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井戸の再生(29)床下換気口設置

前回、井戸を水源とする配管を拡張する前段階として床下点検口を設置しました。

この床下点検口の箇所で配管を本管から分岐させ、風呂や洗面でも井戸水を使えるようにする考えです。
本管のパイプは、この床下点検口に隣接する外壁を貫通させ、さらに下流側(屋外の散水栓)へと繋ぎます(下図で朱色の囲み)。

外壁の貫通方法を検討するため、床下点検口から外壁周りの詳細を確認したところ下図のとおりでした。
ちなみに、この外壁は20年程前のリフォームで新しくしたもので、土壁ではなく、トタン(外壁)+断熱材+石膏ボード(内壁)の構造になっています。

<縦断図>

屋内側の床下は土間コンが打たれていますので、パイプは屋外に出てから地中に潜るようにせざるを得ません。
そこで、外壁箇所は土台の上をパイプが越す形にしています。
一方の終点側について、接続すべき既設管(VP13A)の位置は分かっているのですが、そこへ行くまでの間に汚水管や水道管(上水道を水源)などの支障物が横断しているものと思われます。
これらをかわして配管する必要があるものの、実際に掘って確認しないことには分かりませんので、上図では適当に起・終点のパイプを結んであります。

同じ箇所を平面でみたものが下図になります。

<平面図>

外壁箇所は、土台に柱が3尺間隔で立ち、それらの間に間柱が入っています。
また、今回の給水管(VP13A)の敷設にあわせて排水管(VU65A)も一緒に入れておきたいと思っています。
そこで、間柱を挟んで給水管と排水管を配置しています。

外壁の貫通部を正面からみると下図のとおりです。

<立面図>

給水管と排水管を貫通させるには、外壁のトタン板を切って260mm角の開口(上図で朱色四角)を設ければ良さそうです。

上図のとおりトタン板をカット(ジグソー使用)。

土台や間柱が現れました。

この付近は20年前にリフォームしていたため、3年前の改修工事では一切手をつけていません。
このため、土台の状態(シロアリ等にやられていないか)が気になっていたのですが、状態が良くて一安心。

土台の木肌が綺麗なため20年前のリフォームで入れ替えたのかとも思ったのですが、古釘が打たれていることから元々の土台に違いありません。

また、この付近には床下換気口が存在しないため、この機会に設置しておくことにします(下図で朱色丸印)。

床下換気口には安価(1個500円程度)なステンレス製の丸ガラリ(φ100)を用います。

この丸ガラリに接続するパイプとして、これまでは一般的な塩ビ管(VU管:排水用)を使っていました。
しかし、換気用の塩ビ管(SU管:特殊薄肉管)もあることを知り、今回はこれを使っています。
ちなみに、それぞれの仕様は呼び径100mmの場合、次のとおりです。

  • VU管:外径114mm、内径107mm、肉厚3.1mm
  • SU管:外径106mm、内径100mm、肉厚3.0mm

丸型ガラリと接続する場合、塩ビ管がメス側になりますので、VU管だと内径が大きい分、両者の接合具合が弱くなるのかもしれません。
ちなみに、SU管はこうした用途用に20cmの長さでカットされたものが売られているため、切断の手間が不要です。

SU管の外径(106mm)で穴をあけます。

以前、土壁のところに丸型ガラリを設置したことがあるのですが、そのときは土壁に穴をあけるのに苦労しました。
そう思うと、トタン板も案外良いものです。

SU管を設置。

このとき、屋内(床下点検口)から屋外側(外壁)を見ると下写真のとおりです。

ガラリを挿し込み、外周をシーリングして完成です。

<続きます>

井戸の再生(28)床下点検口B設置

前回、井戸水を水源とする配管の拡張を検討した結果、昨年、ボイラーの導入に伴い宅内に引き込んである配管を延長することにしました(下図で水色・桃色の点線)。

この配管の延長では、主屋の外壁を何らかの形で貫通させて屋外(散水栓)の既設管に接続することにしています。

貫通箇所の配管については、宅内側(床下)は土間コンが打たれているため、外壁を越してから地中に潜ることになると考えています。
しかし、この外壁は20年程前のリフォームで新しくしたもので、どのような構造になっているか分かりません。
外壁のトタン板を剥がせば確認できるものの、それだけで大ごとになりそうです。

一方、この外壁の屋内側には、配管を風呂などに分岐させるために床下点検口(下図で朱色四角)を設置する考えです(漏水防止のため、床下点検口の箇所以外ではパイプの継ぎ手を設けません)。

この床下点検口を設置すれば、そこから外壁の構造を確認することができます。
そして外壁のトタンを剥がさなくても済みますので、この床下点検口を先行して設けることにします。
床下点検口は上流側に1箇所設置済みのものがあり、ここで配管を90°分岐させるものとし、ここから東側(上図で右側)に延長したところに新たな床下点検口の位置を設定しています。
また、床下に3尺間隔で設置されている大引きの(想定)位置も外すようにしています。

今回、床下点検口を設ける場所は風呂の脱衣所兼洗面所になっており、床にはクッションフロア(塩ビ系の床材)が貼られています。

このクッションフロアを含めてジグソーを使って床板(450mm角)を切り抜きます。
大引きに当たることもなく無事、切断完了。

根太については2本切断(開口のサイズ(450mm角)から根太(@303mm)を1本か2本切ることになります)。
また、根太や大引きの向きは東西方向で、前回の床下点検口の設置箇所(南北方向)とは異なっていました。

切り抜いた床から構造を確認しておきます。

<上部から>

  • クッションフロア:厚さ1mm強
  • 合板(2層目):厚さ12mm
  • 合板(1層目):厚さ12mm
  • 根太:55mm角

このうちクッションフロアだけは蓋に再利用しますので、破らないように慎重に剥がします。

切断した根太の代わりに補強用の根太を開口部の両側に設置します。
垂木材(1寸8分×1寸5分)を既設の根太の高さ(55mm程度)と同じになるように自動カンナ盤で調整。

補強用の根太を設置。

この補強用の根太に、床下点検口の枠を受けるための桟(適当な端材)を取説に記載の深さに取り付けます。

枠を取り付けます。

枠の色はブロンズとシルバーの2色の設定があります。
前回はフローリングの床に設置したためブロンズとしましたが、今回はクッションフロアのためシルバーしました。

続いて、蓋部分を作っていきます。
取説に記載のサイズでクッションフロアと合板を切断します。

合板は廃材の再利用で釘穴があったためパテで埋めています。

取っ手設置用の穴をあけます。

枠の高さの内寸は15mmになっています。
クッションフロア(厚さ1mm強)と合板(厚さ12mm)では13mm(=1+12)となり、枠に対して2mmほど厚さが足りません。

本来であれば不足分の2mm厚の板材を全面に張ったほうが良いのでしょうが、端材(サクラ)を2mm厚に挽き割り、それを周囲の4辺にだけ回すことにします。

挽き割った材(2mm厚)を木工用ボンドで貼り付け。

枠にはめ込み、取っ手や補強材を取り付けます。

蓋部分の出来上がり。

蓋をはめて床下点検口の完成です。

<続きます>