古民家再生」カテゴリーアーカイブ

井戸の再生(37)床下点検口C設置

前回、屋内(床下)の配管について検討した結果、下図の点線で示すルートでパイプ(給水管&給湯管の2条)を敷設することにしました。

また、このルートで配管するには中間に床下点検口を設ける必要があることが判明し、設置場所を下写真に示す箇所に決めました。

今回、この箇所に床下点検口を設置することにしますが、床下点検口の設置はこれで3箇所目になります。

1、2箇所目の設置についてもブログ記事にしてありますので、同一の作業内容については項目を示すに留めたいと思います。

設置予定箇所に墨付け。

床板を切り抜きます(ジグソーを使用)。

床板を切り抜く際に根太を2本切断しましたので、その代わりとなる根太を開口部の両側に入れて補強する必要があります。
根太は通常、大引き(下写真箇所は土台兼用)上に載せますが、運悪く柱の位置と重なってしまいます。
そこで、根太掛け(1寸厚)を取り付けたうえ根太を設置します。

根太掛けをビス留めするだけのことなのですが、床上から覗き込んでの作業となり苦戦・・・(上写真で左下に写っているようにジャッキまで動員)。
たまたま手の届く範囲であったため作業できたものの、遠くなら根太の補強は諦めざるを得なかったと思います。

なんとか無事に設置。

反対側(こちらは大引き上に設置)も設置完了。

枠(床下点検口)の受け材を取り付け。

枠の取り付け。

続いて、蓋を作ります。
フローリング材を流用するため、切り抜いた床板から剥がします。

取っ手を取り付けるため穴をあける際、大失敗!

3箇所目と言うこともあって気が緩んで横着した結果(捨て板の固定が不十分)、この有り様です・・・。

傷が大きく、金具を取り付けてもカバーできません。

そこで、フローリング材の強い味方「かくれん棒」を使って補修することにします。
クレヨン形状のものをドライヤーで溶かしながら損傷部に擦り込みます。

それなりに目立たなくなりました。

蓋の完成。

開口部(枠)に蓋をはめて床下点検口の完成です。

3箇所目のDIY施工とは言え、何やかやと手間取りました。
床下点検口と言えば、以前シロアリ防除の見積もりを取った際、床下点検口の設置費が1箇所当たり5千円となっていたのを覚えています。
この金額から、床下点検口は容易に設置できるものなんだと思っていたのですが、自らで施工してみると5千円とは材料費しか計上されていないものだと言うことがはっきりわかります・・・。

<続きます>

井戸の再生(36)屋内(床下)配管の検討

井戸を活用するため段階的に水道水から井戸水への切り替えを進めています。
そのなかで以前、主屋(古民家)の外壁を貫通させる形で配管し、屋外に散水栓を新設しました。

この上流側になる屋内の配管については、昨年の竹ボイラー導入に伴い屋内に引き込んであります。
しかし、下図で床下点検口A〜床下点検口Bの間(水色・桃色の点線)が未だ繋がっていないため、先の散水栓の蛇口をひねっても水は出ないのです。

屋内での配管作業は雨天でもできるため、雨降りの週末にでも行うつもりでいるのですが、今夏も少雨傾向で作業する機会がなかなか訪れません・・・。

いつでも作業に着手できるように、屋内の配管について検討することにします。
下流側の床下点検口Bを開けて、上流側を覗き込むと下写真のとおりです。

上流側に土台や基礎の建築ブロックが見えます。
20年程前のリフォームにおいて浴室や洗面所の壁を設けるため、土台を廻して柱を建ててあるのです。
それはそうとしても問題は、配管の計画線上に基礎(建築ブロック)があり、行く手を遮っていることです。
これは弱ったと冷や汗が出るも、左右を眺めると左側に開口があります。
現状では使われていませんが、将来の配管や床下の換気用として設けられているのかもしれません。

この開口を利用し、配管の線形を下図のとおり曲げることで基礎(建築ブロック)を逃げることにします。

この区間の延長は約4.7mです。
パイプは架橋ポリエチレン管(13A)を用いる予定で、架橋ポリエチレン管は可とう性があるため、途中で役物(継ぎ手)を使うことなく曲げ配管することが可能です。

この配管ルートを床上に示すと下写真のとおりです(上流→下流)。

今度は逆に、上流側の床下点検口Aから下流側を覗き込むと下写真のとおりです。

遠くにみえる明かりが下流側の床下点検口Bになりますが、こうしてみると随分と遠くに感じます。
ここは昔、土間だったところを20年程前のリフォームで床上げしたところで、床下の高さがないため床下に潜っての作業ができません。
このため、床下点検口からパイプを挿入し、土間コン上に転がし配管することになります。
転がし配管の場合、パイプのブレ止めのために金具等を用いて一定間隔で土間コンに固定する必要がありますが、床下に潜れないため、これができません。
そこで、以前に行ったようにパイプに軽天材(壁や天井の下地材などとして用いられる)のスタッド(角材)を添え、スタッドとともに床下に挿入させることにします。


・オレンジ及びピンク色:架橋ポリエチレン管(外装はさや管又は保護材)
・シルバー色の部材:スタッド

ところで、床下点検口AとBとの間に設けた曲がりについて、パイプ(架橋ポリエチレン管)自体は先にも書いたとおり可とう性があるため曲げ配管が可能です。
一方のスタッドは鋼製の角材で可とう性がありません。
つまり、スタッドとともに曲げ配管するには折れ点の箇所にも床下点検口を設ける必要があるのです。
そこで、下図で朱色四角で示す箇所に床下点検口Cを設置することにします。

床下点検口Cの位置は配管ルートの中心ではなく、前後の床下点検口を結ぶ線上に配置しています。
これは見た目のこともありますが、ここに設置すれば隣接する柱(今は大壁の中に隠れていますが、丸太梁を支える重要な柱が有)の状態を点検できるようになるためです。

<続きます>