古民家再生」カテゴリーアーカイブ

庭の整備(24)芝生の目土入れ

一昨年の春、砂利敷きだった主屋(古民家)前を芝庭に変えました。


<昨年7月の様子>

芝庭と言えば管理が大変と言うイメージがありますが、これまでのところは夏季の芝刈りと目に付いた雑草を折々に取るぐらいしかしていません(特に問題なく生育しています)。
しかし、芝生管理のテキストを読むと、ほかにも施肥や目土入れ、エアレーションなどを行う必要があるとのこと。

この内の目土入れは、床土と同じ用土を定期的(年1回程度)に補足するもので、芝生を若返りさせるために重要な作業とされています。
用土が必要となりますが、門松を作る際に使用した山砂を残してありますので、それを使って目土入れを行うことにします。


(鉢に土入れするのに山砂を使用)

目土を入れる前に、除草と掃き掃除(落ち葉やサッチ)を済ませておきます。

目土は下写真の鉢に入っているものを含めて約30リットル分を用意。
芝生の面積(約50m2)から敷き厚は0.6mm(=30L/50m2)となります。
標準的な敷き厚3mmに比べると相当少ない(1/5)ですが、今シーズンはこれで様子を見ることにします。
ちなみに3mmにしょうとすると150リットルの山砂(ホームセンターの小袋入りのものだと約7袋)が必要となり、結構なボリュームになります。

目土を入れるついでに草木灰(薪ストーブで発生したもの)を混ぜて肥料分(石灰、カリ)も補うことにします。

花咲爺さんになった気持ちで灰入りの目土を均等な敷き厚になるように散布。

とは言え0.6mmの敷き厚しかありませんので、外観上の変化はほとんどありません。

この作業を行なっているときに地元の新聞屋さんが集金にみえたのですが、その方は以前ゴルフ場などで芝生の管理(キーパー)をされてみえたとのこと。
そこで色々と教えていただいたのですが、芝生で最も大切なのは除草をメインとする管理作業で、次いで排水性が良いことだそうです。
今回の目土入れでは山砂を使いましたが、年々積層していくことを考えると、より排水性が優れる川砂を使ったほうが良いことも教えていただきました。
ほかにも地元の建材屋さんで扱っている砂利のことなども教えていただいたのですが、こうして話しを聞くとやりたいことが増える一方です(^^;

<続きます>

雨水対策(10)自然植生による斜面安定化策

自宅敷地と里山との境界にあるスギが枯れたことから、先般伐採しました。

里山との境界は斜面になっており、この斜面は雨樋の故障や昭和30年代に起きた竹の一斉枯死を引き金として崩れたことがあります(下図で茶色矢印の円弧滑り)。

斜面崩壊の進行を食い止めるべく、亡き祖母が斜面の肩部分にスギの苗木(上図で緑色イラスト)を植えたのですが、その内の1本が先に伐採した木になります。
斜面がその後、再び崩れることはなく、スギが果たしてきた役割は大きかったわけですが、枯れたことで気になるのは今後の斜面のことです。

ところで、私自身は斜面が崩れたことや杉を植えたことは聞いて知っているだけですが、それでもこのエリア(下図で左下。偶然にも裏鬼門に一致します)は注意を払う必要があるように感じてきました。

現在の土木技術からすれば、この程度の斜面(h=8m弱)であればコンクリート製ブロック(間知ブロック)を積んで安定化させるのはそう難しいことではないと思います(ただし、費用は100m2×12千円/m2=120万円:仮設工事や経費を含みませんので、最低でも200万円はかかりますが)。

しかし、コンクリート構造物の強度は短期的には完璧であるものの、長期的に見れば自然には敵わないと思っています。
そこで、祖母がスギを植えたように自然の植生を生かした斜面安定化を図りたいと考えています。
具体的には、斜面の植生を次のようにし、それぞれの根の力を借りると言うものです。

  • 極表層:雑草
  • 表層:竹
  • 深層:雑木

要するに自然の山の状態で、本来はこのようになっても良いはずです。
しかし、剪定屑などの投棄による樹木・竹の倒壊や地盤の軟弱化、除草剤の散布や雨樋の故障による土砂の流出が進んでいることから、少し手助けしないことには上記の状態になってくれそうにありません。


(整備中の写真)


(整備前の写真)

これまでから取り組んでいる、里山整備(竹の間伐)や投棄ゴミの回収雨樋や排水路の整備は、この手助けのひとつだと思っています。

さて、枯死したスギですが、幸いなことに近くにはツバキなどの雑木が大きくなってきていますので、これらの力を期待できそうです。

これらの雑木の力に期待するものの、雨水が山側(斜面)に流れ落ちる際に土砂を流出させてしまう恐れがあります(離れの雨水排水は山側に流れないように昨年に雨樋や排水路を整備済)。

そこで、土砂を流出させないように、肩の部分に土留め(上図で朱色丸印)を施すことにします。

土留めを設置する区間は枯死したスギの木を挟んで南北それぞれ約10m(下図で黄・朱色線)とします。

スギの木の南側(上図で黄色線)については、昨年に既に土留めを設置していますので(下写真)、これを延長する形になります。

<続きます>