古民家の自然換気(11)古色塗り

前回、厨子二階の床板を張りました。

一方、中断状態になっている土壁の補修箇所については、先般施工の荒壁部分が完全に乾きました。

<施工直後>

<現在:上写真から約1.5ヶ月経過>

荒壁部分が乾いたことから、続いて中塗り部分の補修を行うことにします。
中塗りの材料は、中塗り土、左官用砂、藁スサです。
そのうち中塗り土と左官用砂は地元の建材屋さんで購入したものを使います。

下写真で右の袋入りのものが中塗り土で、1袋(20kg)400円。
この一袋で相当な面積を塗れることを考えると、他の塗り材に比べ本当に安価です。

土と砂の配合割合は1:3としています。
この配合は当地で標準的なもの(左官屋さんに教えてもらいました)ですが、全国の標準的な配合に比べると砂の割合が相当大きい(貧配合)です。
「郷に入っては郷に従え」とは言え、砂が多い分塗りづらく、私のような素人にとってはハードルが上がります・・・。

あと必要になるのが藁スサです。
一昨年の改築工事において中塗りをDIY施工したときは左官屋さんに頒けていただいたものを使ったため、手元にありません。
もちろん、建材屋さんで買えるのですが、稲作地帯に住んでいて、しかも先祖代々百姓の家系の自分にとって藁まで買うようになるのはやるせないものがあります。
そんなことで、お正月に門松を作った際に余った藁コモ(HCで購入したものですが・・・)を使って藁スサを作ることにします。

剪定鋏で5分(15mm)程度の長さに切って、揉みほぐしたところ、左官屋さんのものと同じような感じに。

今回は塗る面積が僅かですので、使うのは上写真の一部です。

水を加えて練れば材料の準備完了。

鏝を使って、周囲(漆喰を落とし中塗りの状態)と面(つら)を合わせるように塗りつけます(下写真は約1週間後に撮影したもの)。

これで仕上げの漆喰を塗れる状態になりましたが、仕上げ塗りは他の作業が全て終わってからにします(他の作業により白壁を汚す可能性があるため)。

ところで、これまでは上貼りにより隠れていた差し鴨居ですが、下写真のとおり部分的に傷があります。

また、土壁を撤去したところや碍子(昔の電気配線)の跡などが黒く煤けておらず、周囲との差異が生じています。

更には長年の間に積もり積もった汚れもあります(吊り天井がある段階でワイヤーブラシである程度、汚れを落としてあります)。

そこで、次のとおりクリーニングすることにします。

  1. 全体を水拭きして掃除
  2. 黒く煤けていないところを古色塗り
  3. 全体を亜麻仁油で磨く

古色塗りは、柿渋に顔料(黒・朱色)を加えたものを塗布することになりますが、この黒色の顔料として、薪ストーブの煙突掃除の際に取っておいた自家製松煙!?を使ってみることにします。

柿渋で溶くと墨汁のような黒さになり、なかなか良い感じです。

しかし、試し塗りすると色が薄く、何回も重ね塗りしないと十分な色になりません。
結局は市販のものも混ぜて色を作ることに。
また、塗布する箇所は元々、カマドに近いところで黒色の度合いが強いため、顔料の配合は黒をほとんどとし、朱(弁柄)は気持ち程度にしています。

最後に亜麻仁油で磨いて完了。

差し鴨居の傷も目立たなくなりました。

<続きます>

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