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古民家の自然換気(20)竹天井

前回、付け鴨居(的なもの)に対して根太を掛けました。

この根太の間に、竹で作る天井材のモジュールを設置することになります。

この天井材のモジュールは、以前に自作した井戸蓋のようなものを考えています。

根太のピッチを下図のとおり@535mm(約1尺7寸)にしていますので、天井材のモジュールは長さ490mm(=535-45)、幅1,000mmの大きさとし、これを6個用意することになります。

材料の竹は倉庫内で自然乾燥させてある唐竹(2年前の冬に裏山で伐採)を用います。


(伐採直後の状態)

まずは、1mの長さで切り揃えます。

山から伐り出してきた竹の長さは3〜4mですので、1本の竹から幅1mのものを3本取ることができます。
また、竹の直径は約30mmですので、1つのモジュールを作るのに竹5本(=490/30/3)が必要になります。
約1坪(3.3m2)の面積の竹天井に対して、このモジュールを6個作って竹30本分(=5×6)です。
1坪に竹30本は意外と多いように感じます。
では、板材の場合はどうなのか(1坪当たりに必要となる立木本数)??
板材の坪単価には関心がいくものの、その立木の姿となると全くイメージできないような有り様です・・・。

さて、切り揃えた竹を水洗いして汚れを落とします。

2年間の自然乾燥により表面の油分が抜けていますので、亜麻仁油で補うとともに磨きます。

井戸蓋を作ったときと同じ方法で組み上げます。

あと5個、同じものを作ります。

とりあえず、出来上がったものを厨子二階側から仮置きしてみます。

問題なく設置できることだけを確認して、一旦外します(続いて行う壁塗りの支障になるため)。

ところで、こうして竹の天井材を設置して感じたのですが、竹を床材として利用するのも面白そうです。
いきなり居室の床材にするのには抵抗があるとしても、濡れ縁やウッドデッキ(木ではないので「バンブーデッキ」)としてなら最適ではないでしょうか。
超高齢社会を迎えるなか、竹踏みによる健康増進効果が期待できますので、これからのトレンドは「バンブーデッキ」で決まりですね(^_^)

<続きます>

古民家の自然換気(19)真壁と大壁との取り合い

前回、付け鴨居(的なもの)を取り付けました。

この付け鴨居の上に竹を並べることで、(自然)換気&採光を確保できる天井にしたいと考えています。

また、この付け鴨居を取り付けた側の土壁が煤で汚れているため、いずれは掃除したいと思っています。
そこで、作業時に合板をのせれば足場を確保できるように、付け鴨居に根太を掛けることにします。
この根太は、モジュールで作る予定の竹天井を固定する役目も担うことになります。

木材(杉、1寸5分角)はホームセンターでセール品(4mもの1本600円弱)を購入。

セール品ですが、プレーナーにかけたら良い感じになりました。

根太を仮置きし、配置(間隔等)を検討します。

根太の間隔が広すぎると荷重(大人1人+α)に耐えられませんし、狭いと竹よりも根太が目立ち五月蠅い感じになりそうです。

そこで、下図のとおり@535mm(約1尺7寸)間隔で配置することにします。

起終点の壁との取り合い部については、納まりが容易になるように竹ではなく杉板を張るようにしています。

一応、レベルで水平になっていることを確認します。

根太は竹天井(モジュール)の枠にもなりますので、引き締まるように古色で着色します。

板材は柿渋のみ(顔料なし)を塗布します。

材料の準備ができましたので、設置していきます。
根太と板との接合部は、隙間が生じないように角材側に溝をつけて設置します。

上写真の箇所(北側)は既存の壁に取り付ける形にできますが、反対側(下写真、南側)は途中の高さまでしか壁がないため、下地を組んで壁を拡張することにします。

ここが真壁(上写真で右側、土壁、和風)と大壁(上写真で左側、クロス壁、洋風)との取り合い部になるのですが、このような感じで納めることにしました。

15年前のリフォームによる壁は一般的な石膏ボード+クロス仕上げですが、石膏ボードの処分に困った経験から合板(5.5mm厚のベニア)を使うことにします。
また、土壁とクロス壁との取り合い部には付け鴨居ならぬ付け柱(壁チリの大きさの角材)を設けることにします。

合板を張り、隠し釘で付け柱を取り付けます。

付け柱はまだ古色塗りしておらず(他のものと後日まとめて行う予定)違和感がありますが、この隅に束柱が立っているように見えるような見えないような。

付け鴨居と付け柱を設置し、これで付け鴨居と丸太梁との間の部分(垂れ壁)を中塗りできる状態になりました。

<続きます>