薪ストーブの導入(12)煙道の設計

前回、煙突瓦用のストームカラーを作製・設置しました。

これで屋根貫通部のもろもろの作業は完了です。

続いて煙突を設置していきたいところですが、煙突設置前にやっておくべきことがいくつかあります。
そのひとつに煙道の設置があります。

ストーブメーカー等の煙突設置ガイドを見ると、小屋裏においては、二重煙突の使用に加え不燃材で覆われた煙道を設けるとしています。
我が家のような厨子(ツシ)二階の場合、この二階部分が小屋裏に該当するのか、それとも居室になるのか疑問に思います。

そこで、煙道を設置する根拠を確認してみます。
煙突(煙道)の構造に関しては、建築基準法施行令や消防法(に基づき規定される自治体の火災予防条例の条項)などに規定されています。

○建築基準法 第百十五条
三  煙突は、次のイ又はロのいずれかに適合するものとすること。
イ 次に掲げる基準に適合するものであること。
(1) 煙突の小屋裏、天井裏、床裏等にある部分は、煙突の上又は周囲にたまるほこりを煙突内の廃ガスその他の生成物の熱により燃焼させないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。

上記のとおり、小屋裏においては、たまったホコリが燃えるといったことがないように特段の構造を求めています。

厨子二階と言っても、我が家のようなボロ屋の場合は、いつの間にかホコリが堆積している可能性があります・・・
また、万が一煙突で問題が生じたときには、煙道により煙突が不燃材で囲われた状態になっているため、延焼を遅らせる効果もあると思います。

そこで、厨子二階は小屋裏とみなし、二重煙突に加え煙道を設置することにします。

煙道は煙突を不燃材で囲ったものになります。
今回煙道を設置する箇所は、煙突が曲がり配管になっていることや障害物(屋根の梁)があることから、ややこしくなりそうです・・・

stove2-7

煙突と梁との離隔は200mm以上ありますが、煙道を設けることでより安全が確保できそうです。

煙道のサイズは、煙道内を点検できるように大き目(煙突外面と不燃材との離隔を300mm確保)とします。

煙道の骨組みは木材(可燃材)で作り、その内側にケイカル板(不燃材)を張ることにします。
煙道の内側(煙突側)に木材が表れないようにするには、単に4本の柱(木材)を立てるだけではうまくいきません。
さらに梁を覆うように天側にも木材を組む必要があります。

頭のなかだけでは混乱しますので絵を描いてみます。

flue

思った以上にややこしいです。
「厨子二階なので煙道はいらないよ!」と悪魔が囁きます・・・

<続きます>

薪ストーブの導入(11)ストームカラーの自作

前回、ストームカラーを自作することにし、その図面(展開図)を作製しました。

storm_collar_design

今回は実際に作製します。

まずは展開図を原寸大で印刷し、トタンを切るための形紙とします。

img_4119

トタンは安価とは言え、いきなり作るとサイズが合わず無駄にしてしまうおそれがあります。
そこで、原寸大のモデルを作って試すことにします。
トタンの代わりに廃材の繊維強化樹脂?(トタンより切断が容易)を使います。

img_4120

形紙を貼り付け、ハサミで裁断します。

巻きます。

img_4121

形紙だけを見ていると、円錐の下部が本当に斜めカットになっているのか確信が持てなかったですが、ちゃんとなっています!

では、実際に煙突瓦に取り付けサイズを確認します。

img_4125

ちょうど良い感じですので、このサイズで決定です。

ではトタンを使っての本番です。
先ほど作製したモデルの輪郭をなぞって罫書きます。

img_4128

罫書き線に沿って万能鋏(または金切り鋏)で切り取り、組み立てます。

img_4130

綴じ合せは、将来の交換時に容易に外せるようにボルト(SUS)締めとしています。

取り付けのために屋根に上がってみると、養生のために被せてあった薄いシートに雨水が溜まり破れそうになっています・・・
早く上部の煙突(Pトップ等)を取り付けなければなりませんね。

img_4158

煙突上方から被せるようにして取り付けます。

img_4160

煙突とストームカラーとの隙間(片側1mm)の充填(シーリング材使用)は、上部の煙突を取りけてからにします。

今考えると、余裕をみて隙間を設けましたが、隙間なしでボルトできつく締め上げたほうが良かったように思います。
あと、うっかりして綴じ合せ箇所を長いほうの母線にしてしまいましたが、短いほうにすべきですね!

<続きます>