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クローバー草生栽培

朝晩は秋の気配を感じるようになってきました。
夏も終わりかと淋しく感じる一方、草刈りや草取りから解放されると思うと嬉しくもあります。

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夏の週末のほとんどを費やして敷地(約800坪)の草刈りや草取りを行っていると、「除草剤を撒き散らしてやろう」とか「いっそのこと全面コンクリート張りにしてやれ」とヤケになったりもします。

一方、「なぜ人間だけが雑草を嫌悪するのか?」という素朴な疑問が湧いてきます。
人間が農耕を行うようになり、植物を「作物」と「雑草」とに区別したことに直接の原因があるのだと思います。

そうだとすれば、「作物」と「雑草」を区別せずにみることができれば、雑草に対する嫌悪感も無くなることになります。
でも、一度区別してしまったものを再び区別せずに見ることなんてできるのでしょうか?
おそらく困難極まりないことだと思います。

やはり、これから一生、終わりのない戦いだと知りながら、憎き雑草に対して刈り払い機を振り回し続けなければならないのでしょうか・・・

コンクリート張りや除草剤散布の選択肢もあります。
でも、人類のすべてがそうしたときには地球の未来はなくなるでしょう・・・

結局は「作物」と「雑草」を区別しない方向に進まざるを得ないというのが、草刈りに追われた末に出た結論です。

前置きが長くなりましたが、昨年からその方向に行けないものか試行錯誤しています。

そのひとつに草生栽培があります。
果樹園での草生栽培は一般的ですが、畑でも可能ではないかと考えました。

昨年の秋に冬野菜の種と一緒にクローバーの種を蒔きました。
クローバーは発芽するものの冬の間は勢いはなく、冬野菜のほうが勢いよく成長し、収穫もできました。

冬野菜のトウが立ち花をつける頃になると、クローバーが勢いよく成長しだし、夏の間繁茂していました。
写真がその様子です。

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真ん中はクローバーが繁茂して、雑草がほとんど見当たりません。
一方、その両側(クローバーの種を蒔いていない)はメヒシバなどの雑草で覆われています。

たしかにクローバーは雑草抑制になっています。

このクローバーのなかで野菜が栽培できれば理想です。
そこで今回、クローバーのなかに冬野菜の種を蒔いて実験したいと思っています。

まずは、クローバーを含め全面的に草刈りを行い、草の勢いを落とします。
また、両側の雑草が種を付け始めていますので、この段階で刈れば雑草の種こぼしが少なくなり一石二鳥です。

約2週間前に草刈り(クローバーは若干弱め)を行いました。

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草刈りをして2週間経過後の様子です。

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クローバーは勢いが戻っていますが、メヒシバなどの夏草の勢いは弱いです。

種を蒔くところだけクローバーを刈り、そこに種を蒔いていきます。

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クローバーが繁茂してしまうと、冬野菜の種を蒔いた場所が分からなくなりますので、竹を置いて目印にしています。

今回は、F1(一代交配種)のカブとハクサイ、それからこの畑で採種したダイコンの種を蒔きました。

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さて、どうなるでしょうか。

柿渋の仕込み(3)

前回(8月末)、柿を砕き、水に浸けおきました。
それから2週間以上が経過しました。

前回のブログ記事には「リョウノタマ」という名前の柿を仕込むところを書きました。
その1週間後には「干し柿用の渋柿」も収穫し、同様に仕込みました。
写真は「干し柿用の渋柿」を仕込んだときのものです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから1週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込み直後

すぐに発酵が始まり、1週間でずいぶん変色しました。

そして現在は下写真のとおりです。

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左:「リョウノタマ」 仕込みから3週間経過
右:「干し柿用の渋柿」 仕込みから2週間経過

柿に含まれるタンニンがすでに溶出しているはずですので、次の作業となる搾汁を行います。

ちなみに破砕・加水から搾汁までの期間は1昼夜とか1週間とか色々あるようです。
今回は2週間以上になりますので、標準に比べると長いです。

さて、布を使って絞ります。

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写真のように欲張って一度に多く搾ろうとすると力が要り大変です・・・。

全て絞り終えました。

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左側(3週間経過)は、右側(2週間経過)に比べ色が濃いですね。
また、左側のほうがワインのような匂いが強いです。
アルコール発酵が進んでいるようです。

絞り粕もたくさん出ました。

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畑へ戻してやれば、よい肥料になりそうです。
自然のものは何一つ無駄にならないのが良いですね。
そして、そうさせる畑(土)の力には本当に驚きを感じます。

柿渋は、この状態で2年間熟成させます。

ただ、しばらくの間は定期的に攪拌する必要があります。
これが柿渋の仕込みで最も重要な作業かもしれません。

2年前に仕込んだときは、定期的に攪拌したため特に問題は生じませんでした。
しかし、昨年は仕込んだあと攪拌するのを少しサボったところ、いつの間にか表面にコンニャク状のものができてしまいました。

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1cm弱もの厚さがあります。
タンニンが凝固したものだと思います。

『柿渋』(今井敬潤著)には「この凝固は柿渋製造において最も恐れられているもので、コンニャク状になると樽全体がダメになる。」(正確な引用ではありません。)とあります。

ということで、昨年仕込んだものは見事に失敗ということです・・・。
しかし、このような分厚いコンニャク状のものができるというのもある意味驚きです。

失敗を繰り返さないよう今後2ヶ月程度は定期的に攪拌しようと思います。

あと、柿渋は熟成していないものでもコンクリートに付くとこのように変色します。

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この着色は落とせないそうです。
汚れてはいけないところで作業する場合はブルーシートなどでの養生が必須です。

<続きます>