竹利用」タグアーカイブ

竹製手すりの設置(1)勝手口

先の連休の一日は敬老の日でした。
敬老と言えば、私の母もあと数年で後期高齢者です。
肉体の衰えは足腰から来ることが多く、高齢者の場合、ちょっとした段差につまずいて転んだ結果、寝たきりになってしまうこともあると聞きます。
我が家(古民家)は5年前に改修工事を行った際、こうした段差を解消すべく(バリアフリー)、床高さを揃えたり、スロープを設けてもらいましたので、とりあえず屋内は大丈夫そうです。
ただ、気になるのが建物への入り口(玄関、勝手口)にある段差です。
下写真は勝手口のところで、段差は24cm弱あります。

特に勝手口は出入りすることが多いことから何らかの対策を講じたいと思っています。
この段差を無くすことは現実的には無理なため手すりを設けることにします。

上写真のとおり隣接して壁があり、ここに手すりを取り付ければ良さそうです。
この壁(幅3尺)は20年ほど前のリフォーム時に新設したものです。
壁にあるコンセントを外して中を確認したところ、壁の下地が石膏ボードであることを確認できました。
と言うことは、壁内のどこかに間柱があり、それに手すり(のブラケット)を取り付ければ十分な強度が得られます。
そこで、下写真の下地センサーを使って間柱の位置を探索。

しかし、おかしな反応をするばかりで間柱の位置を特定できません・・・。

止むを得ず、極細のドリルで実際に穴をあけて調査することに(いずれクロスを張り替える予定です)。

しかし、それでも間柱が出てきません・・・。
水平方向に間柱の厚さ(30mm程度)より狭い間隔で調べているため間柱を捉え損ねたと言うことはないはずです(安普請!?)。
垂直方向に同様に調べると、さすがに胴縁は入っており、下図のとおり1尺(303mm)間隔で配置されていることがわかりました。

強度面で劣りますが、手すり(のブラケット)は胴縁に取り付けるしかありません。

胴縁の配置をもとに手すりの取り付け位置を検討します。
手すりの設置基準をネットで調べると、肩と肘の間(下図で水色点線)が手すりの中央に来るようにするとのこと。
また、手すりは上・下端にブラケットがあり、それを胴縁に取り付けることになります。
これらから上図で緑色着色の胴縁2本にブラケットを取り付けることにします(→手すりの長さ30cm×3=90cm)。

手すりの水平方向については上がり框よりも10cm屋内側にしています。

手すりのブラケットは様々なデザインやサイズのものが市販されていますが、今回は下写真のものを購入しました(φ32mm、1個400円程度)。

手すり本体も木製やステンレス巻きパイプものなどが市販されていますが、口径の32mmと言う数値を目にして思い浮かんだのが竹です。
試しに保管してある竹(真竹)を取り付けたところ上写真のとおり良い具合です。

多少の隙間はビニールテープを巻いて調整すればグラつくようなこともありません。

そして、ブラケットを胴縁に対してビス留めすれば完成です!

背面が人工素材のクロスと言うこともあり、天然素材の竹と少し違和感を感じます(壁の仕上げ材について、次はクロスの貼り替えでなく、漆喰を塗るようにすると良さそうです)。
しかし、使用感はとても良く、意外なところで竹の節が滑り止めにもなります。

良い敬老の日のプレゼントができました(費用1,000円弱^_^)!

古民家の自然換気(52)室外機カバーを自作③

犬矢来をイメージした室外機カバーを作ることにし、前回、下写真のとおり一旦仮置きして問題がないことを確認するところまでできました。

隣接する主屋(古民家)の外壁(杉の羽目板)はオイルステイン(VATON:オーク色)で塗装してあります。
このため室外機カバー(木部のみ)も同じ塗装で仕上げる考えですが、割り竹を張ると塗装しにくくなるため、その前に塗装しておきます。

これで割り竹を張れます。
割り竹は、2年半前の冬に伐採して土蔵の庇下に保管してあるものを使います(下写真は保管直後。エツリに使った余り)。

半屋外で保管状態が良くなかったこともあって表面にカビが付いています。

カビは水拭きして取れば良いとしても、問題は一部に虫喰い(内側。特に節の周囲)があることです。
外側の硬い表皮は無傷のため見た目は問題ないものの、白い粉状のものが落ちてきたりして厄介です。
化粧材として使うのであれば、竹の伐採は伐り旬の11月に行なったほうが良い感じです。

これらの割り竹を釘留めしますが、そのまま釘を打つと竹が割れるためドリルで下穴をあけておきます。

横框に対して釘(SUS製)を打っていきます。

割り竹の間隔はエツリ(小舞掻き)と同様、隙間に指が入る程度にしてします。
また、竹の末口が上になるようにしています(節で判別できます)。

正面及び側面の計3面を張り終えました。

犬矢来のような感じになりました。

竹は真っ直ぐと言っても実際には微妙な曲がりがあり、それが優しい印象を与えるように感じます。

実際に室外機のところに設置します。

少し離れて見ると・・・

主屋(古民家)の外壁に比べて色が薄いですが、それほど違和感もなく、良い感じです。
室外機カバーは容易に前方に出せますので、連続してエアコンを運転する時期はカバーを外そうと思っています(排気用の隙間はあるものの、カバーしないほうが熱交換の効率が良いです)。

室外機カバーの屋根(板張り)を利用して鉢植えなどを置いてはどうかなと思っていたのですが、先に野良猫に場所を取られてしまいました。

軒下で雨が当たりにくいうえ高い場所なので居心地が良いのでしょう。
また、野良猫だけでなくアマガエル(上写真で朱色矢印)も休んでいます。

今回、室外機カバーに竹を利用しましたが、竹関連で井戸の竹蓋を更新したことも書いておきます
下写真の竹蓋は4年前に井戸ポンプを設置した際に作ったものです。

雨だけでなく、井戸の中からも常に湿気が上がってくるため痛みが激しいです。

竹はもう少し大丈夫かもしれませんが、竹を編んでいる棕櫚縄のほうが切れてしまっています。

これではバラバラになってしまいますので、新しいものを作って入れ換えました。

竹蓋は樹脂製のものに比べれば耐久性が劣りますし、作るのに手間もかかります。
しかし、こうやって定期的に新しいものに更新すると気持ち良いものです。
それに材料の竹は無尽蔵にありますし、古いものも畑に還してゴミになることがありません。