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里山再生:竹の末口と元口の見分け方

先般、竹を使って一輪挿しを作りました。

この一輪挿しは、地域の文化祭に竹の花(120年ぶりに開花)を出品・展示するために作ったのですが、その文化祭での展示風景が下写真です。

我が町は100世帯ほどの田舎の集落ですが、多趣味・多才な方が多く、いろいろと出品されてみえます。
そうしたなか、私の展示スペースとしてテーブル(島)ひとつが割り当ててられており、竹の花だけでは寂しい事態に・・・。
急遽、竹の関連で、竹を使った「ゴミ箱」や「傘掛け」も動員するものの、テーブルのうえが空いたままです。
そこで、竹の稈を短く切ったもの(下写真)を数本置いてスペースを埋めるとともに、竹の「末口(天上側)」と「元口(根本側)」を当てるクイズにすることに。

端に緑色または白色のビニールテープを巻いておき、末口(天井側)はどちらかを当ててもらおうと言うわけです。

節に枝がついていれば簡単に分かります。
しかし、来場者のほとんどは町内の方(竹が身近にある)ですので、枝のついていない節(下写真)を選んでいます(^_^)

左:緑テープ側、右:白テープ側

で、正解は??

緑テープ側です!

里山再生:ローププーラーを利用して丸太を移動

昨年12月、樹齢60年ほどの大きいスギの木3本を伐倒しました。

このスギの木は建物(離れ)に隣接していて、これ以上大きくなると自分の手に負えなくなるため伐ることにしました。
伐った木は今の時代、薪にしてでも使えば良いほうですが、亡き祖母が植樹したものであるため製材して仏壇(棚)の材として使おうと考えています。
そこで、伐倒後は枝葉をつけた状態のままにして葉枯らし乾燥させてありました。
そして、伐倒後4ヶ月が経過して下写真のとおり葉が茶色くなったことから枝を落とすことにします。

チェンソーを使って枝を落とし、鉈で枝と葉をバラしていきます。

写真ではそれほど多くあるように見えませんが、大きいスギの木3本の枝葉は想像以上にあります。
杉葉は畑に運んで土壌改良材として利用(真っ黒の土になります!)。
枝は乾燥させてウッドボイラーの燃料にしますが、太いものは木杭(耕作用)として使えそうなため倉庫に保管することに。

ところで、今回の作業でおNEWのチェンソーを使ってみました。

ゼノア社のトップハンドルチェンソー「こがる」(ガイドバー:8インチ)です。
チェンソーの扱いにもある程度慣れた(と思っているだけ!?)ことからトップハンドル式のチェンソーを山仕事の相棒に加えることにしました。
このモデル(G2100T)は世界最軽量らしく、メーカーの謳い文句に「手ノコ感覚で使える」とあるのですが、確かに今回のような作業をするのにピッタリだと感じました(片手でも扱えます)。
ただ、小さいにも関わらず価格だけは大きいほうのチェンソー(GZ360EZ:14インチ)よりも高いと言うのが残念・・・(地元の農機屋で購入)。

さて、枝を落としたことで丸太の形状が良くわかるようになりました。
曲がりや分岐箇所など製材に向かないところは薪にするため玉切りします(大きい方のチェンソー:GZ360EZを使用)。

当初は伐倒した3本のうち最も太い1本(下写真で朱色矢印)だけを製材しようと考えていましたが、細いものでも4寸角の柱が十分にとれます。
これを薪にするのは勿体無いように感じ、玉切りはしないことに。

丸太の状態で残す部分が決まったものの、このままでは長(重)過ぎて移動させることもできません。

少しでも移動させやすいよう、製材を考慮して3mまたは4mの長さで切ることにします。
切断箇所のひとつが下写真です。

丸太は傾斜地に横たわっていますが、木の太さに対してチェンソーのガイドバーが短いことから丸太の下流側で作業せざるをえません。
切り離した途端、自分に向かって転がり落ちてきて下敷きになった!なんてことにならないようにローププーラーを使って引いておくことにしました。

そして、無事切断できました。

結果的にはロープは不要だったかもしれませんが、木は想像以上に重たいですし、このような危険を伴う作業は特に私のような経験が浅い素人の場合、考えられることは全てやって丁度良いぐらいなのだと思います。

同様にして全ての切断完了。

上写真で手前側にスペースがありますが、そこまで軽トラを進入させられます。
また、このスペースで皮剥きの作業を行いたく、とりあえずはここまで丸太を移動させることにします。
とは言え、丸太は持って運べるようなものではありません。
そこで、ローププーラーを使って牽引して移動させようと思いますが、果たしてローププーラーで牽引できるものでしょうか??

机上で検討することにし、まずは丸太の重量を算出します。
超概算で直径40cm、長さ4m、比重1(安全側。スギの気乾比重は0.4程度)として算出すると次のとおり。

W=π/4×0.4^2×4×1=500kgf

丸太の重量は500kgfですが、ロープの牽引力は力の分解により、これより小さくて済みます。
斜面の勾配を20°とすると次のとおり171kgfになります。

F=500kg×sin20°=171kgf

この力に加えて地面との摩擦力も作用しますが、竹のうえを滑らすなどして小さくすれば200kgfの牽引力があれば良さそうです。

必要となる200kgfの牽引力に対し、ローププーラーの許容荷重は1,500lb≒680kgfで問題なし。
また、ロープ(直径1/2″)の切断荷重は14kN(使用荷重はその1/10)。
メーカーが定める使用荷重を少しオーバーしますが大丈夫でしょう(少なくとも切れるようなことはありません)。

机上の検討で問題ないことが確認できたので実際に作業することにします。
切り株をアンカーにしてローププーラーで牽引。

少し力は要るものの問題なく牽引できます!

同様にして他の丸太も無事移動できました。

ローププーラーを使っているものの人力による作業に違いなく、自分の手でこんな大きく重い丸太を移動できたことに我ながら驚きます。
一方、今回の作業を通じて丸太の大きさ、重さが想像以上であることを感じました。
当初は年内にも製材所に運んで挽いてもらおうかと考えていましたが、この大物を扱うにはもう少し時間をかけたほうが良さそうな感じです。
そこで、製材は、この場所でしばらくの間(1年?2年?)丸太を囲い、さらに乾燥させたうえで行うことにします。

今年は囲うための台を設置するともに杉皮を剥くところまで行おうかと思っています。