ブログ」カテゴリーアーカイブ

庭木の剪定(30)刈り込み鋏を研ぐ

今年も10月に入ると庭木の剪定を始めました。
10月に始めても以前は年明けまで続いていたのですが、年々短縮し、今年は既に終えられています。
短縮できた要因にはいくつかあり、そのうちの一つが剪定方法の変更で、松を除いて基本的に刈り込み剪定により行なっています。
その刈り込み剪定で欠かせないのが刈り込み鋏ですが、先日、近所の方との話しにおいて、その方が所有している刈り込み鋏の切れ味が悪いとのこと。
で、現物を拝見すると・・・

ヤニがかなり付着していることもあって、いかにも切れ味が悪そうです。
刃こぼれもありますが、それほど大きなものではありませんので研ぎ直せば切れ味が復活するに違いありません。
ちょうど私が使っている刈り込み鋏も研ぎたいと思っていたところですので、ついでに研いであげようと預かってきました。

ヤニは砥げば取れますが、刃の内側(刃どうしが擦り合う側)は研ぐわけにはいきません。
そこで前処理として溶剤を使って除去しておきます。

泡立っていて市販のヤニ取りクリーナーを使っているように見えるかと思いますが、実はキャブレタークリーナーです。

3回ほど繰り返し、ここまで除去できました。

刈り込み鋏は上写真のように鋏側を固定して研ぎます(砥石は持って使う鎌砥石を使用)。
また、角材を台にして柄に体重をかけるようにしてしっかりホールドすると、ぐらつくことなく一定角度で研ぎやすいように思います。

まずはザッと研いでみます。

砥いだことでヤニが取れ、そこが白くなっているのがわかります。
ただ、よく見ると刃先に黒いヤニが線状に残っています。
つまり、刃先に砥石が当たっていないことになります。

この状態を簡単な模式図(断面図)で表すと下図のようになるかと思います。

刃先が「丸刃」と呼ばれる状態になっており、これでは平面の砥石を前後に動かしても当たらず、結果、黒いヤニがそのまま残った状態になっているわけです。
こうなると少し研いだところで刃は付きませんし、強引に刃を付けようとすると刃が立ってきて悪循環に陥ってしまいます。

これを修正するには下図のとおり丸刃の部分を研ぎ落とすしかありません。

では、鎌砥石の荒砥側を使って研いでいきます(一定角度で!)。
丸刃の部分が無くなると裏側に「返り」が出て刃が付いたことがわかります。
下写真の状態では、まだ先端のほう(朱色丸印)に丸刃が残っています。

さらに研いで全体に刃が付きました。

ここまで来ればあとは容易です。
鎌砥石の中砥側で仕上げます。

刃どうしを連結するネジを調整し、油(オイルスプレー)を塗布して完成です!

試しに新聞紙を切ってみるとサクサク切れます。

ついでに、私が使っている刈り込み鋏も研いでおきます。

マメに研いでいますので、中砥を数回当てるだけで十分です。

10月は剪定だけでなく畑仕事で鎌を使う機会が多かったため鎌も研いでおきましょう。

剪定では刈り込み鋏のほかに剪定鋏も良く使います。
剪定鋏は簡易的にスティック状の油砥石を使って研いだりすることもあるのですが、今回、研ぎ屋さん(いつもは電動工具:カンナ刃を研磨してもらっています)にお願いしました(研ぎ代はホームセンターで超安物の剪定鋏を買うよりも安価です)。

上写真で右側のひとまわり大きいほうは亡き父が使っていたもので、かなり状態が悪かったのですが、新品の切れ味になって帰ってきました!

プロが研いだものを見ると勉強にもなります。

剪定に限らず、畑仕事、山仕事、木工、料理等において研ぎはつきものですし、研ぎはそれらの土台になる大切なことだと思っています。
まあ、最近はホームセンターに980円の刈り込み鋏が売っていたりして、刈り込み鋏でさえ使い捨ての時代になりつつあるようですが・・・。
しかし、1万円程度のそれなりの刈り込み鋏を買ったとしても10回以上研いで使えば安物を使い捨てにするよりも経済的ですし、ゴミも発生しません。
それに何より良い道具を大切に扱えば、作業自体が丁寧に楽しくなります。

ルーターのメンテナンス

先般、仏間用の机を作るため板材を購入しました。

この板をはいで机の天板(甲板)にするつもりですが、板幅が広くなると「反り」の影響が大きくなります。
反りを抑える方法として「吸い付き桟」と呼ばれるものがあり、昨年、仏間を改修した際に再利用した一枚板(下写真)にもそれが施されていました。

私のような素人にできるようなものかわかりませんが、この機会に吸い付き桟にも挑戦してみたいと思っています。
吸い付き桟は上写真のとおり板側に(蟻)溝を切りますが、これにはルーターと呼ばれる電動工具を使うことが多いようです。
ルーターは持っておらず、買うとすればいくら位するものか調べると、国内メーカーのプロ仕様のもので3万円程度(ネット店舗の実売価格)。
電動工具としては比較的安価な部類ですが、それでも私の使用頻度からすると悩ましい価格です・・・。
かと言って安価なホームセンターモデルを買えば安物買いの銭失いになりそう。
と言うことで、プロ仕様のUSED品を求めてオークションサイトやフリマアプリを探索。
USED品の相場は本体のみで5千円程度、付属品等が一式揃っていると1万円程度です。
この程度であれば懐事情が寂しい私でも大丈夫だと品定めしていると、不動のジャンク品が激安で売られているのを見つけポチッとしてしまいました。

なぜ不動のジャンク品なんかを買ったかと言えば、付属品が一式揃っており、それだけでもメーカーから取り寄せるより安価だったからです。
本体は別途、動作品を買うつもりでいるのですが、ひょっとして修理できるのではないかと言う取らぬ狸の皮算用も(^_^;

商品の説明書きには「突然動作しなくなった」とあります。
こうした場合、まずチェックすべきは消耗品のカーボンブラシです。
ところが購入したジャンク品を見ると、カーボンブラシが無いどころか、カーボンブラシを格納するホルダが破壊されています(下写真は既にホルダを取り外した状態)。

前所有者もカーボンブラシをチェックしたのでしょうが、それでも動作しないため強引にホルダを取り外そうとしたようです。
これでは導通すら確認できません・・・。
ホルダもメーカーから取り寄せ可能で安価(300円程度)ですので、とりあえずホルダを復旧してみることにします。
ただ、この機種は厄介なことにブラシホルダを取り外すには一旦、モーター内部を分解する必要がありそうです。
ついでにモーターの状態も確認しながら分解することにします(メーカーは「自身での分解・修理は禁止」としています。感電事故等のおそれがあり、完全に自己責任です)。
まずはアマチュア(モーター≒アマチュア+ステータ)を取り外します。

不動の原因としてモーターの焼き付きも考えられますが、アマチュアは綺麗でパッと見では問題なさそうです(導通もOK)。
よく使った機械はカーボンブラシが接触するコンミ(テータ)と呼ばれる部分が摩耗しているそうですが、これも問題ありません。
アマチュアもメーカーから取り寄せられるため最悪、交換することもできますが、高価(1.5万円)で修理する意味がなくなります。
とりあえずアマチュアの状態が良好でひと安心です。

次にステータ(下写真でコイル状のもの)を取り外しますが、これがモーターケースに固く嵌っていて微動だにしません・・・。

ケースをパワートーチであぶってやろうかとも思ったのですが、ケースに接触している絶縁電線まで溶けてしまうのではないかと断念。
試行錯誤し、最終的にはステータのボルト穴(2箇所)に鉄の丸棒を挿し込み、それを万力で固定しつつ左右に少し回転させながら抜き取ることに成功(回転させすぎると配線に損傷を与えるので注意)。

上写真でリング状のバネ(ブラシターミナル)がブラシホルダとの接続部分です。

これでケースだけの状態になったため、ケースからブラシホルダ(2箇所あるうち破損している1箇所のみ)を取り外します(これまた、かなり固いです)。

上写真で左側が取り外したもので、右側が新品になります。

メーカーから取り寄せた新しいものをはめ込みます。

ケース内から見ると下写真のとおりです。

ステータを取り付けたうえ、配線(ブラシターミナル)をブラシホルダに接続します。

ブラシホルダがケースの一番奥にありますが、手を入れることもできず、配線の接続にも難儀しました・・・。
ケースの上部が開くような設計なら、配線が容易だし、そもそもステータなどを取り外さなくてもブラシホルダを交換できるのにとメーカーに文句を言いたくなります(メーカーは分解・修理を禁止しているのですが・・・)。

配線をいじったついでに念のためスイッチも点検しておきます。

スイッチを入れてテスターで導通を確認するも針が振れません・・・。
まさか単なるスイッチの故障が不動の原因!?
一気に修理できる可能性が高まりました(^_^)

新しいスイッチを手配するためラベルを確認すると結線図も示されています。

上写真の結線図で3、5が電源側で、1、2、4が負荷側になります。
負荷側が3極なのは、この機種が電気ブレーキ付き(スイッチを切ると直ぐに停止)で、それを働かせるためです。
電気ブレーキについて詳しいことは知りませんが、結線図を見る限り、スイッチOFF時に負荷側(1と2)を短絡させるようなことをしています。
中学の理科でモーターと発電機は同じ仕組みであることを習ったことを思い出すと、スイッチOFF後に発生する電気エネルギーを奪う形でブレーキを働かせているのでしょう。

短絡させるようなことをしていればスイッチの接点にカーボンが付着しそうなものです。
スイッチも分解して接点の状態を確認します。

真っ黒です!
カーボンを落としてテスターで確認すると問題無し。
新しいスイッチを買わずに済みました(^_^)

誤接続しないように慎重に配線を戻します。

スイッチが不動の原因であれば、これで動作するはずです。
早速、コンセントにつないでスイッチを入れたくなりますが、焦りは禁物。
まずは、プラグで導通を確認→問題なし。
配線の接続ミスはなさそうですが、あと心配なのは漏電です(特に今回のような古い機種の場合)。
USED品を安く買えたとしても感電事故(最悪死亡)を起こしていては元も子もありません。
「メガー」と呼ばれる絶縁抵抗計を使って漏電していないか確認しておきます(テスターでは不十分です)。

抵抗値が∞のため問題なし。
これで安心してコンセントにつなげます。
そして、スイッチを入れると軽快に動作します(^_^)
結局、不動の原因はスイッチの故障(接点へのカーボン付着)だったわけです。
スイッチだけなら千円程度ですし、メーカーや販売店に修理を依頼しても5千円もかからないのではないかと思います。
それを素人が無理にいじって今回のようにブラシホルダを壊したりすると厄介なことになってしまいます(素人が素人のことを言っていますが・・・)。
メーカーが「自身での分解・修理は禁止」とするのもやむを得ないのかもしれませんね。
それでも、最低限の知識と、時間と手間を惜しまなければ修理が可能な構造になっているのは素晴らしいものだと、今回の修理を通じて改めて感じました(この点、ホームセンターモデルは部品の供給すらないため実質修理不可能で使い捨てが前提になります)。

さて、これで問題なく動作することがわかったため、ほかの細いところをチェック。
前所有者も分解を試みようとしたのか、ネジ頭がなめていたり、無くなっているものがあります。
それらも新しいものを調達して交換しておきます(なめたネジが使われているのはなんとも気持ちが悪いものです)。

そして、修理完了です。

仏間用の机を作るのはまだ先のことですが、材料(木材)と機械だけは早くも揃いました。