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里山再生:倒木(クヌギ)を造材

自宅裏の里山整備について、前回のブログ記事のとおり、年末から作業を開始し1月のうちに竹の間伐を終えられました。

上写真で中央に太いクヌギの木が写っていますが、この里山にはクヌギの大木が点在してあり、これらのクヌギは昔、木炭を作るため植えられたようです(斜面を上がったところに地域の炭焼き窯もあったとのこと)。

この冬、竹を間伐するために里山に入ったところ、そのうちの1本が倒れていることに気づきました。

昨シーズン、この周辺にクヌギの太い枝が落ちていましたので、衰弱していたところを、昨年の台風により倒れたのかもしれません。
太いクヌギですので、これを造材すれば良い薪が入手できます(^_^)
ただ、竹や木の枝を巻き込んでいるため、慎重に作業しなければなりません(上写真ではかかり木になっているようにみえますが、実際には頭部が着地しています)。

ちなみに、下写真は6年前に里山を整備し始めたときに撮影したものですが、写真中央の倒木(スギ)が周囲の竹などにかかり、かかり木の状態になっています。

これでは危険なため周辺で作業できませんし、倒木を薪などとして利用することもできません。
里山の恵みを得るには、やはり一定の管理(3,000m2で1〜2日)が必要であるように感じます。

倒木したクヌギを薪用に造材することにします。
作業は倒木が斜面の下流側に転げ落ちる可能性があることから上流側で行うことにし、その際、支障になる下写真の朱色矢印で示す枝を取り除くことにします。

それほど太くない枝のため、サクッと切り落とせば良いように感じてしまいます。
しかし、倒木により押さえつけられ、枝自体に相当大きな引っ張り力が作用していることに要注意です(スプリングポール)。
そこを安易にチェンソーを使って切れば、一気に力が解放されてチェンソーもろともはじき飛ばされかねません。
幸い、今回の場合は枝の付け根で折れているため、ある程度、力が解放されているようです。
とは言え、浅い切り込みを入れて少しずつ引っ張り力を解放するようにして切断します。

これで倒木の上流側に作業場所が確保できました。

次に幹の中ほどで浮いた状態になっているところを切ることにしますが、両端が支えられているため、幹の上側に圧縮力、下側に引張力が作用しているはずです。
と言うことは、伐倒時のように受け口を作る形で①上切りしたうえ、②下切りするようにすればチェンーソーのガイドバーが挟み込まれることなく切断できそうです。

無事切断でき、全体が地面に着いた状態になったため、薪の寸法(35cm程度)で玉切りしていきます。

こうして玉切りしたものを背負子を使って運ぶことになります(上写真は一部)。
距離は20m程度なのですが、何しろクヌギは密度があるため重たいです・・・。

太いものは2玉を積むのが精一杯です。
果たして、この冬の間に運び終えられるだろうかと重たい気分になりつつ、少しずつ時間をかけて運ぶことに。
ところが、意外にも早く運び終えられ、その運んだ一群を見みると、あの大木のクヌギを運んだことに正直感心しました。
私自身、心身ともにひ弱なため、やる前から機械や道具に頼ることを考えてしまうのですが、人力のパフォーマンスは私が思い込んでいる以上に高いのかもしれません。

こうして運んだものを薪割りします。

クヌギは重く硬い木ですが、太いものでも斧だけで気持ちよく割れてくれます(もっと割りたい気持ちになるぐらいです)。
クヌギが薪炭材として重宝されたのは火持ちの良さに加えて割りやすさにもありそうです。

里山再生:竹の間伐

6年前(2014年)の冬から自宅裏の里山(約3,000m2)の整備を行っています(冬季のみ)。
当初は竹が侵入して酷い状態だったのですが、少しずつ竹を減らしていき、現在、下図の状態にまで整備が進みました。

上図で「A」と「B」のエリアは元の雑木林に戻す考えで、そのうち「A」については昨シーズンまでに全ての竹の伐採を終えました(下写真が「A」のエリアの現状)。

「B」のエリアについては、昨シーズンの時点で竹の密度を2坪に1本まで減らしてきており、今後4年かけて竹を無くす考えです。
「C」のエリアについては、雑木との混交林として1坪に1本の密度で竹を残す考えで、既にこれまでの整備により1坪に1本の密度になっています。

このため、今シーズンの作業内容は次の通りになります。

  • 「B」のエリア:竹を2本に1本の割合で間伐し、4坪に1本の密度にする。
    竹の伐採本数:約75本(=300坪(1,000m2)÷2坪/本÷2)
  • 「C」のエリア:現状を維持(5年で竹を更新)
    竹の伐採本数:約60本(=300坪(1,000m2)÷1坪/本÷5年)

竹を計135本程度伐採するのが作業の中心になります。
135本と言うと多いように感じますが、既に林内は作業しやすい状態になっているため1日50本程度の伐採は可能です。
このため、年明けから週末を利用して作業を進めても1月中には終えられそうです(実質3日程度の作業量)。
6年前に始めたときは1月から5月まで延々と竹を伐採していていたことを思うと、随分と楽になったものだと思いますし、毎年手入れし続けることの大切さを痛感します。

まずは「B」のエリアから作業を開始。
竹を2本に1本の割合で間伐します。
伐採した竹は枝を払ったうえ稈を等高線に沿って棚積みします。

上写真は間伐後の様子で、竹の密度が4坪に1本になっています。
8畳の部屋に1本と言うことでかなり疎らで、本数でも竹と雑木が逆転しています。
薄暗かった林内が明るくなるととともに、これまで竹の勢いに押されて線香のようだった雑木が元気になってきたように感じます。

引き続き「C」のエリアの竹を伐採します。
こちらは、雑木との混交林として竹を残すエリアです。
竹はこれまでの整備により既に坪1本の密度になっています。
それらの竹を5年で更新させていくため、5年生に近い古いものから1/5程度の本数を間伐します(6月に同数程度のタケノコを竹に成長させています)。

最も古いものでも5年ですので、枯れているものはなく、全体的に青々しい竹林になっています。

下写真は太い親竹が生えている辺りです。

天を衝くように真っ直ぐ伸びる竹も良いものです。

こうして1月中には竹の間伐を終えることができました(130本程度伐採)。
1シーズンの伐採本数はさらに減っていき、4年後からは毎年60本程度伐採し続けることになります。
60本程度であれば1〜2日作業すれば良くて負担も大きくありませんし、持続的に年60本の竹を入手できることになります。
そして、60本の竹があれば、給湯(暖房)用のウッドボイラーの燃料としてかなりの部分を賄えます。
しかも、1年365日の内でたった1日2日の作業により得られるのですから、サステイナブル(持続可能)で本来ならこれ以上効率的なエネルギー確保の方法はないはずなのでしょうが・・・。