はあるものの、実際に竹のカバーを取り付けようとすると変に動いてしまって具合が良くありません。
そこで、自在に変形でき、かつその形で固定されるフレキパイプに変えることにします。

フレキパイプ(袋ナット:G1/2)だと止水栓(Rp1/2)に直結できるため配管もシンプルになりました。

ただ、フレキパイプを使うことで心配なのは冬季の凍結時にどうなるかです。
気休めかもしれませんが、フレキパイプにも保温材を施しておきます(水が溜まる区間のみ)。

竹のカバーを取り付けます。

止水栓のハンドルが竹のカバーの外に出る形になります(メタリックなハンドルも竹や木製にする手も!?)。

天蓋と吐水パイプを取り付ければ立水栓の完成です。

見た目は竹の筧でありながら一般的な立水栓のように使えるようにしたのが今回工夫した点です。

井戸の再生(42)立水栓の自作①

前回、踏み石の切断と流し(天然石)の移設を行ないました(石材屋さんに依頼)。

踏み石を長手方向に切断
流しを前方に移動

流しを移設したことにより上写真で流しの右側(井戸の前)に立水栓を設置するスペースができました。
また、近くに庭木の根があるため試掘して確認したところ、根の下を通す形で立水栓までパイプを敷設できることがわかりました。

今春、パイプとともに立水栓も設置することにし、まずは立水栓について検討します。
立水栓は市販されていますがオシャレなものは高価ですし、そもそも今回の流し(水盤)まで届くような吐水パイプが長いのものはないかと思います。
そこで、安価な塩ビ管などを使って自作することにして下図のものを考えました。

塩ビ管(VP13A)の途中にストレート形止水栓(1,000円程度)を入れ、これで立水栓の開閉操作を行う考えです。
塩ビ管だけでは自立しないためメッキパイプ(φ25.4mm)で支え、この下部にコンクリート基礎を設けます。
これで立水栓としての用は足りるのものの、パイプが剥き出しでは味気ないため太い竹で全体をカバーしたいと思っています(塩ビ管の紫外線対策にもなります)。

基礎はコンクリートですが、型枠を作る手間を省くため廃材の塩ビ管(VU150A)を型枠がわりに使うことにし、所定の寸法で切断。

今回、塩ビ管の切断には上写真に写っているようにレシプロソーを使用しました。
レシプロソーには、切れ味が悪くなったゼットソーの鋸刃(孟宗竹の枝払いに使用したパイプソー)を装着しています。
普通だと装着できないのですが、ゼットソーの鋸刃をレシプロソーに装着できるようにするアタッチメントが市販されているのです(下写真で朱色丸印)。

手鋸だとストレスが溜まる切れ味の悪い鋸刃でも、レシプロソーに装着すればまだまだ使えます。

型枠(VU150A)に給水管(VP13A:外径18mm)を通す穴をホールソー(φ20mm)で穿孔します。

次に本体の給水管について下写真の管材を組み合わせて配管します。

止水栓(ストレート形)までは塩ビ管ですが、その先については柔軟性を持たせたいため散水ホースを使っています。

各管材を接合。

続いて、給水管を支えるメッキパイプ(φ25.4mm)を加工します。

メッキパイプのように肉厚があるものでも(2mm)パイプカッターで綺麗に切断できます。

止水栓の継ぎ手の一方(受け口側)が出っ張っているため、メッキパイプに穴をあけて座りが良くなるようにしておきます。

クイックタイを使って給水管を支柱(メッキパイプ)に固定します。

さらにビニールテープでグルグル巻きにしておきます(塩ビ管×ビニールテープは問題なし。ポリエチレン管×ビニールテープは不可)。

これを下写真のように基礎用の型枠(VU150A)に入れてコンクリートを打つことになります。

ただ、問題はコンクリートの打設や養生中にどうやって支柱を立てておくかです。
ちょうど、支柱のメッキパイプ(φ25.4m)の内径(23mm)が塩ビ管(VP16A)の外径(22mm)より僅かに大きいため、塩ビ管(VP16A)を下写真のとおり合板に固定しておき、コンクリート打設時はここにメッキパイプを立てるようにします。

コンクリートを打つ準備が整いました。

コンクリートを少量練って型枠内に打設します。

しばらく養生して固まるのを待ちます。