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里山再生:マツ(赤松&黒松)の播種

これまで自宅裏の里山の整備を進めるとともに、薪ストーブや木質資源を燃料とするボイラー(エーテーオー社のウッドボイラー)を導入して里山の恵みを活用できる仕組みを構築しました。

ところで、これまで本ブログのサブタイトルを「田舎の土地と家を守り(もり)する日々のあれこれ」としていました。
敢えてこうしたマイナスイメージを抱くサブタイトルとしたのは、我が家のような田舎の現状を表したかったと言うことがあります。
田舎が置かれている状況は年々酷くなる一方ですが、我が家に関しては里山や古民家の整備は一定の目処がついたように感じています。
そこで、サブタイトルを変更することにし、サブタイトルに目標を掲げて「サステイナブル(持続可能)な生活を目指して」にしました。
実際にはサステイナブルには程遠い生活を送っているのですが、ブログを書くことでもサステイナブルを意識し、日々の生活を点検する機会にしたいと思っています。

閑話休題。

ウッドボイラーは古材の焼却炉のような感じでも使っていますが、咋冬からは里山の柴や竹も焚いています。
こうしたものを集めるには空気が乾燥し、虫たちが冬眠している冬季が適期のため、この時期、裏山で少しずつ集めています。

ウッドボイラーの燃料としては、こうした枯れ枝の使い勝手が良いです(燃えにくいものがあれば竹で火力を補うようにしています)。
また、私にとっては大木をチェンソーで伐採する作業より、林内に落ちている枯れ枝を拾って歩く方が性分に合っているようで意外と楽しく感じる作業です。

集めたものはウッドボイラーが設置してある倉庫内に保管します(いずれは薪棚のように保管用の棚が必要になってきそうです)。

こうした枯れ枝を回収するだけでも林内が片付いてスッキリしますし、この調子で10年、20年と続ければ昔の里山のように(ある意味痩せた状態に)なるかもしれません。
昔(50年程前まで)の里山と言えば、今では想像すらできませんが松山だったと聞きますし、再びマツ(&松茸!)も生える里山にしたいと思っています。
しかし、いくら手入れしたとしても一度全滅したマツが自生してくることは期待できないため植樹する必要があります。
そこで、植樹用の苗木を作りたいと思い、実は昨年の梅雨時に庭のマツ(自生えの黒松)を使って挿し木をしてみました(ブログ記事にはしていません)。

夏は越えたものの、残念ながら冬前に活着することなく枯れてしまいました・・・。
マツの挿し木と言えば、東日本大震災で残った「奇跡の一本松」も挿し木による繁殖は失敗したようです(一本松の苗木は接ぎ木または実生によるもの)。
また、叔父が九州を旅行したとき、挿し木のマツが売られていたため、その生産者に尋ねたところ挿し木の適期は1年のうち1日しかないと聞いたとのことで、やはりマツの挿し木は難しいようです。
叔父からは「実生のほうが容易。近くの駅前にマツの木があり、そこで種を拾える」との情報も得ましたが、今時、駅前でそんなことをしていれば怪しい奴がいると通報されかねないご時世です・・・。
と言うことで、ネットでポチりました!(マツの種子がネットで入手できるご時世です)。
赤松(約70個)と黒松(約100個)の種子を入手(種では見分けられません)。

一晩、水に浸して発芽しやすいようにして、とりあえず育苗ポットに播きます(赤松70個/2ポット。黒松:100個/2ポット)。

うまく発芽してくれれば、来春、畑に植え替えたいと思っています。
そして畑で2年程度大きくしたのち里山に移植する感じになるのかな(3、4年後)?

果樹園の再生(23)里山と果樹園と畑

前回、里山の林縁部(畑との境界)について、雑木の枝を払ったり下草を刈ったりしました。

この畑側は果樹園にするため、4年前から果樹(ナシ、イチジク、クリ、カキ、ビワ)を植えています(順調に成長して既にイチジクとクリが収穫できるようになっています)。

日当たりの良い林縁部についても、雑木や竹を伐採して果樹を植えてはどうかと考えたこともありました。
しかし、果樹農家でもあるまいし(自家消費用の果樹が収穫できれば十分)、林縁部の雑木を残して全体として果樹と雑木との混植にしたほうが自然の状態に近くなり、病虫害などに煩わされないで済むのではないかと思い、林縁部は自生の雑木を残すことにしました。

それでも林縁部から畑側に控えたところに、まだスペースがあります(下図で朱色丸印で囲う箇所)。

この一部は昔、馬小屋として使われていたようですが、当然ながら馬を飼うつもりはありませんので、ここにも果樹を植えていきたいと思います。

ところで、私自身、梨が好物と言うこともあり、これまでに4本の苗木を植え付けました。
最初(4年前)に植えたものは既に3mを超える高さにまで元気良く育っていることから土地に合っているようです。
そして、たまたまホームセンターでナシの苗木が処分品として半額(400円)で販売されていたため、さらにナシを植えることにして2本(品種:豊水)購入してきました。

まず上図で46番の位置に植え付けます。

たまたま安売りしていた品種が豊水だったのですが、ちょうど隣に異品種(幸水。2年前に植え付け)のものがあって良かったです。

処分品のため細くて小さい苗木ですが、そのうちに大きく育ってくれることでしょう。

この横(上図で47番。約5m間隔)にもう1本(豊水)苗木を植え付けますが、ここは昔、馬小屋が建っていたところになります。
馬小屋は祖父が昭和の初め頃に建てたもので、当時としては珍しいコンクリート基礎にレンガの壁、そして屋根は瓦葺きでした。
それが隣接する竹やぶの湿気にやられて平成の初め(約30年前)に倒壊し、今は下写真のとおり基礎の一部と土間コンが残っています(里山側に瓦礫が散乱しています)。

祖父は教育を受けたため当時最先端の技術を取り入れたかったのでしょうが、今思えば、当時一般的であった土壁&藁葺きで建てていてくれれば今頃は全てが土に還って何の苦労もせずに済んだと恨みたくもなります。
話しは大きくなりますが、現代日本では自然から離れた素材を多用して、あらゆるものが作られていますが、それらが将来の世代の重荷になるのではないかと思わざるをえません。
ローマは一日にしてならず、一日にして滅ぶ・・・。

閑話休題。

苗木を植え付けるには土間コンを撤去する必要がありますが、幸い無筋です(骨材も近くで採取したと思われる砂利が使われています)。
このため強度はなく、既に竹の根が亀甲状に壊してくれています。
とりあえず植え付け箇所の周辺だけ土間コンの塊を取り除いて地山を出します。

そして地山をスコップで掘ると長年土間コンで覆われていたため土は粘土状ですが、意外にも有機分が含まれて黒変している部分もあります。

土間コンの下だったのになぜかと言えば、土間コンの下で竹の根が長年の間、腐食・再生を繰り返していたためだと思います。

竹の根と言えば厄介ものの典型のような存在ですが、ツルハシの代わりに土間コンを壊し、鍬の代わりに土を耕し、化学肥料の代わりに土を豊かにしてくれていたものと思うと有難いものです。

と言うことで、軽く穴を掘るだけで苗木(豊水)を植え付けます。

果たして周囲に土間コンが残っている状態で元気良く成長するものでしょうか・・・(将来的には土間コンを含めて全て撤去するつもりです)。
まあ、398円の苗木ですので、うまくいけば儲けものです!?

このエリア(主屋の北側)への果樹の植え付けは、とりあえず今シーズンは以上の2本で完了です。

上写真で果樹の右側に軽トラが通行できる程度の幅の通路があり、それを挟んで畑になっています。
ちなみに、この畑では、以前は地力回復のためマメ科の作物(夏:ダイズ、冬:ソラマメ)を栽培していたのですが、昨夏からはマメ科からイネ科の作物(オオムギ)に移行しています。

麦と言っても収穫・調製して食用にするのではなく、藁などの有機物を畑に還元することで、さらに土地を肥やしたいと考えています。
いずれは畑で米・麦、その周囲に果樹が実り、そして里山で薪炭材を得られる楽園にしたいのですが、当面はそのベースになる地力の回復や植樹に注力するつもりです。