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庭の整備(62)敷石の据え付け(踏み石を再利用)

前回、立水栓の設置と、それから伸ばす形でパイプ(塩ビ管)を敷設しました。

ところで、上写真のとおり配管を立ち上げたところ(井戸ポンプを接続予定)で塩ビ管が露出した状態になっています。
いずれ井戸ポンプを設置すればちゃんと保護するつもりですが、それまでの間、紫外線劣化を防ぐため何らかの形で養生しておいたほうが良さそうです。
と言うことで、竹の節をくりぬいて被せておきます。

塩ビ管は合成樹脂製ですが、合成樹脂は竹製品を駆逐した経緯があります。
こうしたこともあって合成樹脂と竹は相容れない存在のように扱われることが多いですが、案外相性が良いのかもしれません。

さて、配管関係についてはとりあえず芝張りに支障になるところはできたことから今春はここまでとして、次に通路部の敷石(下図で朱色)を施工することにします。

敷石は、以前のブログ記事に書いたとおり米蔵に使われていた踏み石を再利用することにし、既に昨年中に石材屋さんに加工(長手方向に挽き割り)してもらってあります。

石材屋さんに頼む際、「切断面は裏にして使うため荒れた状態で構わない」と言ってお願いしたのですが、上写真のとおり綺麗な鏡面に仕上がっています。
せっかくなので、この切断面を表にして使うことにします。
このほうが周囲に並べるゴロタ石とコントラストが大きくなって面白そうです。

施工に先立ち計画ラインに水糸を張ります(縦段勾配は下写真で上側にある排水溝に向かって僅かに下げています)。
また、敷石を据え付け箇所の横に仮置きして並びの状態を確認します。

敷石の直線が出ている面を外側に向けるようにしていますが、こうすると通路の輪郭がスッキリして良い感じになりそうです。

敷石を据え付けるには地面を15cm程度掘らなければなりませんが、砂利敷きのため締め固まって容易に掘り起こせません。
そこで、電動ハンマーを使って表層部をくずしておきます。

この電動ハンマーは4年ほど前に土間コンをハツるのに入手した中古品です。
入手時は電動ハンマーなんて持っていても使う機会がないだろうと思っていたのですが、予想外に活用しています。

これでスコップでも掘りやすくなりましたので、敷石のサイズより幾分大きく掘ります。
掘り起こした砂利混じりの土は、フルイにかけ、砂利の部分を敷石の基礎として使います。

フルイの目を通った土の部分は、後で芝を張る際に目土として使うことにします。

敷石の側面を水糸にあわせて据え付けます。

敷石の天端高は、芝刈りを考慮して地面(水糸高さ)と面一にします。

敷石の周りを埋め戻して1個目の完了です。

同様にして2個目に取りかかります。
ところが、地面を掘っていると浅いところから庭木(カイヅカイブキ)の根が出てきました・・・(下写真で緑色破線)。

根が横断していることは分かっていたのですが、まさかこんなに浅い位置にあるとは思っていませんでした。
根は手首ほどの太さのものが2本と、それよりやや細い1本で、いずれも敷石の支障になります。

根を切って除去する手もありますが、ここは樹木を優先して敷石の配置を見直すことにします。
一旦作業を中断して配置を再検討。
結果、下図のとおり変更することにします(細めの根1本はすぐ先までしかっていないため切り詰めます)。

これにより先に据え付けた1個目の敷石の位置も変わり、一からやり直しになりますが仕方ありません。
事前調査がいかに大切かと言うことが身に沁みます・・・。

また、配置の変更に伴い敷石の1個を短手方向に2等分することになります。
長手方向の切断は自分では無理でも短手方向であれば可能です。
まずは、ディスクグラインダー(ダイヤモンドホイール装着)を使って外周に切り込みをいれます。

切り込みにタガネを打ち込めば中心部もうまく割れてくれます。

改めて敷石を据え付けます。

いずれは敷石に囲まれた部分にゴロタ石を並べて石畳にするつもりですが、輪郭のところに敷石があるだけでもスッキリした印象になりました。
ゴロタ石については100個近く必要になるかと思います。
踏み石を再利用したことでゴロタ石の必要数が2/3程度に減ったとは言うものの、適当な大きさで、かつ平らな面をもつゴロタ石をたくさん集めるには時間がかかりそうです。

庭の整備(61)踏み石の切断と流しの移設

5年前に主屋の改修工事が一段落して少し余裕ができたことから毎年、春の陽気が良いときに庭の整備を進めています。
具体的には砂利敷きのところをで緑化するとともに、人が通るところは昔あった敷石(石畳)を再生しています。
下写真は3年前の状態で、既に主屋側の一部は芝生になっています。

この庭の整備にあわせて上写真に写っている井戸の周辺(笹薮状態・・・)も整備し、将来的にはこの井戸(1号井)も再利用するようにしたいと考えています(2号井は既に使用しています)。

井戸の再利用にはポンプの設置やパイプの敷設が必要になりますが、芝を張るとパイプの敷設が面倒になるため、昨春の芝張り(下写真で青色のネットを被せてあるところ)では井戸側は保留しました。

井戸の再利用はまだ先のこととしても、とりあえずパイプだけは敷設しておかないと庭の整備を進められません(下図で朱色破線内が今春の予定箇所)。

そこで、パイプを含む設備関係の計画を立てることにします。
井戸水を主屋で使えるようにするため、井戸の近くに電動の汲み上げポンプを設置するとともに主屋まで配管します。
また、井戸の隣には天然石の流し(下写真)があるため、配管を途中で分岐させて流しの近くにも水栓を設けることにします。

ちなみに、この井戸と流しを昭和30年代に撮影したものが下写真です(流しの位置が現在とは異なります)。

井戸に蓋はされていないものの、使われている様子はありません。
当地では昭和30年代に簡易水道が供用されていますので、それに伴い井戸が使われなくなった頃のようです。
上写真は亡き父が撮影したもので、わざわざ写真に撮るぐらいですので父もいずれは井戸や流しを再利用したいと思ったいたのかもしれません。
井戸が使われなくなって半世紀以上が経過し、今、再利用に向けて動き出せることを思うと感慨深いものがあります。

井戸と流しの位置関係を示すと下図のとおりになりますが、これだと使い勝手の良いところに水栓を設置できないだけでなく、ポンプの設置場所にも悩みます。

水栓やポンプの設置場所を考えると、下図のとおり流しを前方に移設させたいところです。

しかし、問題は相当な重量がある流しを移動できるかです。
流しの重量は大きさから1t近くあると思います。
とりあえず長い鉄パイプをテコにして試してみると少し上がりました(持ち上げた際、下写真で朱色丸印の石を詰めてみました)。

しかし、人力(1人)ではこれが限界で、流しの移設については業者(重機使用)に頼んだほうが良さそうです。

今春の施工箇所でもう1点検討すべきなのが、通路部の敷石(下写真で朱色点線)です。

既設箇所はゴロタ石を並べて石畳のようにしてあります(下写真は施工時)。

このときは昔あった敷石(埋まっていた)の再生だったため材料のことを考える必要がありませんでした。
しかし、今回は新設になるため材料を準備する必要があります。
ゴロタ石は敷地内にあるものの、手頃な大きさで、しかも敷石用に平らな面をもつものとなると足りそうにありません。
そこで、何か使えないかと考えて思いついたのが下写真の石材です。

これは昔、米倉の踏み石(沓脱ぎ石)に使われていたもので、戦後間もなく米倉を解体して以来、ここに置いてあるのだと思います。
草刈りの邪魔にもなり、なんとかならないものかと思っていたのです。

形は土台の基礎に使われる延べ石に似ていますが、それよりも大きくて(断面:240mm×170mm)重いです。

敷石にするにはこれほど大きい必要がありませんし、何より重くて扱いにくいです。
上写真で朱色点線で示す箇所で挽き割って半分の大きさ(170mm×120mm)にすれば軽くて扱いやすくなりますし、倍の面積を敷石できます。
しかし、こちらも問題は半分に挽き割れるかです。
短手方向であれば、これまでに何度かやっているようにダイヤモンドカッターとタガネを使ってできるとしても長手方向はさすがに無理なので馴染みの石材屋さんに頼むことにします。
実は、このあたりのことは昨春の庭整備後に進めており、昨年中に石材屋さんに切断してもらってあります。

半分に挽き割ったことで4個になりましたので、これを下図で朱色のとおり通路の縁に配置することにします。

ちなみに踏み石の切断は石材屋さんの工場において行われたのですが、その往復の運搬にユニック(クレーン付きのトラック)が使われました。
クレーンがある!と言うことで、そのときに流しを吊って下写真のとおり移設してもらいました(石材屋さんだけあって石の移設もお手の物でした)。

これでパイプを敷設する準備が整いました。
上写真で配管ルートの一部を掘ってありますが、これは庭木の太い根が横断しているため敷設の支障にならないか試掘して確認したものです(結果、根の下に敷設することに)。