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雨水対策(16)雨樋掃除器②作製

前回、2階の雨樋(軒樋)に溜まる枯葉対策として、コンプレッサーの圧縮空気で吹き飛ばす方策を検討しました。

もちろん、こうした器具は市販されていませんので自作せざるを得ません。
まずは竿の先端に取り付ける金具から作っていきます。

金具は、加工のしやすさと取り付け先の竿(アルミパイプ)との関係(ガルバニック腐食)からアルミ板を用います。

アルミ板(1.0t×100×300)に上図を罫書きます。

加工(ジグソーとドリルを使用)。

この板状の金具を円筒のアルミパイプに取り付けるのですが、板と円筒をどうやって取り付けるのか?
いくつか方法がありそうですが、今回はアルミパイプの先端を板状に潰して取り付けることにします。

金具(アルミ製)とパイプ(アルミ製)をブラインドリベット(アルミ製)で接合(ハンドリベッターを使用)。

アルミのリベットとは言え、手元にあったものは普及品のためシャフトはスチールでした・・・(オールアルミの製品もあり)。

竿の長さは5mとしていますが、ホームセンターで販売されているアルミパイプの長さは4m・2m・1mです。
このため、2本(4m+1m)を継ぐ必要があります。
アルミパイプの内径23mm(=25mm−肉厚1mm×2)から、呼び16mmの塩ビ管(外径22mm)を内ジョイントとして使って継ぐことにします。

アルミパイプとジョイントとの間に1mmの隙間がありますので、アルミパイプにタッピングをねじ込んでジョイントを固定しています。
アルミパイプの肉厚(1mm)がもう少しあれば、ちゃんとネジ立てして繰り返し脱着できるようにしたいところです。

次にエアホース(外径φ10mm、内径φ7mm)を取り付けます。

竿(アルミパイプ)の側面に穴をあけ、パイプ内にエアホースを通すようにしています。
また、エアホースの先端にはL型の樹脂製ニップルを取り付けて吐出口としています。

この吐出口から圧縮空気(エアー)を吐出させて雨樋(軒樋)に溜まった枯葉を吹き飛ばす考えです。
しかし、コンプレッサーから送られるエアーを単に流し続けるだけでは、効果的に枯葉を吹き飛ばせそうにありません。
そこで、エアホースの中間(竿を保持する周辺)にバルブを設け、これを開閉することでエアーの吐出を操作することにします。

ただ、一般的なバルブ(ボール弁)では、手早く開閉して瞬間的に大量のエアーを吹き付けることは難しそうです。
その点、清掃に用いられるエアーダスターガンはピストル状にして容易に操作できるようになっています。
これを流用できないものかと手持ちのエアーダスターガン(安物)を確認すると、本体とノズルが1/8in.の平行ネジ(G)で接合されており脱着可能です。

このノズルの代わりに上写真のとおり部品を組み合わせてエアホースを接続することにします。
部品を組み合わせるのは、エアホース側のホースジョイントが1/4in.のものしか市販されておらず、1/8in.と1/4in.の異径ニップルを間に挟む必要があるためです。

ちなみに、こうした部品の規格(管用ネジ)はエアー配管に固有のものではなく、水道管やガス管なども基本的に同じになっています。
この辺りのことは昨年、ボイラー(ATOウッドボイラー)を導入する際に理解せざるを得なかったのですが、それが役立ちました。

エアホースに接続。

雨樋掃除器の完成です。

<続きます>

雨水対策(15)雨樋掃除器①検討

2階建ての離れは里山に隣接して建っているため、雨樋が枯葉ですぐに詰まります。
過去に雨樋の故障に端を発して里山の斜面が崩れたこともあって、昨年から雨水対策としていろいろと行なってきました。
その一つとして、昨年6月には雨樋(軒樋)に枯葉防止ネットを設置しました。

しかし、滞りなく排水されていたのも束の間、設置から4ヶ月後の10月には集水器付近から雨水が溢れるようになりました。

このときは集水器付近のネットの中に溜まっている細かい枯葉を取り除くことで対応できました。

その後、冬(落ち葉)と春(杉の花粉&笹の葉)を越す頃には集水器付近のみならず途中からも雨水が溢れる事態にまで悪化・・・。

雨水が溢れている箇所で枯葉が溜まっているものと考え、その前後の枯葉防止ネットを取り外して確認してみることに。
しかし、取り外したネットには枯葉が溜まっていないのです。
おそらく、その下流のどこかで堆積していて、軒樋の微妙な勾配の関係で違う箇所から雨水が漏れているようです。
こうなると全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除するしかありませんが、ネットは軒樋の中に据えてあるだけとは言え、軒瓦との間に挟まれて簡単には取り外せないため厄介です。

それでも、どうにか全撤去。

1箇所だけでなくて複数箇所で枯葉が堆積しています。

写真では分かりづらいですが、筒の断面積の1/3程度堆積しているような状況です。

この堆積状況からすると、半年に1回程度の頻度で全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除する必要がありそうです。
もちろん、このためには二連梯子を掛ける必要があるのですが、それならネットが無いほうが掃除しやすくて作業時の危険も少ないぐらいです。

そんなわけで、枯葉防止ネットは再設しないことにします。
とは言え、年に数回、二連梯子をかけて2階の軒樋を掃除するのは手間が掛かりますし、何より危険です。
ほかに方策はないものかと考え、思いついたのがコンプレッサーのエアー(圧縮空気)を吹き付けて枯葉を飛ばす方法です。
枯葉は風で吹き飛ばされて軒樋に溜まるのですが、さらに風を送って軒樋から吹き飛ばそうと言う考えです。
また、枯葉防止ネットは枯葉を溜まらないようにする方策ですが、発想を転換し、あえて軒樋に溜まらせ、溜まったものを吹き飛ばす作戦です。

エアーを吹き付けるのに二連梯子を登っていては意味がありませんので、2階の軒樋まで届く竿を使って作業できるようにします。
竿の必要長さを建物の断面図から検討します。

上図から竿の長さは5mあれば良さそうです。

5mの竿として、竹を使うことを最初考えて試すものの、1本ものを使うと重すぎ、細いものを2本継げば接続箇所が安定せず中々うまくいきません。
次に金属製パイプとして農業用ハウスの支柱(φ19.1mm)が安価で良いと考え、ホームセンターで実際に持ってみると重すぎ。
結局、軽いアルミパイプしかないと言う結論に。
アルミパイプの口径は、たわみを考慮してφ25mmにします(4m+1m、2本継ぎ)。

竿の先端には、エアーの吐出口を固定するとともに、軒樋に引っ掛けて安定させるための金具を取り付けます。

この金具は加工のしやすと、竿の材質(アルミ)との関係(ガルバニック腐食)からアルミ板を加工して作ることにします。

エアーの発生源となるコンプレッサーは離れの1階に保管してありますので、そこからエアホースを伸ばして接続すれば良さそうです。

こうすれば反対側(東側)の軒樋も同様に掃除できるようになります。

<続きます>