柿渋の仕込み(3)

前回(8月末)、柿を砕き、水に浸けおきました。
それから2週間以上が経過しました。

前回のブログ記事には「リョウノタマ」という名前の柿を仕込むところを書きました。
その1週間後には「干し柿用の渋柿」も収穫し、同様に仕込みました。
写真は「干し柿用の渋柿」を仕込んだときのものです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから1週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込み直後

すぐに発酵が始まり、1週間でずいぶん変色しました。

そして現在は下写真のとおりです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから3週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込みから2週間経過

柿に含まれるタンニンがすでに溶出しているはずですので、次の作業となる搾汁を行います。

ちなみに破砕・加水から搾汁までの期間は1昼夜とか1週間とか色々あるようです。
今回は2週間以上になりますので、標準に比べると長いです。

さて、布を使って絞ります。

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写真のように欲張って一度に多く搾ろうとすると力が要り大変です・・・。

全て絞り終えました。

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左側(3週間経過)は、右側(2週間経過)に比べ色が濃いですね。
また、左側のほうがワインのような匂いが強いです。
アルコール発酵が進んでいるようです。

絞り粕もたくさん出ました。

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畑へ戻してやれば、よい肥料になりそうです。
自然のものは何一つ無駄にならないのが良いですね。
そして、そうさせる畑(土)の力には本当に驚きを感じます。

柿渋は、この状態で2年間熟成させます。

ただ、しばらくの間は定期的に攪拌する必要があります。
これが柿渋の仕込みで最も重要な作業かもしれません。

2年前に仕込んだときは、定期的に攪拌したため特に問題は生じませんでした。
しかし、昨年は仕込んだあと攪拌するのを少しサボったところ、いつの間にか表面にコンニャク状のものができてしまいました。

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1cm弱もの厚さがあります。
タンニンが凝固したものだと思います。

『柿渋』(今井敬潤著)には「この凝固は柿渋製造において最も恐れられているもので、コンニャク状になると樽全体がダメになる。」(正確な引用ではありません。)とあります。

ということで、昨年仕込んだものは見事に失敗ということです・・・。
しかし、このような分厚いコンニャク状のものができるというのもある意味驚きです。

失敗を繰り返さないよう今後2ヶ月程度は定期的に攪拌しようと思います。

あと、柿渋は熟成していないものでもコンクリートに付くとこのように変色します。

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この着色は落とせないそうです。
汚れてはいけないところで作業する場合はブルーシートなどでの養生が必須です。

<続きます>

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