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耕作放棄地の再生(27)雑木林への移行

長年、耕作放棄状態だった谷津田(約1反=1,000m2)について、3年前から定期的な草刈り(年3回)などの管理を行っています。
定期的に草刈りを行うことで植生が変わり(一例:ノイバラ→ミゾソバ)、耕地については年々、草刈りの負担が減ってきています。
谷津田のため耕地の両側には里山が隣接しているのですが、その片側(南側)は竹(モウソウチク)が侵入して厄介なことになっています。

特に林縁部の荒れ方が酷く、3年前は下写真のとおりでした。

これを毎冬、耕地側から奥に向かって順に伐採を進めています。
下写真が現在の状態です。

竹が山全体に広がっていますが、全体的に黄変した竹が目立つことから(この時期はもう少し緑色なのが本来)、林縁部の竹は衰弱しているようです。

このため、前年の伐採により空間が生じたところに隣接する竹が次から次へと倒れてくるのです。

倒れている竹の根元を確認すると大きな根株ごと倒れています(通常、青竹がこのように倒れることはありません)。

竹は地下茎をネットーク状に張り巡らせていますが、おそらく地下茎が山の奥側へと後退しており、そのため、取り残された竹の地上部が根株とともに倒れたものと思われます。

その証拠ともなりますが、2、3年前に伐採した竹の切り株で、耕地に近いものは容易に引き抜けるのです(通常は竹を伐採しても周囲の地下茎が生きているため数年経っても切り株はビクともしません)。

竹の切り株が残っていると下草刈り時の支障になるため(刈払機を当ててしまい危険)、抜けるものは引き抜いておきます。

最終的に竹を無くして雑木林へ移行させたいと考えています(移行後も隣地の竹が侵入してくるため、タケノコの段階で収穫し続ける必要があります)。
これまでに竹を伐採したところには既に雑木が自生してきていますので、下草や蔓を刈っておきます。

ここには竹だけでなく大きな雑木(エノキ、イヌビワ)もあったのですが、竹の勢いに押されて下写真のとおり極端に前傾していました。

作業の支障にもなるため、2年前に伐採し、ちょうど今、薪ストーブの燃料として暖を採らせてくれています(エノキは火持ちも良くて最高の薪になります)。
伐採後の切り株からは新たに萌芽し、既に3mを超える高さになっています。
芽かきし、勢いの良いものを2、3本残るように整理しておきます。

エノキ
イヌビワ

今度は真っ直ぐに育ってくれることでしょう。

倒れている竹を整理するとともに奥側へと竹の伐採を進めていきます。

斜面の上端に大きなカシの木(上写真で朱色矢印)がありますが、前方に障害物が無くなったこの機会に伐採したいと思っています。
とりあえずは竹の伐採を進めるとし、カシの木の周囲の竹を伐採します。

これで斜面の上端まで竹の伐採が完了しました。

そして、山の上の状態は・・・

こちらも竹が密集しています。
しかし、林縁部のような荒れ様ではありません。

まずは、倒れている枯れ竹を片付けます。

枯れ竹を片付けただけで随分とスッキリしました。
この状態で何も支障はありませんので、今後も同様に枯れ竹を除去するとともに新竹をタケノコの段階で全て収穫すれば徐々に雑木林に移行できそうです(竹を無くしても良い場合にはこの方法が最も容易だと思います)。

林内にある大きな雑木は竹の勢いに押されてほとんどが枯れてしまっていますが、新たな雑木も生えてきています(下写真はイヌマキ)。

竹を減らしていけば、今度はこうした雑木が大きく成長していくことでしょう。

里山再生:竹の間伐と使用道具

自宅に隣接する里山(約30a=3,000m2)について、5年前から整備し始め、前回で当初計画分(竹の間伐及び竹林エリアの縮小)は無事完了しました。

次の計画として、さらに竹林エリアを縮小すべく(竹林:雑木林=10a:20a)、下図の紺色破線で囲む箇所(約10a)について今後5年程度をかけて竹を無くしていく考えです(一度に竹を皆伐すると林内の日当たりが良くなり過ぎて下草刈りに追われかねないため、時間をかけて雑木林に移行させる考えです)。

この箇所の現状は下写真のとおりで、竹は1坪1本程度の密度になっています。

今シーズンは、これを2坪1本程度の密度になるよう間伐することにします。
つまり、2本に1本を伐採します。
そして、間伐完了。

写真では余り変化がないように見えますが、実際には林内が相当明るくなっています(下草が生えることを考えると、これが限界?)。
清々しくも感じ、作業していても気持ち良いです。
竹には殺菌作用もあるそうで、私自身、冬に風邪をひかなくなったのも、こうして竹林で作業しているのが功を奏しているのかもしれません。

僅か5年前は下写真の状態で、林内で一人作業していると幽霊が出てきそうな感じで怖かったのを覚えていますが、5年でここまで変わるものです。

元々、ここは山と言っても小高い丘陵地の斜面部分で、幅は2、30m程度しかありません。
そして、この上側が畑や屋敷(自宅)になっているため、特に林内が明るく感じられるのでしょう。

反対の下側には水田が広がっており、竹を間伐したことで、木立の間から水田の様子が窺えるようになりました。

ところで、今回の間伐(1本/3.3m2→1本/6.6m2)で伐採した竹の本数は約150本(=1,000m2÷6.6m2/本)になります。
竹の種類がマダケ(モウソウチクのように太くない)で、既に坪1本の密度になっているため(掛かり木になることが少ない)作業は容易なのですが、それでも本数が多く大変です。
このため、竹の伐倒及び玉切りにはチェンソーを使っています。
チェンソーは昨シーズンまではエンジン式のもの(下写真で奥側:ゼノアGZ360EZ、14in.)を使っていたのですが、今シーズンから充電式の小型のもの(下写真で手前側:マキタUC121D、4.5in.、竹用ソーチェーン装着)を使っています。

この充電式のチェンソーは電動工具(やクリーナー)のバッテリー(14.4V)が使え、本体のみであれば2万円少々と比較的安価です(エンジン式は倍以上の価格)。
もちろん性能もそれなりで、エンジン式に比べると遥かに非力で、その違いは丸ノコとジグソーと言った感じです。
しかし、竹(マダケ)を伐るには十二分のパワーで(モウソウチクには非力です)、何より安全に作業できるのが最も良いと感じています(木の伐採時と異なり、アイドリング状態で移動することが多いこと。刃の回転速度が遅いことなど)。
これに加え、トップハンドルのため玉切りがしやすく、伐倒・玉切りの作業が本当に捗ります(エンジン式チェンソーを使っていたときの倍程度)。

そんなわけで伐倒・玉切りばかりやってしまい、枝払いの作業が溜まってウンザリしてしまうのですが・・・。
ちなみに、竹の枝払いは鉈(下写真)を使って行います。
と言っても鉈の刃で切り落とすのではなく(刃が欠ける)、鉈の背(峰)を枝の付け根に打ち込むと容易に枝を払えます。

写真は枝払いしているところではありません・・・。

しかし、この方法が使えるのもマダケまでで、モウソウチクともなると困難です。
このため、モウソウチクの枝払いには竹ひきノコ(下写真で下の手鋸)を使っています。

手鋸は替え刃式が主流で、新しい刃に取り替えれば切れ味が復活するのは良いのですが、一般的な竹ひき用の替え刃は千円以上し、1シーズンに何本も交換するとなると私のような貧乏人には厳しいものがあります。
そこで、私が愛用しているのは上写真にあるゼットソーの 「竹ひきのこ240」です。
ゼットソーと言えば大工用ではトップブランドですが、山仕事ではマイナーかと思います。
しかし、ゼットソーだけあって切れ味は申し分無し、それでいて価格が1本500円弱と安価なのです。
さすがに柄が大工用のもの(木の棒)では使いにくいため、ピストル形状のもの(ゼットソーピストル265柄)に換え、専用の鞘(ゼットソー・パイプソー共通鞘)に入れて使っています(上写真)。

ところで、竹ひき用の鋸刃は目が細かく、製品によっては塩ビ管の切断用にも使えるとされています。
ゼットソーの場合、塩ビ管の切断用として別途「パイプソー240」のラインナップがあり、これを「竹ひきのこ240」と比較すると下写真のとおりです。

素人目にはパッケージだけが異なるようにしか思えず、パイプソーで竹を切っても同じように感じます。
こうしてわざわざ比較したのは、実はパイプソーは竹ひきのこよりも更に安く、1本300円程度で購入できるからです。
両者の価格差は販売量の違いによるものだと思い、今では竹ひきにもパイプソーを使っています(ケチくさい話しになりました・・・)。