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里山再生:カシの苗木作り

冬季に行っている山仕事は、4月上旬までに終えました。
山仕事は、これまでは伐採(木や竹)を中心に行ってきましたが、今シーズンからは植樹(クヌギとスギ)も始めることができました。

クヌギ:4本
スギ:11本(+他の場所に6本)

伐採は、個人的には薪ストーブの燃料が入手できることにもなるため嬉しいものの、その反面、生きている木を伐ると言うのは辛いものもあります。
その点、植樹は木の生命力を感じることができて楽しいものです。

植樹を実際に行って感じたのは、植樹自体は容易(穴を掘って苗木を植え付けるだけ)なのに対し、苗木をタイミングよく準備しておくことの難しさです。
今回は、たまたま実験的に畑で育てていたものが移植にちょうど良い大きさになっていたため良かったのですが、計画的に植樹するにはそれを見越して苗木を育てておく必要があるわけです。

と言うことで、2、3年後の植樹を見越して苗木を準備することにします。
今年から5年かけて自宅に隣接する竹林を縮小する計画のため、その後に植える苗木を準備しておくと良さそうです。
苗木の樹種について、竹林の風下には隣家があるため、クヌギやコナラなどの落葉樹だと大量の落ち葉により迷惑をかけてしまうため不適です。
常緑樹で、しかも用材や薪炭材として使えて良いと感じているのがカシやツバキです。

カシであれば、自宅の庭にカシがあり、秋に落ちたドングリからたくさん自生します(苔庭のため、苔がゆりかごになって発芽しやすいようです)。
いつもは草取り時に抜いているのですが、昨年は抜かずにそのままにしておいたところ、冬を越して下写真の状態にまで育っています。

ここで大きくするわけにはいきませんので、山に植樹するまで一旦、竹ポットに移植して育てることにします。
移植ゴテで掘り上げてみると、既に根が深くまで入っているため直根を途中で切ってしまいます。

そこで、掘らずに引っ張ったところ、うまい具合に直根が切れることなく抜けてきます。

その代わり、細根がほとんど取れてしまっています。
今の時期であれば復活するでしょうし、何より掘り上げる必要がないため楽チンです。

草抜きのようにして幼木を採取。

しばらく水に浸けて水揚げさせておきます。

この間に幼木を植え付ける竹ポットを作ります。
竹は、この冬に伐採したものの中から太いもの(真竹、φ○mm程度)を使います。
節が底になるようにレシプロソー(竹用ブレード装着)で切断し(L=○mm)、底に水抜き用の穴を電動ドリルで1箇所(φ10mm)穿孔。

出来上がった竹ポットに幼木を植え付ければ完成です。

ただ、この状態では転倒しかねませんので、これまた竹を利用して固定用の支えを施しておきます。

ポット育苗の場合、畑への地植えの場合と違って水遣りしなければなりませんが、生育状況を観察しやすいのが良いですね。

下写真は昨春に自生えのビワを竹ポットに移植したもので、接ぎ木の台木にするつもりです。

元気よく成長し、台木としてちょうど良い大きさになっています。
接ぎ木することにし、園芸種のビワから穂木を採取して接ぎます。

実は昨春、地生えしているものに直接、接ぎ木したのですが、夏に雑草に埋もれ、草刈りとともに切ってしまいました・・・。
その点、ポット育苗だと安心です。

竹ポットでも問題ないことがわかりましたので、来春にも接ぎ木できるように自生えしているものを竹ポットに移植しておくことにします。

ビワの育苗は、なんとなく少し湿気っているところが良いように感じ、排水路に置いておくことにします。

自然農:竹の枝葉の利用(園路整備)

学生のとき、学校(農学部)の附属農場が農業が盛んな地域にあり、実習のためにバスに乗って通ったことがあります。
そして、バスの車窓から見える畑の土がどこも真っ黒であることに驚いたことを覚えています。
そこは我が家から10km程度しか離れておらず、自宅周辺の畑の土は黄色いのに対し、さすが農業が盛んなだけあって土地が肥えているものだと思いました。
後に、この地域の土は火山由来の黒ボク土であり、それで土が黒いことを知りました。
黒ボク土自体が肥えているわけではありませんが、基本的には肥えた土は有機物の腐食量が多く、よって黒い色をしているものだと思います。

ところで、我が家の畑は5年前から自然農法(不耕起、無肥料、無除草)に切り替えましたが、この5年で土の色に変化があるか、スコップで掘り起こして確認してみます。

地表から3〜5cm程度のところが黒変しています(地山は粘性土)。
慣行農法ではこうしたことは生じないことから、不耕起や無除草の効果が大きいのではないかと思います。

このように我が家の畑は基本的には不耕起ですが、生ゴミを畑に還すときは下図のとおり畝立てしています。

そして、このとき両側にできる溝には竹などを投入しています。

竹は中空で腐りにくいことから、竹を入れることで畑の排水性や土壌構造が改善されることを期待しています。
もちろん、こうして竹を入れると耕耘機などを使って耕せなくなってしまいますので、この方法は不耕起が前提となります(慣行農法については既にありとあらゆる方法がなされて出尽くし感がありますが、不耕起と言う根本が変わることで可能性が広がるように感じています)。

こうして竹の稈の部分は有効活用できるようになったものの、枝葉の部分も何かに使えないものかと思ってきました。

一時期、竹の枝葉を裁断せずにそのまま畝上に被せてマルチにしたことがありますが、竹は枝も腐りにくく、(1〜2年)作業の支障になってしまうため止めました(裁断すれば良いですが、手間が掛かります)。
この反省を踏まえて思いついたのが、上記で畝立てする際に竹の枝葉をすき込むことです。

実際にやってみると、竹の枝葉は平面状に広がっているため設置しやすく、層状に積み重ねれば相当量の有機物をすき込めることになります。


これに樹木の枝葉を使おうとすると樹木の剪定時期に限定されますが、竹の枝葉であればいつでも容易に入手できます(里山で必要な分だけ伐採)。
しかも、枝払いするだけで使えますので、樹木の枝葉を使う場合より省力です。
単純なことですが、これまで何百本の竹を伐採しておきながら気づきませんでした・・・(慣行農法のやり方や、竹を畑の有機材料として使うにはチッパーやシュレッダーにかけて裁断する必要があると言う固定観念に縛られていました)。

ちなみに、竹の枝葉は少量であれば家庭用のガーデンシュレッダー(電動)を使って裁断することができます。

上写真に写っているガーデンシュレッダーはインターファーム社のLSG-2100(ギア式)です。
ガーデンシュレッダーは裁断方法の違いによりギア式とディスク式があり、ギア式のほうが多少高価ですが、竹の枝葉の裁断にはギア式が向いていると思います。

ガーデンシュレッダーにかけるとちょうど良いサイズに裁断されます(ディスク式の場合はもっと細かく裁断されます)。

こうして裁断したものは畑のマルチ材として使っても良いですが、今回は畑の通路に敷き詰めて抑草(腐れば堆肥)を図ることにします。
既に通路には抑草目的で廃材の板が敷いてあります(下写真は敷設時のもの)。

4年前、主屋の改修工事で発生した古材(天井板)を流用したのですが、元々、虫喰いが酷かったこともあり、朽ちた隙間から草が生えるようになってきています。
この板の代わりに竹の枝葉を裁断したものを敷き詰めます。

抑草を図るべく、ある程度の厚さに敷き詰めるため、両側に土留め状のものが必要となります。
その用途として丸太を使ってみましたが(上写真)、ほかに良いものがあることを思いつきました。
昔、米倉があった場所に、その基礎として使われていたゴロタ石が残置されており、夏の草刈り時(刈払機使用)に邪魔になるため移動させたいと思っていたのです。
このゴロタ石を通路の両側に据え、その間に竹の枝葉を敷き詰めます(下写真は施工後、ひと月ほど経ってから撮影したもので、既に竹の枝葉が乾燥して白くなっています。今のところ草も生えてきていません)。

ゴロタ石が通路の縁石にもなり、見た目的にも良い感じになりました。
上写真で手前側は駐車場になっていますので、その境界にも区切りが欲しいところです。
ちょうど主屋の基礎に使われていた延べ石(盆栽棚の土台にした残り。下写真で朱色矢印)がありますので、それを埋めて境界とします。

自然農の場合、無除草で草ボウボウになるため一見すると荒地!?のように見えてしまいがちですが、こうした通路や縁石のようものがあると締まりがついて良いものです。

同じ理由で、駐車場に接する箇所(上写真で手前側)には昨年、シバザクラを植栽しました。
その後、順調に生育しており、このところの陽気に誘われてピンク色の花が咲き始めました。

後ろの黄色は自生のダイコンの葉ですが、これもしばらくすればトウが立って白い花を楽しませてくれることでしょう。

古民家の自然換気(39)土壁の修復③エツリ(小舞掻き)

前回、既存の土壁を支える形で新たに貫を設けました。

この貫は、再設する土壁の下地を固定する役割も担うことになります。

土壁の下地は竹を編んで作り、そのことを当地では「エツリ」(小舞掻き)と呼んでいます。
エツリには割竹を用いますが、そのエツリを固定するために「ヒダチ」(間渡し竹)と呼ばれる直径5分程度の丸竹を柱間及び上下間(今回の場合は貫と丸太梁の間)に配置します。

ヒダチは当地では尺5寸(45cm)間隔で配置されていますが、今回は下地自体の強度を上げるため1尺(30cm)間隔で配置しています。

このヒダチを組むことから始めます。
竹材は昨冬に里山で伐採したものを保管してありますので、それを使います。

エツリ用の竹については、既に割って節を取り除いてあります。

ヒダチを必要な長さで切断し、先の図のとおり取り付けます。

ヒダチの取り付けは、垂直方向については貫や丸太梁に釘を打ち、それが竹筒内に入るようにしています。
一方の水平方向(柱間)については、より確実(1箇所当たり大きい力が作用するため)にすべく左右の柱にドリルで穴(直径15mm)をあけ、その穴に竹をしならせて挿し込んでいます。

こうして組んだヒダチに対してエツリを行います。

エツリは、昔は藁縄を使って編むのが一般的だったようですが、手元にないため造園用のシュロ縄(しかも黒染め)を使っています。
エツリ竹同士は指1本分の間隔をあけ、この隙間により壁土がしっかりと食い付くことになります。

出来上がったものを見ると複雑そうに見えますが、意外に簡単で私のような素人にも十分にできる作業です。
ひと昔前まで、建前の後にエツリから荒壁つけまでは自ら(近所や親類での共同作業:結い)で行ったと聞きますが、実際にやってみるとそのことがよくわかります。

たまたま壁の背後にある照明を点けたところ、エツリの網目から光が漏れて良い感じになりました。

竹天井(上写真で右側)もそうですが、日本家屋と竹はやはり相性が良いようです。

<続きます>