古民家再生」カテゴリーアーカイブ

ミシンテーブル作製(1)分解

先般、亡き父の五月人形を市の郷土資料館に寄贈しました。

この五月人形は2年前に清掃・修理したのち、長持ち(昔、布団や衣類などを収納した大箱)を再利用し、そのなかに保管してありました。

五月人形を寄贈したことで、この長持ちは二度目の役目も終えたことになります。
昔、長持ちは嫁入り道具のひとつとされていたそうで、この長持ちは曽祖母の輿入れ時のものです。
曽祖母が我が家に輿入れしたのは明治24年(1891年)ですので、かれこれ130年近くが経つことになります。
処分する良い機会のように感じ、土蔵2階から降ろすことに。

地上に降りたのは明治24年以来のことでしょう。

曽祖母の実家は裕福だったらしいのですが、確かに長持ちも漆塗りで銅製の金具が使われています。

処分すると言っても曽祖母が大切にしていたものでしょうから最後も無駄にはせず、ボイラー用の薪として利用することにします。

銅製の金具だけでも結構な量があります。

欲を言えば、もっとお金持ちで金・銀製を使うぐらいであれば換金もできて良かったのですが・・・。

裕福と言えば、祖母の実家も曽祖母に負けておらず、輿入れの際には舶来(米シンガー社)のミシンを持参したようです。

高級ミシンも祖母亡き後は倉庫のなかで埃にまみれ、場所を占有するだけの存在になっています。
五月人形を市の郷土資料館に寄贈した際、ついでに持って行ってもらえないかと思い付いたのですが、郷土資料館はゴミ回収車ではあるまいし、そんな都合の良い話しはありません。
しかし、このまま置いておいても邪魔になるだけですので、活用策を検討すべく現状を調べてみることにします。

蓋にもなっている拡張テーブルを開け、ミシン本体を取り出してみます。

良く見るとオシャレな感じです。

しかし、長年湿気のある倉庫内に置いてあったことからサビで部品が固着しており、駆動させられる状態ではありません。

本体だけでなく台(鉄に黒サビの表面処理)のほうもサビ(赤サビ)が酷い状態です。

シンガー社のロゴ(SINGER)や網目を多用したデザインがなかなか良い感じです。
赤サビさえ落とせば、テーブルの台として再利用できそうです。
そこで、この脚部分を使ってカフェなんかにありそうなアンティークなテーブルに再生させることにします(我が家ではテレビ台として使いたいと考えています)。

再生すべく、まずは分解。

現在の工業製品とは異なり、作りが非常にシンプルで分解も容易です。

ミシン本体は必要ありませんが、とりあえずこの状態で保管しておくことにします。

7桁の製造番号から察すると相当な売れ行きだったようです。

木製の側板には合板が使われています。
合板と言っても現在のものとは異なり、無垢の板材のうえに化粧用の突き板が1枚貼ってあるだけです。

台の鋼材もボルトにより組まれているだけですので容易に分解可能です。

サビ落としの作業時には全て分解するつもりですが、組み立て方を忘れてしまいそうですので、とりあえずはボルトが外れることだけを確認して組んだ状態にしておきます。

<続きます>

雨水対策(17)雨樋掃除器③使用

前回、雨樋掃除器を作製しました。

早速、使ってみることにしますが、その前に里山側からせり出してきているグミの木が邪魔になりそうですので剪定しておきます。

剪定完了。

剪定した枝葉は畑のマルチ材として活用するため、いつもは鉈を使ってバラしています。
ただ、グミの木はトゲがあるため厄介です。
そこで、ガーデンシュレッダー(ギア式)の登場です。

ちなみに、このギア式のガーデンシュレッダーを使うと、枝払いした竹の枝葉も細かく粉砕することができます。
竹の稈はボイラーの燃料として使い始めていますが、今後は枝葉についても畑のマルチ材などとして使っていきたいと考えています。

余談はさておき、準備が整ったことから雨樋掃除器をセットしてコンプレッサーを始動。

上写真は竿の先端に取り付けた金具を雨樋(軒樋)に引っ掛けてあり、この状態で自立しています。
同様に軒樋をレール代わりにして移動させることができます。
そして、移動させながらエアーを噴射させて軒樋に堆積している枯葉を吹き飛ばしていきます。

1往復させて掃除した後、二連梯子を登って軒樋の状態を確認します。

見事に枯葉が無くなっています。

底にこびり付いている土はさすがに残っていますが、このように雨水がスムーズに流れる状態にしておけば、今度は雨水が土を洗い流してくれることでしょう。

雨樋から溢れ出た雨水は土を削り、斜面をも崩壊させてしまいますが、適切な管理さえ怠らなければプラスの作用を及ぼすのかもしれません(そもそも建物自体がなければ、斜面が崩壊するおそれもなく、面倒な管理も必要ないのですが・・・)。

雨樋掃除器による掃除の効果のほどをBefore&Afterの写真で示します。

<Before>

(枯葉防止ネットの撤去後)

<After>

思っていた以上の威力だと感じています。
この雨樋掃除が効を奏し、その後に台風(20号、21号)が襲来した際にも雨樋から雨水が溢れることはありませんでした。
一昨年の今頃は雨樋から雨水が溢れるのを眺めるしかなく、昨年になって排水経路の変更や枯葉防止ネットを設置するも効果は限定的でした。
こうしたこともあって、降雨のごとに雨樋が順調に機能している様を見ると感慨深いものがあります。
もちろん、この状態を維持するためには定期的な掃除が不可欠ですが、雨樋掃除器を使うことで安全に作業できるのが何よりだと思っています。

我が家のように2階建ての建物が山に隣接していて、雨樋の掃除に苦慮している方がみえると思います。
今回作製した雨樋掃除器がひょっとすると助力になるケースがあるかもしれません。
市販されているものではありませんので自作していただく必要がありますが、参考として材料と費用を掲載しておきます。

私自身、エアーコンプレッサーを所有しているため、上記にはコンプレッサーやエアホース、エアーダスターガンは含まれていません。
雨樋掃除器は上記のとおり2,500円で作製できますが、これよりもコンプレッサーのほうが高価(家庭用のものでも2万円程度)ですので、作製はコンプレッサーを所有していることが前提になりそうです。

ところで、昨年に設置した枯葉防止ネットは全て撤去しましたが、捨てるのは勿体無いです。
そこで、20cmの長さで切って集水器の目皿として活用することにします。

これにより縦樋が詰まることは無くなりますが、一方で障害物を設置しているようなもので、果たして吉と出るか凶と出るか?
いずれにせよ、定期的な点検と枯葉の除去は欠かせません。