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古民家の自然換気(32)竹による墜落防止策①

前回で天窓のシェードが完成しました。

そして、シェードの設置により日差しが和らぐことから障子天井を開けることにしました。

こうして換気とともに外気をふんだんに取り込むことで、夏の暑さ対策としたいと思っています(猛暑時は閉じてクーラー稼働)。

一方、障子天井を開けたことで、小屋裏(厨子二階)側は下写真のとおり床に穴が開いた格好になっていて危険な状態です。

厨子二階には私しか上がることはないのですが(電気配線等の管理用)、ぼんやりして墜落してしまうかもしれないため、以前から柵で囲うなどして安全対策を講じなければと考えていました。

ところで昨年、この開口と同様の目的(採光&換気)で、別の開口部を竹天井にしました。

この竹天井の上に乗る考えはなかったのですが(作業等の場合は、根太に合板を掛けて乗る考え)、試しに乗ったところビクともしませんでした。
竹は太さが1寸(30mm)程度のものですが、筒状の断面形をしているだけあって頑丈なものです。

これだけ頑丈であれば、先の障子天井の開口部にも竹を渡しておけば、私の体重程度(65kg)であれば竹が折れて落下するようなことはないはずです。
柵を作るよりも容易(しかも材料費不要)ですし、見た目も涼しげになり、障子天井を開ける夏季に相応しいかもしれません。
そこで、転落防止策と意匠を兼ね、この開口部に竹を設置することにします。

障子天井箇所の断面は下図のとおりです。

ちょうど断熱用のプラダンと障子との間に空間(t=72mm)があり、ここに直径1寸(30mm)程度の竹を渡すことができます。

竹を敷き並べるだけでも良いのですが、脱着や強度のことを考えると、昨年の竹天井のようにモジュール(井戸蓋式)で作るのが良さそうです。

障子天井箇所を平面で見ると下図のとおりです。
開口の中央にペンダントライト(1Fのテーブル用)を掛けていますので、これを挟んで2つのモジュール(1個のサイズ:W910mm×L725mm)に分けることにします。

結局は昨年の竹天井と同じになりますので、実は、ほかに何か面白いことができないかと考えていました。
そのひとつとして考えたのが、竹小舞を使う案です。
現在、土壁を修復するため竹を使ってエツリ(小舞掻き)をしているところがあるのですが(下写真)、たまたま背後にある照明を点けたところ良い感じになったのです。

ただ、問題は強度面です。
壁に使うよりもヒダチ(間渡し竹)を太くするとともにピッチを狭くすれば頑丈になりますが、ここは当初の目的(墜落防止)を優先し、竹小舞を使う案は見送ることにしました。

古民家の自然換気(31)天窓用シェード③設置

前回、天窓用シェードの枠部分が完成しました。

この枠に半透明のプラダンを差し込むことで、天窓のシェードとする考えです。

プラダンはポリカーボネート製のもの(4mm厚)が耐候性があって良いのですが、3×6尺サイズで1枚2千円程度と高価で、しかも半透明(乳白色)のラインナップもありません。
このため、一般的なPP製のプラダン(4mm厚、1枚700円程度)にするつもりが、どの道、耐候性がないのであれば養生用のプラダン (PP製、2.5mm厚、1枚200円程度)でも良いのではないかと思案。
結局、安価な養生用プラダンを購入(2枚で4千円程度の出費を覚悟していましたが、400円で済みました。安物買いの銭失いになる予感が・・・)。

2枚のそれぞれを所定のサイズ(1,130mm×910mm)でカット。

これで準備が整いましたので、天窓箇所に取り付けることにします。

枠を垂木(尺2寸間隔×3スパン分)にビス留めします。

今回設置するものはシェードとしてだけでなく、瓦の隙間から入ってくるゴミ受けを兼ねています。
このため、垂木間に面戸(上写真で朱色線)を設けることでゴミがプラダン上に溜まるようにしておきます。

垂木のサイズは2寸角(60mm)のため、同サイズの角材を切って嵌め込めば良いのですが、手元に適当な端材がありません。
蓋にするだけで強度は求められませんので、4分厚の板材(端材)を60mm幅で挽き割って使うことにします。

板では垂木間に固定しづらいため両端に角材をつけることにし、適当な角材を長さ60mmで切り出します。

垂木間に取り付けます。

これでプラダンをセットできる状態になりました。

枠に設けた溝にプラダンを差し込みます。

養生用のプラダンは厚さが2.5mmしかなくて柔いのですが、中央に補助用のアングルを入れてあるためスムーズに差し込め、また中央部分が自重で垂れ下がることもありません。

同様に2箇所とも設置して完成。

写真では分かりづらいですが、シェードを取り付けたことで明るさが6〜7割程度に減ったような感じです(暗くなっても昼間であれば照明なしで十分作業できる明るさ)。

シェードの設置により日差しが和らいだことから、これまでシェード代わりになっていた障子天井を開けてみます。

竹天井に加え、この開口からも十二分の換気がなされることでしょう(夏季のみ)。
また、居室から小屋裏(厨子二階)が見えるようになって開放感もあります。

厨子二階側見ると・・・

下から上を見るのは良いものの、上から下を見ると足がすくみます。
厨子二階は電気配線等の管理用として私しか上がることはないのですが、それでも何の落下防止策もないと言うのは危険ですね・・・。