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庭の整備(48)シバザクラの株分けと挿し芽

下写真は、先月(4月)中旬に撮影した我が家の畑の様子です。

大根や菜の花が咲いて春爛漫と言った感じです。
畑の耕作は自然農により行なっており、基本的に無除草のため、ともすれば荒れ放題に見られてしまいがちです。
こうした場合でも、縁が締まっていれば見た目が良くなるのではないかと思い、昨年()、駐車場(上写真で手前側)との隣接部にシバザクラ(ピンク色の花)を植栽しました。

今春、植栽後初めての花期を迎えたのですが、ビッシリと花をつけて花の絨毯のようです。
また、野菜の花が白や黄色が多いところにシバザクラのピンク色が加わって一層華やかに感じます。

シバザクラはこのように花が美しいですが、それ以上に驚いているのが旺盛な成長力です。
1年で植栽時にあった隙間はほとんど埋まり、ササやスギナ、ドクダミのような宿根草でさえ抑える勢いです(グランドカバープランツとして適)。

そこで、シバザクラの植栽箇所をさらに延長して今回、新たに苗を植え付けることにします(下写真で朱色矢印の範囲)。

苗は、これまでと同じ生産農場(市内の石黒植物園さま)で同じ品種(オータムローズ)のものを購入(15ポット)。

今回購入したポット苗を、1年前に植え付けたものと並べてみると下写真のとおりです。

たった1年で10倍程度に広がっており、驚くべき成長力です。

今回苗を植え付ける場所は宿根草(ササやドクダミ、スギナ)や球根植物(キンギョソウ等)が蔓延っている厄介なところです。
シバザクラの成長力に期待するものの、とりあえずは植え付けに際して地上部を刈り取っておきます。

30cm間隔で苗を植え付けます(8ポット)。

来春には大きく成長して花を楽しませてくれることでしょう。

さて、今回8ポットを植え付けたのに対して購入したのは15ポットで、まだ7ポットが残っています。
これらを植え付けたいと考えているのが、アプローチの通路沿いです。

この通路の南側(上写真で左側)には既にタマリュウを植栽してあります(’17年秋’18年春)。
一方の北側(上写真で右側)には槙垣があり、その根元にササが生い茂っています。
アプローチのためササを伸ばし放題にするわけにもいかず、定期的に刈らなければなりません。
そこで、管理が容易で見栄えも良いシバザクラに置き換えたいと考えているのです。
昨春、試験的にササが茂っていないところに植えたもの(3ポット分)が現在、下写真のとおり花を咲かせています。

この場所は長年の除草剤の使用により土が固結し、痩せてもいるため、シバザクラは無理かもしれないと試験的に植えたのですが、枯れることなく成長して花が咲きました(槇垣の南側に位置して日当たりは良好)。

下写真で下側に置いてあるポット苗が購入時の大きさになりますので、1年で5倍程度に成長したことになります。
畑(約10倍に成長)に比べると成長力は劣りますが、この場所でも問題ない感じですので、通路北側の全区間にシバザクラを植栽していくことにします。

とは言え、現状においてはササが蔓延っていて植え付けられそうにありません。
今年の夏にササを枯らしたうえ(除草剤を使用)、秋に植え付けるのが良さそうです。
秋まで時間がありますので、残っているポット苗(7個)を株分けしておけば秋には元の大きさにまで成長しそうです(購入数を減らして節約しようと言う魂胆です・・・)。
1個のポット苗を3分割し、ひとつずつポットに植え付けます。

7個のポット苗が21個に3倍増!

このことを知人に話したところ、シバザラクは挿し芽でも増やせるとの情報を入手。
通路沿いに植栽するには、さらに多くの苗が必要になるため、挿し芽も行うことにします。
挿し木と同じようにすれば良いのだろうと安易に考え、満開状態のシバザクラから挿し穂を採取。

挿し木の場合、挿し床として鹿沼土を用いることが多いですが、粒径が大きすぎるように感じるため、山砂をメインにして培養土と木灰を混ぜたものを挿し床とします。

適当に挿して24ポット分を作製。

この挿し芽は実際には4月下旬に実施したのですが、それから2週経過後の現状が下写真です。

青々として元気なものがある一方、半分程度が萎れてしまっています。
萎れているのは、いずれも花がついていたものです。
つまり、挿し穂にはこの春に伸びた新芽を用いなければならないと言うことです(基本です・・・)。

新しい挿し穂を採取し、萎れたものと取り替えておきます。

株分けしたもの(下写真で中央のトレイ)の中にも今ひとつ元気がないものがありますが、復活してほしいものです。

茶箪笥の修理

春になって雨が降ることが多くなってきました。
そんな雨模様の週末になると屋外での作業ができませんので、屋内で片付けなどを行っています。
物(ゴミ?)で溢れていた倉庫は、5年近くぼちぼち(ぼつぼつ)と作業を進めてきたところ、それなりに片付きました。

しかし、安易に捨てるわけに行かず、かと言って当面は使うあてがないため放置したままになっているものが残っています。
そのひとつが、古い茶箪笥です。

この茶箪笥は、亡き祖母が輿入れしたとき(昭和12年)に持参したものです。
私が幼かった頃には、主屋(古民家)の裏縁に置かれていたのを覚えていますが、祖母が昭和61年に亡くなり、当時は自宅で葬儀を行っていたため、その邪魔になって倉庫に移動・仮置き。
そして、仮置きのまま30年以上が経過・・・。
倉庫内の環境は厳しいため、茶箪笥の引き戸(上写真参照)は壊れてバラバラの状態、本体も油分が失われて白っぽくなっています(下写真は側板部)。

実はこの茶箪笥は、父が飛び込みでやってきた骨董屋(リサイクルショップ?)さんに5,000円で譲る約束をしたのですが、引き取り時に偶々、父が留守にしていたため、引き取られずにそのまま残っているという経緯があります。
今時、茶箪笥なんて無くても構わないものですが、こうして残ったのも何かの定めなのかもしれませんので、時間のあるときに手を入れて再生することにします。

もうひとつ、倉庫内に長年置かれたままになっているのが、昔、餅つきに使われた臼(木製)です。

杵も残っているため、いつか餅つきができればと思っていたのですが、保管時の状態からひっくり返して確認したところ、天端がシロアリにやられています・・・。

直接、土間に置いてあったわけではないのですが、木材(角材)を土台にしていたため、それからシロアリが移ってきたようです。
シロアリに喰われている箇所を切断し、その分だけ鉢部分を深くすれば再び臼として使えるかもしれませんが、そこまでする甲斐はないでしょう。
この機会に解体して薪ストーブの燃料として使うことにします。

解体する前に臼のサイズを計測すると、直径が48cmあります。

臼なので材質が強靭なケヤキが使わているのだと思いますが、これほど太いケヤキの木があり、それをよく伐採・加工(当時は全て手作業)できたものです。

楔を打って割ろうとするも全く歯が立たず(ケヤキは粘る)、チェンソーで切断。

外面は乾燥により白っぽくなっていましたが、断面からはケヤキの赤身が現れました。
これを見ると、なんだか薪にするのは勿体ないようにも感じ・・・。
そこで、一部分を工作材(下写真で右下のブロック)として残して薪割り。

臼のほうが片付いたため、茶箪笥の修理に取り掛かることにします。
まずはバラバラになっている引き戸から。

各部材を確認すると一応全て揃っていますので、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂)で接着して再組立(製造当時はニカワやウルシで接着?)。

引き戸もそうですが、本体も油分が失われて白っぽくなっていますので、全体に亜麻仁油を塗布して油分を補うとともに磨きます。

油分を補っただけで一気に若返りました!!

最上部の引き戸は下写真のとおり襖のように和紙が貼られたものになっています。

色褪せだけならともかく、破れもあるため表装し直すしかありません。

表装し直すために分解しますが、念のため組み合わせを記しておきます。

元々の表装を確認すると、突き板の表裏に和紙が糊付けされていますので、それらを丁寧に剥がします。

裏面から貼り直すことにします。
元々は茶チリのような紙が使われていましたが、手元にないため封筒の黄色っぽい紙(上写真で左側)で代用することにします。

この紙をデンプン糊を使って貼れば良いだけなのですが、普通にやると間違いなくシワが寄ります。
以前、五月人形(武者人形を配置する台座部、下写真で朱色矢印)を修理する際、和紙を貼り直す必要があり、そのときに紙の専門店で貼り方を教えていただいたことがあります(修理後、一式を自治体の郷土資料館に寄贈済)。

その方法は、基本的には板襖に襖紙を貼るのと同じで、前もって和紙にたっぷりと水を含ませ、その十分な水だけで貼るぐらいの勢い(糊は少なめ)にすると良いとのこと。
この教えに従い、まずはスポンジで紙にたっぷりと水を含ませます。
水が馴染むのを待つ間に、水で溶いたデンプン糊を刷毛で板に塗ります。

水を含ませた紙を板に貼り、柔らかい布等で表面を撫でて全体を密着させます。

余分の紙をカッターで切り落としておきます。
障子貼りのときと同じですが、このとき定規(地べら)をしっかり押さえるようにすると上手く切れます。

(自然)乾燥後が下写真で、シワになることなく綺麗に仕上がりました(感謝!紙屋さん)。

裏面で練習したところで、いよいよ表面です。
表面には元々、金色の紙が使われていましたので、紙屋さんで金色に彩色された和紙(越前和紙、300円程度)を入手。

貼り方の手順は裏面と同じため省略。
裏面同様、綺麗に仕上げることができました。

次に手掛け(上写真で下側にある金具)を取り付けますが、4枚の引戸に対して金具が3個しかありません・・・。
今となっては同じものを入手するのは困難かと思いますので、1枚は手掛け無しとします。

枠と板とは接着剤で固定してあるのではなく、極小の釘(今回は真鍮釘を使用)を使って外れないようにしてあるだけでした。
再表装や、板と角材との収縮の違いを吸収するためだと思いますので、同じようにします。

引き戸の修理完了。

やはり、新しい紙に貼り直すと良いものです。

元々の和紙(下写真で右側)と比べると、その違いは歴然です。

祖母が我が家に輿入れしたのは昭和12年(1937年)ですので、82年でここまで変色・劣化したわけです。

修復した引き戸を取り付ければ完成です!

ちなみに上写真で茶箪笥の右側に写っているのは、昨年にテーブル(テレビ台)として再生させたミシン台です。
このミシンも、茶箪笥と同じく祖母の嫁入り道具です。
昨年に祖母の三十三回忌も終わったことですし、祖母の思い出の品としては、この二つを残して活用することにし、他のもの(長持ち等)は処分しようかと思っています。

で、修理した茶箪笥をどうするか?
玄関脇に小部屋がありますので、そこにでも置いて来客時にお茶(実際にはインスタントコーヒー!?)を出せるようにしておくと良さそうです。

昔の火鉢を転用したテーブルもありますので、お茶するのに丁度良いことでしょう。