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竹ボイラーの導入(20)温水暖房器具の検討

前回でボイラーの煙突が完成しました。

ところで、ボイラー(ATO ウッドボイラー)で沸かした温水は給湯だけでなく暖房にも利用したいと考えており、先に倉庫(ボイラーの設置箇所)と主屋の間を配管した際にも複数のパイプを敷設しました。

今後、これらのパイプの起点側(ボイラーとの接続)及び終点側(主屋側に給水栓等設置)を施工していくことになりますが、給湯・暖房のうち暖房分を先行したいと考えています。
暖房については昨年導入した薪ストーブを朝・晩焚いているのですが、朝焚いても昼には寒くなってしまいます。
日中は母が在宅しているのですが、70才を超えた母が慣れない薪ストーブを扱うわけにもいかず、ファンヒーター等に頼らざるをえません。
今回計画している暖房は、ボイラーで沸かした温水を循環させて暖房する仕組みですので、温水が蓄熱材になって朝に焚けば日中もある程度、暖房が持続するように思います。
さらに、温水暖房のため自然な温もりが期待でき、ヒートショックなどの可能性が高い高齢者にとって適した暖房になります。
そして、朝はボイラーを焚き、夜に薪ストーブを焚くようにすれば、燃料の多様化(薪ストーブでは焚きづらいものをボイラーで燃焼)を図れるかもしれません。

とは言え、温水暖房システムを構築するためにはボイラーや配管だけでなく相応の暖房器具が必要となります。
そこで、暖房器具を検討することにします。

温水暖房としてまず思い浮かぶのが床暖房です。
床暖房は床板と断熱材との間に架橋ポリエチレン管を敷設し、これにボイラーで沸かした温水を流すことで実現できるように思います。
しかし、床は一昨年の改修工事で新しくしたばかりですので、暖房のためとは言え手を入れたくありません(実は将来的にオンドル風の床暖房ができるようになっています)。
もし、据え置き型の小さな床暖房パネルがあれば、冬の間だけテーブルの下に設置すれば良いかもしれません(テーブルに布団をかければ炬燵のようにもなる?)。
ただ、市販品でこうしたものを見かけたことがありませんし、仮に市販されていても我が家のテーブルの大きさに合うとは限りません。
そこで、自作することにし、簡単な設計図を描いてみます。

大きさ(950mm×650mm)はテーブルの内サイズに合わせ、4方を框で組んで、その中に床暖房システムを仕込みます。
仕組みは一般的な床暖房と同じですが、熱交換器を架橋ポリエチレン管ではなく銅管(ナマシ銅管φ9.52mm×5m)としています。
架橋ポリエチレン管だと配管密度を高められない(曲げ半径が大)うえ、銅管に比べて熱伝導率が低いため、今回の面積(950mm×650mm)ではほとんど暖かくならないのではないかと思います(銅管で暖かくなると言う確証もないのですが・・・)。

この半畳程度の床暖房だけではボイラーをほとんど活かせませんし、部屋の温度上昇までは期待できませんので、パネルヒーターも導入することにします。
パネルヒーターは温暖な当地でも昔、校舎など(セントラルヒーティング)に設置されていたのを覚えていますし、現在では家庭用の洒落たものがガス会社などから市販されています。


Wikipedia「温水暖房」より>

市販品は3万円程度からあるようですので、それを購入すれば手っ取り早いです。
しかし、このパネルヒーターは夏には井戸水を流して井戸水クーラーにするつもりなのに対して、市販品は温水専用で冷水が流れることを想定していないはずです(冷水の場合には結露対策が必要)。

エアコンの室内機や自動車のラジエーターを利用する手もありえるのでしょうが、配管の接続などでいろいろと難儀しそうに感じます。
そこで、パネルヒーターも自作することにして描いたものが下図になります。

単に銅管(φ15.88mm)をグルグルと配管させただけのものです。
冷水を流す場合には、銅管表面に生じる結露水を集める容器を下部に設置し、エアコンのように室外に排水するようにしようかと思っています。
熱交換器にはエロフィンチューブ(表面にひれ状のものを取り付けたパイプ)を用いると交換熱量が増すのですが、何しろ高価らしく、一般的な銅管(水道配管用)を用いています。

これらの暖房器具は下図に示す場所に設置し、床下点検口内の配管分岐箇所(ここまで架橋ポリエチレン管で配管済)から接続したいと考えています。

<続きます>

竹ボイラーの導入(19)煙突貫通部の雨仕舞い

前回、屋根(倉庫の庇)を不燃材のスレート板に取り替えたうえ、煙突を貫通させました。

ところで、煙突と屋根(スレート板)との間には上写真のとおり隙間がありますので、その雨仕舞いのため、薪ストーブの煙突のようにストームカラー(下写真)を取り付けようと思っていました。

しかし、スレート板は瓦に比べ波が高い一方で幅が狭いため、その谷を流れ落ちる雨水を煙突が堰き止めてしまいます(下写真で水色着色箇所)。

谷に雨水が溜まらないようにするには煙突の上流側の谷を埋めてやれば良く、その幅は下図から3谷(4山)分になります。


<横断図>

そして、この谷を何を使って埋めるかですが、まず思い浮かぶのがモルタル(骨材に硅砂、接着力強化のための混和材配合)です。
モルタルだと屋根材(セメントを主原料とするスレート板)との相性が良く、強固に接着されるように思います。
しかし、煙突(スレンレス製)との接着ができないため、煙突との間の雨仕舞い用として別途、ストームカラーを設置する必要があります。

そこで、煙突との間の雨仕舞いも一挙に解決できる方法(ストームカラーが不要)を考えたのが下図です。
モルタルの代わりにトタン板を使って谷を覆い、それを煙突の下流側まで伸ばすことで煙突周囲の雨仕舞いまで行おうという考えです。


<平面図>

トタン板なら煙突の口径φ115mmで穴をあけるのは容易ですし、僅かにできる隙間はシーリング材(耐熱)で充填することもできます。

トタン板(ガルバ生地)は雨樋防護カバーの作製に使ったものが残っていますので、その端材を利用して作っていきます。

波板の波と煙突の位置を合わすことばかりに気を取られてしまい、両側面の重ね代を逆に折り込んでしまいました(山折りのところを谷折り)・・・。
谷に雨が入り込んでしまいますが、折り返すのは難しそうですので取り付け後にシーリング材を充填することにします。

波板を覆うように取り付けます(更新時に取り外しやすいように小ネジを使用)。

煙突の間にはシーリング材を充填しています(トタンの谷部分も・・・)。

下写真で奥側に写っている雨樋もトタンを使いましたし、トタンが大活躍です!

これで煙突の完成です(実際には、あと1.5m分の煙突を継ぎ足しますが、まだボイラーを焚ける状態ではないため最小限の高さとしています)。
薪ストーブの煙突を設置したときに比べると、煙突が小さいこと(薪ストーブ:φ200mm、ボイラー:φ115mm)や周囲が基本的に不燃材で覆われいるため容易なのですが、それでもいろいろと手間が掛かりました。

<続きます>