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耕作放棄地の再生(28)カシの伐採とクヌギの植樹

前回で、山の斜面部分については竹(孟宗竹)を全て伐採しました。
この斜面の上端には大きなカシの木(アラカシ、下写真で朱色矢印)があります。

竹を伐採したところは雑木林に移行させる考えで、既に地生えの雑木や切り株から萌芽したものが成長しています。
将来、これらが大きくなると、上記のカシを伐採するのが難しくなります。
このため、伐倒方向に支障物が無くなったこの機会に伐採することにします。
とは言え、相当大きい木です・・・。

樹高は孟宗竹から頭ひとつ分出ている感じですので(このため孟宗竹に負けることなく生き残ることができた?)、優に20mを超えます。
私のような素人が扱えるレベルを超える大きさですが、伐倒方向&木の傾斜方向に障害物がないため比較的安全に作業できそうです。
技術的にはクリアできるとしても、果たしてこのような大木を安易に伐採しても良いものかどうかと感じ、実行に移せないまま数週間が経過・・・。
伐採後は薪ストーブなどの燃料として利用しますが、このような大木であっても、ひと冬の燃料にもなりません。
そう思うと、私自身が伐るに値する人間なのだろうかと思わざるをえないのです(一方、灯油などの化石燃料の場合に気になるのはお金(高い or 安い)のことだけです。自らの手で行うことは非常に重要なことかもしれません)。

それでも気持ちの整理がつき、チェンソーを持って現場へ。
田面側に向けて伐倒。

根元の太さは40cm程度。

根元から数本の幹が株立ちしており、その主幹を今回伐採しました。

残った幹のうち比較的太いものは、これまで竹が密集していたため、光を求めてほとんど水平方向に伸びています。
将来的にはこれらも伐採し、まっすぐ上に伸びるものを残すのが良さそうです。

大木が無くなったことで、山側の景色が随分と変わりました。

枝を払いつつ玉切りしていきます。

カシは乾燥しても割りやすいため、特に急いで薪割りする必要はありません。
ところで、今回カシの木を伐採したことで、今後、斜面に向けて倒す木や竹はなくなりました。
そこで、薪割りは一旦横に置いておき、斜面への植樹を先行することにします。
植樹するのは、2年前に種を播いたクヌギです(北側斜面のため陽樹のクヌギを選定)。
畑で旺盛に成長し、既に高さ1mを超えています。

これ以上大きくなると移植するのが大変になりますので、休眠している今のうちに掘り出して移植することにします(クヌギは落葉樹)。
クヌギは深根型のため、根も樹高(1m)と同じぐらいの深さまで張っているはずですが、そこまで掘るのは大変です。
横着して根の浅いところにスコップの剣先を入れて掘り上げます。

根を確認すると、まだ十分な根鉢ができておらず、ほとんど直根だけのような状態です。
こんな状態で直根を切ってしまって大丈夫でしょうか・・・。
とりあえず上下部のバランスが取れるようにと上部も切り詰めておきました。

このように大きくなると掘り上げるのが大変になるため、一部は昨春に竹製ポットに植え替えました(下写真で朱色矢印がクヌギ)。

竹製ポットに植え替えても枯れることなく成長しているものの、高さは50cm程度と地植えのもの(樹高1m)に比べて成長が遅いです(来年に移植予定)。
上写真の竹製ポットにはユズ(実生1年、ミカンの台木用)もあり、なんとか無事冬を乗り越えました。

掘り上げたクヌギを移植する場所は下写真で丸印で示す箇所にします。

田圃への進入路跡(上写真で朱色線)が見つかっていますので、将来的に通路を再生できるように、そのキワになるように配置しています。

1本目を植え付け。

2本目を植え付け。

無事、根付きますように。

植樹を終えたことから、薪作りを再開します。
玉切りしたものを軽トラックに積んで自宅に持ち帰ります(下写真は一部)。

斧を使って薪割り。

カシは割りやすい木で、しかも生木のため気持ち良いほどに割れます。
そして、筋肉痛にならない程度の運動量で完了。
2年前は薪割りに不慣れなのに加え、割る時期が遅くなってしまって大苦戦したことを思い出します。
そのときは、私のような非力なものにはとても斧での薪割りは無理だと感じ、エンジン式薪割り機(20〜30万円)の購入を考えたものです(結局は購入せず)。
しかし、今になっては、我が家の1シーズンの使用量(広葉樹で約4m3、上写真で奥側に写っているものを含めて4〜5m3)であれば、斧(2本)で十二分だと感じています(と言いながら、節の部分用に手動式薪割り機を所有しています)。

耕作放棄地の再生(27)雑木林への移行

長年、耕作放棄状態だった谷津田(約1反=1,000m2)について、3年前から定期的な草刈り(年3回)などの管理を行っています。
定期的に草刈りを行うことで植生が変わり(一例:ノイバラ→ミゾソバ)、耕地については年々、草刈りの負担が減ってきています。
谷津田のため耕地の両側には里山が隣接しているのですが、その片側(南側)は竹(モウソウチク)が侵入して厄介なことになっています。

特に林縁部の荒れ方が酷く、3年前は下写真のとおりでした。

これを毎冬、耕地側から奥に向かって順に伐採を進めています。
下写真が現在の状態です。

竹が山全体に広がっていますが、全体的に黄変した竹が目立つことから(この時期はもう少し緑色なのが本来)、林縁部の竹は衰弱しているようです。

このため、前年の伐採により空間が生じたところに隣接する竹が次から次へと倒れてくるのです。

倒れている竹の根元を確認すると大きな根株ごと倒れています(通常、青竹がこのように倒れることはありません)。

竹は地下茎をネットーク状に張り巡らせていますが、おそらく地下茎が山の奥側へと後退しており、そのため、取り残された竹の地上部が根株とともに倒れたものと思われます。

その証拠ともなりますが、2、3年前に伐採した竹の切り株で、耕地に近いものは容易に引き抜けるのです(通常は竹を伐採しても周囲の地下茎が生きているため数年経っても切り株はビクともしません)。

竹の切り株が残っていると下草刈り時の支障になるため(刈払機を当ててしまい危険)、抜けるものは引き抜いておきます。

最終的に竹を無くして雑木林へ移行させたいと考えています(移行後も隣地の竹が侵入してくるため、タケノコの段階で収穫し続ける必要があります)。
これまでに竹を伐採したところには既に雑木が自生してきていますので、下草や蔓を刈っておきます。

ここには竹だけでなく大きな雑木(エノキ、イヌビワ)もあったのですが、竹の勢いに押されて下写真のとおり極端に前傾していました。

作業の支障にもなるため、2年前に伐採し、ちょうど今、薪ストーブの燃料として暖を採らせてくれています(エノキは火持ちも良くて最高の薪になります)。
伐採後の切り株からは新たに萌芽し、既に3mを超える高さになっています。
芽かきし、勢いの良いものを2、3本残るように整理しておきます。

エノキ
イヌビワ

今度は真っ直ぐに育ってくれることでしょう。

倒れている竹を整理するとともに奥側へと竹の伐採を進めていきます。

斜面の上端に大きなカシの木(上写真で朱色矢印)がありますが、前方に障害物が無くなったこの機会に伐採したいと思っています。
とりあえずは竹の伐採を進めるとし、カシの木の周囲の竹を伐採します。

これで斜面の上端まで竹の伐採が完了しました。

そして、山の上の状態は・・・

こちらも竹が密集しています。
しかし、林縁部のような荒れ様ではありません。

まずは、倒れている枯れ竹を片付けます。

枯れ竹を片付けただけで随分とスッキリしました。
この状態で何も支障はありませんので、今後も同様に枯れ竹を除去するとともに新竹をタケノコの段階で全て収穫すれば徐々に雑木林に移行できそうです(竹を無くしても良い場合にはこの方法が最も容易だと思います)。

林内にある大きな雑木は竹の勢いに押されてほとんどが枯れてしまっていますが、新たな雑木も生えてきています(下写真はイヌマキ)。

竹を減らしていけば、今度はこうした雑木が大きく成長していくことでしょう。