竹ボイラー導入」カテゴリーアーカイブ

竹ボイラーの導入(30)自作パネルヒーター③銅管のハンダ付け

前回、支柱となるアルミ製アングルを加工しました。

次に本体(熱交換器)の銅管(下図で朱色着色)を組んでいきます。

銅管は、以前検討したとおり口径φ15.88mmのものを使います。
使用する部材は次のとおりです。

  • 2mもの直管:4本
  • エルボ(90°):20個
  • チーズ:1個
  • メスアダプタ(R1/2):1個(空気抜弁接続用)
  • オスアダプタ(G1/2):2個(本管接続用)

銅管の継手は塩ビ管と同様にソケットになっています(ソケットの固定に塩ビ管の場合は樹脂系の接着剤を使うところを、銅管の場合はロウ材を使うことになります)。
ソケットには継手代がありますので、それを考慮(実際に嵌めて確認)して直管から各部材を切り出します(チューブカッターを使用)。

続いて各部材を接合していくことになりますが、銅管の接合と言えばロウ付けです。
今回のような小口径の銅管の場合はロウ材としてハンダ(軟ロウ)を使うとは言え、私のような素人にとってはハードルを感じます。
ハンダ付けの方法をネットで調べてみると、必要となる道具・材料はパワートーチ、ハンダ及びフラックスだけで良いようです。
基本的には電子工作のそれと同じで、ハンダこてに代わってパワートーチを使う感じでしょうか。

ハンダ(500g、2,000円弱)やフラックス(1,000円弱)も銅管(水道資材のため鉛フリー)用のものになりますので、両者をホームセンターで購入してきました。

銅管は先に加工したアルミ製アングルの穴を通すことで支えますが、この穴の(中心)間隔は@64mmとしています。
つまり、正確に64mm間隔になるように銅管をハンダ付けしなければならないわけです。
そこで、64mm間隔を保持する治具を事前に作っておきます。

端材に15.88mm幅(銅管の外径)の溝を(中心)間隔64mmで2箇所設け、これを2個作ります。

この治具を下写真のとおり使い、ハンダ付けの対象となる銅管をセットします。

いよいよハンダ付けですが、その手順を素人があれこれ説明するよりも下記リンク先を参照していただくほうが良いでしょう。

・株式会社UACJ銅管販売:スミケイの配管講座「はんだ付(軟ろう使用)の手順」

この手順に従って片側(下写真で下側)をハンダ付け。

手順書にも詳しく記載されていますが、パワートーチで接合部を加熱し続けると炎の先端の色が変わる(薄黄緑色)ときがあり、そのタイミングでハンダを付けると溶融して上手い具合に表面張力により隙間へと吸い込まれていきます。

片側のハンダ付けが終わったところで、支柱のアングルとグロメットを銅管に取り付けておきます。
グロメット(材質:EPDM)は耐熱性(100℃)のあるものを使用しているとは言え、さすがにハンダ付け温度(260~320℃)には耐えられません。
このため、ハンダ付け箇所からできる限り離すとともに、水を含ませた雑巾を被せて養生したうえでハンダ付けを行います。

上写真で右下には空気抜弁を接続するためのメスアダプターをハンダ付けしています。
アダプターは通常の銅管や継手よりも肉厚(黄銅?)で、そのため加熱具合を判断しづらく、ハンダがダマになったりして手間取りました。
この辺りは経験が必要に感じましたが、通常の銅管どうしの接合であれば素人にも十分可能なものでした(現時点では漏水することなく、うまくできているとは言い切れないのですが・・・)。
今回ハンダ付けを行ったことで、今後行うことになるボイラー周りの配管(銅管使用)についても少し目処がつきました。

<続きます>

竹ボイラーの導入(29)自作パネルヒーター②ガルバニック腐食

前回、パネルヒーターの構造について検討し、下図のとおりとすることにしました。

熱交換器となる銅管を組み、それをアルミ製アングルで支える構造としています。

ところで、こうした構造にすると銅(銅管)とアルミ(アングル)の異種金属が接触するため、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食、電食のひとつ)が生じる恐れがあります。
市販のパネルヒーターなどを見ると、銅管にアルミ製のフィン(fin:ヒレ状のもの→伝熱面積UP)が取り付けられているため、銅とアルミとの組み合わせは特に問題ないのだろうと深く考えていませんでした。
しかし、中学生のときに習った金属のイオン化傾向「貸そうかな、ま(Al:アルミ)当てにするな、ひ(Cu:銅)すぎる借金」を思い出すと、アルミと銅との電位差は大きいです(アルミが銅に対して卑→腐食が進む)。

<金属のイオン化傾向>

ガルバニック腐食と言えば、鉄とスレンレス(合金で銅と同程度の電位)との間で生じることが良く知られていますが、イオン化傾向だけを見ると、アルミと銅との組み合わせのほうがヤバイいことになります。
ただ、腐食のしやすさは単純に電位差だけで決まるものではなく、例えばアルミとスレンレスの間では比較的生じにくいようです。

また、ガルバニック腐食は異種金属の間に水が介在することで発生します。
このため、今回作成するパネルヒーターを暖房用途(温水を通水)にしか使わないのであれば(市販のパネルヒーターと同じ)、銅管表面が結露することはなく、腐食は生じにくいことになります。
しかし、将来的には冷水を通して井戸水クーラーにも使いたいと考えており、その場合には結露します。

アルミと銅との組み合わせで、しかも結露する条件下でガルバニック腐食が生じるのか?
実験して確かめる手もありますが、長期的なことを考えると対策しておくほうが良さそうです。
ガルバニック腐食対策は、その発生条件から次の方法を思いつきます。

  1. 電位差が小さくなる金属を用いる。
  2. 金属間に水を介在させない。
  3. 金属間を絶縁させる。

1.について、アングルの材質を銅やスレンレス(銅と同程度の電位)に代えれば良いですが、一般には入手しづらく、入手できたとしてもコストや加工面で難があります。
2.については、先に記述したとおり暖房用のみに限定しなければなりません。
と言うことで、3.の絶縁となります。

銅管とアルミ製アングルを絶縁するには、アルミが接する箇所の銅管表面に防食テーブでも巻いておけば十分ではないかと思います(素人考え)。
ただ、銅管の支持具合と見た目が今ひとつで、何か良いものはないかと探したのがグロメット(本来の用途は電気ケーブルの保護)です。


<Wikipedia「グロメット」より>

これを銅管とアルミ製アングルとの間にはめ込むようにすれば、絶縁を図ったうえ、銅管を保護しながらも確実に支持できるのではないかと考えました。
なお、グロメットは銅管(100℃近くまで上がる可能性あり)に取り付けるため100℃の耐熱性があるものを使用します。

ガルバニック腐食への対策方法が決まったため作製に入ります。
まずは、銅管の支柱部分をアルミ製アングルを使って作ります。

アングルはL-30mm×30mm×t2mmのものを使います。
これに銅管(φ15.88mm)を通す穴をあけますが、これで銅管の位置が決まりますので正確にポンチします。

穴は金属用ホールソーを使ってあけますが、念のためドリルで誘導穴をあけておきます。

グロメットは銅管(φ15.88mm)に合うものをMonotaRoで探したところ、φ15mm(内径)×φ19mm(外径)のものが見つかりました(20個で約300円)。
このグロメットの外径(φ19mm)から、アングルにはφ20mm(≒φ19mm+0.88mm)の穴をあけます。

問題なく全ての穴があきましたので、不要部分を切り落とします(丸ノコにアルミも切断できる鋸刃「オールマイティ」を装着)。

バリを落とし、支柱部分の作製はとりあえずここまでとします(次に銅管を組んでいきます)。

<続きます>