古民家再生」カテゴリーアーカイブ

庭の整備(44)郵便受け設置②完成

前回、郵便受けの支柱(スタンド)について検討し、下図のとおり市販のパイプを使って自作することにしました。

パイプはφ25mmのステンレス巻きパイプ(1.5m×2本)を用います。

パイプの下部には下図のとおり建築ブロックを使ってベースを設けます。

<平面図>

建築ブロックの空洞部分にパイプを立て、モルタルを充填して固定することになりますが、モルタルが固まるまでの間、何らかの形でパイプを固定しておく必要があります。
この仮固定にサドルバンド(郵便受けの取り付け用として購入)を一時利用することにします。
パイプを挟んだサドルバンドを端材にビス留めし、パイプの間隔が25cmとなるようにします。

サドルバンドが20A(3/4B)の配管用(外径φ27.2mm)のものなのに対し、パイプの外径がφ25mmのため、そのままでは隙間ができてしっかりと固定できません(サドルバンドは本来、配管固定用のもので、内装材などとして使われるステンレス巻きパイプとは規格が異なるため寸法が合いません)。
このため、パイプにテープ(上写真で緑色のもの)を巻いて27mm程度の太さになるようにしています(このテクニック?を使えば、天然の竹など一定の太さでないものでもサドルバンドと組み合わせられそうです)。

もう1箇所、同じようにして固定するとパイプが25cm幅で平行になり、立てると自立します。

これを建築ブロックの空洞部分に立てます。

空洞部にモルタルを充填して固定します。

このときパイプを上下させ、パイプの内部にもモルタルを詰めることでパイプ下端側の栓になるようにしています(湿気の侵入防止)。

モルタルが固まるのを待ちます。

モルタルが固結したのち、設置箇所に穴を掘って据え付けます。

たかが郵便受けとは言え、基礎が建築ブロックだけでは心許ないように感じますので、先に設置した石柱に沿わせることで支えとしています(反対側は弱い状態のままなのですが・・・)。
また、建築ブロックの天端が地面より少し出るように据え付けることで、パイプ付近に水が溜らないようにしています(最も腐食しやすい箇所)。

これで支柱は完成しましたが、肝心の郵便受けをどうするか?
玄関前にある郵便受けを移そうかとも考えたのですが・・・。

問題は木製(自作)だと言うことです(塗装も柿渋&ベンガラで雨に弱い)。

軒下のため木製でも良かったのですが、野晒しにするのはさすがに厳しいです。
耐候性があるものと言えば、やはりステンレス製ポストです。
安物でも良いので、ステンレス製ポストを購入しようとモノタロウ(資材通販会社)のカタログを物色。
安価なのは下写真のようなやや小型のオーソドックスなものです。


(グリーンライフ PH-30 SUS304)

ところが、カタログをよく見ると同じデザインでも価格が異なるものがあるのです。
両者の材質はともにステンレスでも、その種類が違うのです。

  • 2,500円 ・・・・ SUS430(Fe+Cr18%):磁石がつく
  • 3,500円 ・・・・ SUS304(Fe+Cr18%+Ni8%):ニッケルが含まれるため磁石がつかない

ステンレス製と言えば当然SUS304だと思っていましたが、普及版には耐候性が劣るSUS430が使われているものがあるのです。
屋外でも軒下のような場所であれば、SUS430で十分だと言うことなのでしょう。
危うく価格だけで選んでしまうところでした・・・。

そして、郵便受けを入手したため支柱に取り付けることにします。
郵便受けに直接、サドルバンドを取り付けられなくもありませんが、容易にするため間に板を挟むことにします。

板は少しでも長持ちするように杉の赤身部分を選び、カンナ掛けしたうえオイルステインで塗装しています。

サドルバンド(φ27.2mm用)の取り付け位置にビニールテープを巻いてパイプの径(φ25mm)を調整します。

サドルバンドを使って板を固定。

板に対して郵便受けをビス留めして完成です。

これで郵便配達員の方にバイクに乗ったまま直接、投函していただけるようになったかと思います(これまでは、わざわざバイクから降りて玄関前まで歩いてもらっていました)。

ところで、ポストの正面には住所・氏名を記載するシールが貼ってあったのですが、それがあると安っぽくみえるため剥がしました。
ちょうど郵便受けの下が空いていますので、このシールの代わりに板で表札代わりになるものを作って取り付けたいと思っています(予定は未定)。

参考として、今回の郵便受けの設置に要した費用をまとめておきます。

庭の整備(43)郵便受け設置①支柱

前回、石柱(米搗き臼の支柱として使われていたもの)を設置しました。

この石柱は車路との境界を示す門柱としての役割のほか、郵便受けの基礎にもしたいと考えています。

郵便受けを設置する高さは投函のしやすさなどから1.2m程度にしたいのに対し、石柱はその半分程度の高さ(0.55m)しかありません。
このため、支柱などを使って立ち上げる必要があります。
こうした支柱(スタンド)は既製品が市販されていますが、設置方法が限定され、価格も安くはありません(5,000〜10,000円程度。郵便受け本体は含まず)。
そこで自作することにします。

まずは支柱の配置について検討します。
石柱の上部には凹部がありますので、この形状を活かして2本脚の支柱にすると良さそうだと思って描いたものが下図です。

<立面図・側面図>

2本の支柱の間隔は石柱の凹部にあわせて250mmに設定。
また、支柱の高さは根入れする部分を含めて1.5mにしています。

この支柱を固定する基礎として先に設置した石柱を利用したいと考えています。
石柱に金具を取り付けて支柱を固定する方法が考えられますが、その場合、石柱側にアンカー用の穴をあける必要があります。
穿孔自体はコンクリート用ドリルを使えば可能なのでしょうが、なんとくそのような傷をつけたくないとも感じます。
そこで考えたのが下図のとおり別途、小型の基礎を作り、その基礎を石柱に添わせる案です。

<平面図>

この基礎は小さくても良いため建築ブロックを使うことを考えると、ちょうど建築ブロックの空洞部が支柱の間隔(250mm)と合います。
空洞部に支柱を立て、少量のモルタルを充填するだけで作製できることになります(型枠不要)。

次に支柱に使うパイプの種類を検討します。
まず頭に浮かぶのが工事現場の足場などに使われる単管です。
しかし、単管の直径はφ48.6mmで、今回は2本脚と言うこともあってゴツくなりすぎます。
単管よりも細いパイプと言えば農業用ハウスの骨組みなどに使われるメッキパイプがあり、いくつかの径(φ19.1mm、φ25.4mm、φ31.8mm)の設定があります。
ちなみに、径が小数点の中途半端な数値になっていますが、これはインチ規格のためで、インチに換算(1inch=25.4mm)すると次のとおりキリのよい数値になります。

  • φ19.1mm:3/4in.
  • φ25.4mm:1in.
  • φ31.8mm:1-1/4in.

単管の径も48.6mmと中途半端な数値ですので、これもインチ規格なのだろうと思って電卓を叩いてみるもキリの良い数値なりません。
実は、これは内径が1-1/2in.(40A)の配管用パイプ(SGP管)の外径(φ48.6mm)に等しいのです。
パイプの歴史は配管用のものが古いと思われ、後進の単管は配管用パイプの規格に合わせたのでしょう。
メッキパイプは簡易的なものであるため、そうした歴史に縛られることなく単純に外径をインチ基準にしたのでしょうね。

閑話休題。

さて、どの太さのメッキパイプにするのが良いか。
実際に見て決めるのが早いと、いつものホームセンターへGO!
現物を手にするとφ25.4mm(1in.)が良い感じです。
この4mもの(約1,000円)を1本購入するつもりでいたところ、建築金物コーナーでφ25mmのステンレス巻きパイプを発見。

ステンレス巻き鋼管:φ25mm×3,650mm

このパイプはオールSUS製のものではなく、鋼管に外面をSUS鋼で被覆したパイプです。
このため、安価(3.65mで約1,200円)で錆びにくい(物干し竿にも利用されています)。
しかも、内装材としても使われるように見た目も良いのです(メッキパイプや単管は工事現場感が漂います・・・)。
強度はメッキパイプに軍配が上がりますが、今回は玄関アプローチに設置するため見た目を重視してステンレス巻きパイプを購入。

ステンレス巻きパイプは金ノコでも切れますが、パイプカッター(ウッドボイラー導入において銅管を切断するために購入)を所有していますので、それを使って1.5m×2本にカットします。

そもそも配管用パイプを切るためのものですので、正確かつ綺麗に切断できます(今回は、その必要はなく、自己満足ですが・・・)。

こうしてパイプは準備できたものの、問題は円筒のパイプにどのようにして平面の郵便受けを取り付けるか?
以前、雨樋掃除器を作製した際にはパイプを潰して平面を作ることで板を取り付けました。

円筒のパイプと平面の板を固定するには、ほかに金具を使う方法があります。
板を取り付けるための専用の金具もありますが、それなりの価格がしますし(1個数百円)、今回はたかが郵便受けの重さを支えられれば良いだけです。
もっと簡易で安価なものがないものかと探し出したのが、配管の固定に用いられるサドルバンドです。
本来はパイプ<を>固定するものですが、逆にパイプ<に>固定するのに使おうと言う考えです。
これならステンレス製でも1個30円程度と安価です。

サイズも様々なものがあり、今回はφ25.4mm用のものを2×2個購入(ステンレス巻きパイプはφ25mmのため、少し調整が必要)。

また、これに合わせてパイプの端末に取り付ける化粧用キャップ(上写真で下側)も購入しておきました。