古民家の自然換気(7)吊り天井の撤去

前回、台所側と居間側を分断していた垂れ壁などを撤去したことで、幾分スッキリした感じになりました。

<ビフォー>

<アフター>

ところで、上写真の点線で示すように大黒柱と副大黒とを差し鴨居が結んでいるのだと思いますが、以前のリフォームにより差し鴨居の半分程度が隠れた状態になっています(昭和40年代から隠れた状態にあります)。
これらに格子戸の下にある差し大引(敷居)を加えた四部材が、我が家のカナメとも言える部分ですので、全体が見えるようにしたいものです。
ただ、隠れている部分はひょっとすると過去のリフォーム等において無残な姿になっている可能性も無きにしもあらず。

いずれにせよ剥がさないことには分かりませんので、吊り天井(石膏ボード+クロス)とともに撤去します。
相変わらず石膏ボードの粉塵にはうんざり・・・。
とりあえず石膏ボードを撤去したことで、隠れていた差し鴨居などが現れました。

差し鴨居は少し傷があるものの、古色塗りで目立たなくなるレベルのようです。
ただ、上貼りにより通気がなかったため虫にとっては居心地が良かったようで、他の部分に比べてキクイムシによる被害(穿孔)が多くあります。

続いて、野縁等の下地材も撤去します。

吊り天井が無くなった状態で見上げると下写真のとおりです。

ダイナミックな感じや開放感があって、これはこれで良いものです。
大屋根まで吹き抜けにしている古民家再生の事例を見かけますが、確かにそうしたくなります。
ただ、夏は良いとしても(特別な対策をしない場合)冬が辛そうですので、我が家の場合は採光用の窓を設け、天井裏の一部を見える程度にするつもりです。

ところで、解体撤去に伴い、僅かな面積にも関わらず大量の廃材が発生しました。
木材は釘を抜いて再利用(野縁材)したり、薪ストーブの焚き付け(胴縁材)として使えますが、石膏ボードについては専門業者に処分を依頼せざるを得ません。

石膏ボードは非常に安価(坪700円程度)ですが、買うよりも処分費のほうが高いという厄介な代物です。
処分費は上がる一方かと思いますので、処分費を含めたトータルコストや環境負荷を考慮し木材を採用するということが今後はあり得るのかもしれませんね。

<続きます>

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