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電動ハンマーのメンテナンス(2)オーバーホール

ジャンク品の電動ハンマーをメンテ・再生することにし、前回、モーター(アマチュア)のベアリングを新品に取り替えました。

これでモーターは問題ないはずですが、グリスの状態を確認するためクランクケース内を確認したところ、クランクシャフトとピストンを連結する部品(下写真で朱色矢印。コネクティングロッド)が破損していることが判明しました。

破損したコネクティングロッドがシリンダー内に散乱しているはずで、それを除去・掃除するためにもバレル(この中がシリンダー)を分解していきます。
本体とは六角穴付きボルトで留められているのですが、これが固く締まって外れない・・・。

ラスペネ(CRCの高性能版)を2、3日吹き掛け、インパクトドライバーで緩めようとするもビクともせず。
結局、六角棒レンチをパイプで延長して力を掛けて何とかボルトを外すことに成功しました(テコの原理は偉大です)。

ところが一難去ってまた一難。
以前所有していたHM0810と同様、バレルの中がシリンダーになっていると思っていたのですが、この機種(HM0830)はバレル内に別途シリンダーが挿入されています。
そのシリンダーの抜き方がわからず、1週間以上作業がストップすることに・・・。

引っ張り抜こうとして苦労していたのですが、上写真の朱色矢印で示す方向で竹筒を叩き込んでシリンダー(下写真で朱色矢印)を押し出すことに成功しました。

上写真のとおりバレル内にはシリンダーだけではなく、いくつかの部品が入っています。

汚れたグリスで酷いことになっていますので、灯油で各部品を洗浄します。

綺麗になったところで各部品をチェック。
破損しているのは先のコネクティングロッドだけで他は特段問題なさそうです。
ただ、Oリングは消耗品的なものですので、この機会に全て取り替えることにし、コネクティングロッド(下写真で左側)とともにメーカーから取り寄せました(全てで1,000円程度)。

新しい部品が手に入ったことで元通り組み立てていくことにしますが、その際、グリスは何を使うべきか??
リチウムグリス?シリンコングリス?モリブデングリス?
モリブデングリスのような気がしますが、ここはメーカーの専用グリスを使うことにします(1本約200円。グリスの種類は明記されていません)。

各部品にグリスを塗りつつ組み立て。

残ったグリスをクランクケース内に入れておきます。

前回メンテしたモーター部分と合体させます。

振動で外れたのか上写真の朱色矢印で示すネジが無くなっていましたので、これもメーカーから取り寄せました。

そして、組み立て完了。

ハツるコンクリートが無いため、とりあえず砂利敷きの地面を叩いてみると軽快に動作します!

とりあえず、新しく購入した部品類が無駄にならずに済み、ひと安心です。

問題なく動作することがわかったところで、電源コードも補修しておくことにします。

電源コードのシース(上写真で朱色矢印)に亀裂が生じています。
上写真の亀裂箇所は本体(スイッチ)に近いためコードを切り詰めることにします。

コードはVCTFですが、さすが過酷な環境で使われる工具だけあってシースが二層になっています。

圧着端子を取り付け。

スイッチに結線。

シースの亀裂は他にもありますが、中間のものは切り詰めるわけにもいかないためビニールテープで簡易補修(亀裂はシースのみです)。

そして、メンテ完了です!

これで、敷石の作業が進みそうです。

電動ハンマーのメンテナンス(1)コネクティングロッド破損

前回、飛び石と敷石の一部を整備しました(実際には今年5月連休に実施)。

下写真はその作業時のものですが、写真右上にツルハシが写っています。

砂利敷きの通路に敷石を行うため、ツルハシを使って固く締まった砂利をほぐしたわけです。
昔ながらのツルハシを使わずとも電動ハンマーを使えば楽なのですが・・・。
その電動ハンマーですが、当分コンクリートをハツる予定がないことから手放してしまったのです(砂利をほぐすのに電動ハンマーが使えることを忘れていました)。
敷石は今秋か来春に続きを行うつもりですので、それまでに再入手しようとヤフオクを注目していたところ、またしても怪しげなジャンク品(商品説明は「通電のみ確認済」)を見つけて購入してしまいました!

以前所有していたものと同じマキタ社製で、型番はHM0830です。
以前の型番がHM0810でしたので、その後継機になるのだと思います。
HM0810を分解メンテしたことがあり、おおよその構造を知っているため後継機ならジャンク品でも何とかなるだろうと甘く考えたわけですが果たして!?

で、電源につないで恐る恐るスイッチを入れてみるとモーターは動くものの、明らかな異音と振動が・・・。
ブルポイントを装着して試しに何かハツってみたいと思っていたのですが、とてもできそうな状態ではありません(5秒以上動作させられない感じ)。

異音や振動の原因として、まず思い浮かぶのがモーター(アマチュア)のベアリングの不具合です。
そこで、いつものようにアマチュアを抜き出してベアリング(下写真で朱色矢印)の状態を確認。

ベアリングは大小2個ありますが、小さい方が中国製の互換品に交換されており、そちらの動きが少し悪いように感じます。
ただ、これが異音や振動の主原因ではないようにも思いますが、この機会に2個とも信頼のNTN社製ベアリングに交換しておくことにします(2個新品に交換しても500円程度です)。
まずは既存のベアリングをシャフトから引き抜きますが、大きい方(上写真で右側)のベアリングの外側にスリーブ(上写真で水色矢印)があり、シャフトにきつく嵌合されています。
これをどうやって取り外すのか??
ひと晩思案するも良い考えが思い浮かばず、結局、プーラーの爪を掛けるところもないため強引にベアリングとともに引き抜くことに。

2個のベアリングを同時に引き抜くようなものですので、上写真のとおりベアリングプーラーをバイスで固定したうえ、プーラーのハンドルをパイプで延長して(テコの原理)力を加えています。

ハンドルが折れてしまうのではないかと心配しつつも、なんとか無事引き抜けました!

続いて、新しいベアリングをシャフトに差し込みます。

先のスリーブは上写真のとおり古いベアリングとプラグレンチを使って叩き入れました。

ベアリングの取り替え完了。

元通り組み立ててモーター部分はとりあえずOKです。
しかし、モーターはOKとしても、あの異音と振動はモーターだけの問題ではないように感じます。
そこで、グリス切れを起こしていないか、クランクケース内を確認したところ、下写真(メンテ後に撮影したもの)の朱色矢印で示す部品(合成樹脂製)が破損しているではありませんか!

この部品はモーターの回転をピストンの往復運動に変換する(エンジンの逆)部品のひとつ(クランクシャフトとピストンとを連結)で、コネクティングロッドと呼ばれます。
このコネクティングロッドの破損によりピストンが動作しないだけでなく、異音や振動が生じていたわけです。
コネクティングロッドの破片がシリンダー内に散らばっているでしょうし、他にも破損している部品があるかもしれませんので、結局すべて分解して点検整備しないといけなさそうです。

<続きます>