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里山再生:竹林エリアの縮小

冬の週末は里山整備を中心に作業しています。
そのうち自宅に隣接する里山(約30a=3,000m2)については5年前から始めましたので、この冬で6シーズン目になります。
当初は竹ヤブと化していたため、最初の3年で竹(マダケ)を坪1本程度の密度になるように間伐しました(10a/年のペース。この作業が最も大変でした)。
その後、春に成長させたタケノコに相当する本数を冬に伐採することで坪1本の密度を維持するとともに竹の更新(5年サイクル)を図っています。

これと同時に、下図で黄色着色箇所(約1/3=10a)については、元々は雑木林(クヌギ)であったことから、雑木林に戻すべく、年々、竹の本数を減らしていっています(3年前からはタケノコの時点で全て収穫することで新竹も生やしていません)。

このため、このエリアの竹は下写真のとおり疎らに点在している状態になっています。

2018年3月撮影

竹が少なくなったことで、その分、雑木が勢いよく成長し始めています。
この状態であれば、残っている竹を伐採しても林内に雑草が蔓延ることはなさそうですので、今シーズンに残りの竹を皆伐することにします(一度に皆伐すると林内の日照が良くなり過ぎて下草刈りに追われかねないため、時間をかけて徐々に竹と雑木を入れ替えるような形にしています)。

残っている竹を全て伐採。

このエリア(約10a)から竹が無くなりました。
もちろん根は残っているため、3年程度は春にタケノコが生えてきますが、タケノコの段階で全て収穫しておけば根も後退していくことでしょう。
繁殖力が旺盛な竹は、里山の荒廃とともに全国で問題になっていますが、ある程度管理して竹ヤブにさえしなければ意外と扱いやすい植物なのかもしれません。

このエリアに古くからある大木はクヌギなどの落葉樹なのに対し、新たに成長している雑木はヤブツバキなどの常緑広葉樹(照葉樹)がほとんどです。

やはり当地のような温暖地では照葉樹林になるのが自然なようです。
竹の皆伐後にはクヌギを植樹するつもりで苗木も育てているのですが、ツバキなどの雑木も良質の薪になりますので(成長が遅い?)、余計なことはせずにそのままで良いのではないかとも思うようになってきました。

さて、これで当初考えていた竹の間伐(皆伐)を中心とする整備は5年かかって全て完了しました。
今後は、竹林のエリア(20a)について、現状を維持すべく毎年、竹を更新していけば良いことになりますが、新たな課題も見えてきました。
それは20a(2,000m2)程度の広さの竹林でも、想像以上の竹(1年120本=2,000m2÷3.3m2/本÷5年サイクル)が発生することです。
伐採竹はボイラーの燃料として使うようにしているものの、1年に120本も必要ありません。

また、地元の長老などから話しを伺うと、竹を多用した昔でも、これほど竹林は広くなく、どうも下図で旧道(赤道:あかみち)より下側(南側)だけだったようです(昔は桶屋さんが竹を買いにみえたりして、竹林として相当整備されていたそうです)。

そこで、竹林のエリアをさらに縮小し、下図のとおり全体の1/3(10a)程度にすることにします。

このため、上図で紺色破線で囲む箇所について、今後5年程度かけて竹を無くしていくとともに雑木林へと移行していきたいと思います。

里山再生:今シーズン開始と門松作製

5年ほど前から冬の週末には里山の整備を行っています。
例年、この時期に門松用の竹を伐採するのに合わせて作業をスタートしており、今シーズンも同様に竹の間伐から始めることにします。

既に坪1本程度の密度になっているため、今春に筍を成長させた本数相当分を間伐して現状を維持します。

上写真では竹が密集しているように見えますが、上空を仰ぎ見ると下写真のとおり疎らな感じになっています。

そして、間伐した竹を利用して門松を作ります。
詳しい作り方は一昨年にブログ記事にしていますので、今回は手順を示すに留めたいと思います。

  • 大:φ90mm、L=1,200mm
  • 中:φ80mm、L=880mm
  • 小:φ60mm、L=650mm

門松のサイズは下図のとおりとし、元と末の太さの違いを利用して大・中・小のサイズ(後で切り揃える分を見込んで長め)に切り出します。

上部をバンドソー(帯鋸盤)と治具を使って斜めに切ります。

このとき節を挟むようにして切ると、断面が笑顔のように見えるようになります。
上写真のような治具を使うと、前もって切断の始・終点を掴め、容易に節を挟んで切ることができます。

切断完了。

我が家は1対分あれば良いのですが、年々、近所の方などから作ってほしい(竹を組むところまで)と頼まれることが増え、この本数に。

長さが同じになるように切り揃えます。

水拭きして汚れを取り除いたうえ、表面に油(亜麻仁油など)を補います。

油分を補うことで、少し古いためでも青竹らしい色艶が復活します。

大・中・小を組みます。

下部は鉢の中に入って見えなくなりますので、竹に切り込みを入れて紐でキツく縛っています。

ここまで出来たところで、白紙を背にして記念撮影!?

来年の年賀状をまだ作っていないので、この門松の写真を素材にして作ろうかと思っています。

さて、組んだものを鉢に立て、山砂を入れて固定します。

竹に添える松の枝がないため、ハランの葉で代用します。

あと、葉牡丹などの飾り付けや、鉢の周りを藁コモで巻けば完成です。
ただ、藁コモが野良猫の寝床になってしまうため、残りは年末に行うことにします。

下写真は今年の正月のもので、こんな感じに仕上げるつもりです。

ところで、先日、近所のホームセンターに寄ったところ、完成品の門松が売られていました。

わざわざ山から竹を伐り出してきて手間を掛けて作らなくても、こうして完成品を買える時代なのです。
ただ、値段を見ると我が家の懐事情には厳しい感じです・・・。